本文
第111回 森林研究所の散歩道(オヘビイチゴ、ノイバラ編)
第111回 森林研究所の散歩道(オヘビイチゴ、ノイバラ編)
第111回の今回は、オヘビイチゴとノイバラについて紹介します。
オヘビイチゴはバラ科キジムシロ属の多年草で、田んぼのあぜなどで多く見られます。
茎は斜めに地面を這って上部に立ち上がります。小葉は3個では無く5個あることがヘビイチゴとの違いです。しかし、上部には1~3個のものも混じることがあります。
名前は大型のヘビイチゴの意味ですが、この2つの種は属を分けており、キジムシロ属である本種はイチゴ状の果実では無く、褐色の痩果をつけます。
痩果とは果皮が乾燥して硬く種子を包み、裂開しないものです。イチゴのつぶつぶした小さな種子や冠毛のついたタンポポの種などがあります。
(出典)片桐(1997)山野草.西東社.p87.
林(1983)日本の野草.山と渓谷社.p405.
写真1 オヘビイチゴ 写真2 オヘビイチゴの花
(写真1、2は2023年5月10日に撮影)
ノイバラはバラ科バラ属の落葉低木です。河原や原野、林縁などで普通にみられます。
高さ2mほどになり、茎はよく枝分かれして直立しますが、他のものに寄りかかって這い上ることも多いです。
5~6月の間に枝先の円錐花序に芳香のある白い花を多数付けます。
花の香りが良いため香水の原料として、またバラの園芸品種の台木として利用されています。
(出典)永田(1997)樹木.山と渓谷社.p208-209.
石井(2000)樹に咲く花.山と渓谷社.p552.
写真3 ノイバラ 写真4 ノイバラの花
(写真3、4は2023年5月10日に撮影)
所内の散策をされる際にはこれらの植物も一緒に探してみてはいかがですか。
また、植物の位置がわからない場合はお気軽にお尋ねください。