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第108回 森林研究所の散歩道(トウバナ、ハシバミ編)
第108回 森林研究所の散歩道(トウバナ、ハシバミ編)
第108回の今回は、トウバナとハシバミについて紹介します。
トウバナはシソ科トウバナ属の多年草です。山地や田のあぜなどのやや湿った場所に生えます。
茎は根元から束生し、10~30cmになります。葉は対生し、卵形または広卵形で長さは1~3cm、幅8~20mmで葉柄があります。
枝先に淡紅紫色の唇形花が数段輪生します。花冠は長さ5~6mm、萼は長さ3~4mmで短毛が生えます。
漢字では「塔花」と書き、花穂の形に由来しています。
(出典)林(1983)日本の野草.山と渓谷社.p225.
写真1 トウバナ 写真2 トウバナの花
(写真1、2は2023年6月19日に撮影)
ハシバミはカバノキ科ハシバミ属の落葉低木です。北海道、本州、九州の冷温帯で自生し、明るい林内や林縁で稀に見ることができます。
高さは普通1~2mほどですが、大きいものでは5mにもなります。
花のあと、雌花の小苞は葉状の果苞となり、写真4のように堅果を包みます。
ハシバミ属の果実はいずれも古くから食用として利用され、特にセイヨウハシバミの果実は「ヘーゼルナッツ」の名称で親しまれています。
(出典)石井(2000)樹に咲く花.山と渓谷社.p204.
千葉(1989)岡山の樹木.山陽新聞社.p238.
写真3 ハシバミ 写真4 ハシバミの実
(写真3、4は2023年6月20日に撮影)
所内の散策をされる際にはこれらの植物も一緒に探してみてはいかがですか。
また、植物の位置がわからない場合はお気軽にお尋ねください。