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第93回 森林研究所の散歩道(ゼンテイカ、ガクアジサイ編)
第93回 森林研究所の散歩道(ゼンテイカ、ガクアジサイ編)
第93回の今回は、ゼンテイカとガクアジサイについて紹介します。
ゼンテイカはツルボラン科ワスレグサ属の多年草です。山地や高山の草原などに群生します。
高さは50~80cm程度で、葉は列に扇形にでて長さ60~70cm、鮮緑色で上半分は湾曲し垂れています。
葉の間から60~80cmの花茎を出し、先は短く枝分かれします。花は直径7cm程度の漏斗状鐘型になり、先は少し反り返っています。
ニッコウキスゲという名前でも知られています。
(出典)林(1983)日本の野草.山と渓谷社.p612.
長岡(1997)野の花・街の花.講談社.p163.
写真1 ゼンテイカ 写真2 ゼンテイカの花
(写真1、2は2023年6月14日に撮影)
ガクアジサイはアジサイ科アジサイ属の落葉低木です。高知県などの暖温帯に自生しています。株立ちで高さ2~3m程度になります。
6~7月に枝先に直径10~20cmの集散花序をだします。装飾花の萼片は白色~青紫色であり、長さ1.5~2.5cmの広卵形~円形のものが3~5個あります。写真4では外側にある白い花になります。
両生花の花筒は長さ1.5mmの倒円錐形で、小さな萼片が4~5個あります。花弁は淡青紫色で5個、長さ3mmほどの卵状長楕円形で散りやすいです。写真4では中央にあるつぶつぶした見た目のものがこれに当たります。
(出典)太田(2000)樹に咲く花.山と渓谷社.p45.
長岡(1997)野の花・街の花.講談社.p263.
写真3 ガクアジサイ 写真4 ガクアジサイの花
(写真3、4は2023年6月14日に撮影)
所内の散策をされる際にはこれらの植物も一緒に探してみてはいかがですか。
また、植物の位置がわからない場合はお気軽にお尋ねください。