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第107回 森林研究所の散歩道(ヤマノイモ、ヤブガラシ編)
第107回 森林研究所の散歩道(ヤマノイモ、ヤブガラシ編)
第107回の今回は、ヤマノイモとヤブガラシについて紹介します。
ヤマノイモはヤマノイモ科ヤマノイモ属のつる性の多年草です。本州以南の山地に自生しています。
地中には食用となる円柱形の多肉根があります。茎は右巻きであり、葉は対生し長卵形で先は鋭く尖り、基部は心形です。葉のわきに珠芽(むかご)をつけます。
雌雄異株であり葉のわきに2~5個の穂状花序を出し、白色の小さな花を開きます。
(出典)牧野(1982)原色牧野植物大図鑑.北隆館.p760.
林(1983)日本の野草.山と渓谷社.p596.
写真1 ヤマノイモ 写真2 ヤマノイモの花
(写真1、2は2023年6月26日に撮影)
ヤブガラシはブドウ科ヤブガラシ属のつる性の多年草です。原野や人家付近に自生します。
稜があり、角張っている茎は成長が早く、他物にからみつきます。巻きひげは葉と対生します。
夏に咲く花は葉と対生します。名前はやぶを枯らし、繁茂することに由来します。
(出典)牧野(1982)原色牧野植物大図鑑.北隆館.p322.
佐竹(1981)日本の野生植物.平凡社.p238.
写真3 ヤブガラシ 写真4 ヤブガラシの花
(写真3、4は2023年6月26日に撮影)
所内の散策をされる際にはこれらの植物も一緒に探してみてはいかがですか。
また、植物の位置がわからない場合はお気軽にお尋ねください。