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第103回 森林研究所の散歩道(ハマナデシコ、ヘクソカズラ編)
第103回 森林研究所の散歩道(ハマナデシコ、ヘクソカズラ編)
第103回の今回は、ハマナデシコとヘクソカズラについて紹介します。
ハマナデシコはナデシコ科ナデシコ属の多年草です。日本の本州中南部を中心に沖縄、中国に分布しており、主に海岸で見ることができます。
高さ15~50cm程度になるハマナデシコは、耐暑性の強い園芸品種として夏の切り花用に栽培されます。
江戸時代の1784年にツュンベリーによって「日本植物誌」に記載されています。
漢字では浜撫子と書き、不良環境である浜辺によく自生することに由来します。
(出典)林(1983)日本の野草.山と渓谷社.p510.
長岡(1997)野の花・街の花.講談社.p207.
鈴木(1998)園芸植物.山と渓谷社.p88.
写真1 ハマナデシコ 写真2 ハマナデシコの花
(写真1、2は2023年6月19日に撮影)
ヘクソカズラはアカネ科ヘクソカズラ属のつる性多年草です。北海道から沖縄の温帯や亜熱帯で自生しており、林縁で見ることができます。
全体的に悪臭がするため、屁糞蔓(へくそかずら)と呼ばれています。他にも、花の中央が赤くお灸(やいと)の跡に似ているためヤイトバナとも呼ばれています。
秋には黄色で光沢のある球形の実をつけます。
(出典)林(1983)日本の野草.山と渓谷社.p150.
長岡(1997)野の花・街の花.講談社.p118.
林(2020)樹木の葉 実物スキャンで見分ける1300種類.山と渓谷社.p660.
写真3 ヘクソカズラ 写真4 ヘクソカズラの花
(写真3、4は2023年7月11日に撮影)
所内の散策をされる際にはこれらの植物も一緒に探してみてはいかがですか。
また、植物の位置がわからない場合はお気軽にお尋ねください。