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第95回 森林研究所の散歩道(サンショウ、ゲンゲ編)
第95回 森林研究所の散歩道(サンショウ、ゲンゲ編)
第95回の今回は、サンショウとゲンゲについて紹介します。
サンショウはミカン科サンショウ属の落葉低木で、日本全土に分布しています。
若葉は木の芽と呼ばれて、薬味として使用したり、和え物や田楽に利用されています。若い果実は実山椒と呼んで雄花とともに佃煮にします。
熟した果実を粉末にしたものが粉山椒であり、蒲焼きには欠かせない香辛料となっています。果皮は七味唐辛子の香料のひとつとなります。
太い幹からすりこぎが作られるなど、サンショウは様々な用途で利用されています。
(出典)太田(2000)樹に咲く花.山と渓谷社.p250-253.
馬場(1999)葉でわかる樹木.信濃毎日新聞社.p264.
写真1 サンショウ 写真2 サンショウの花
(写真1、2は2023年4月20日に撮影)
ゲンゲはマメ科ゲンゲ属の越年草です。中国原産ですが、全国に帰化しています。
ゲンゲの名はレンゲソウが訛ったとも言われており、漢字で蓮華草(レンゲソウ)と書くように花がハスの花に似ることに由来しています。
本種はマメ科植物の例に漏れず、窒素固定を行う根粒菌を根に共生させ、栄養となる窒素化合物が土壌に供給されるため、すき込むことで土が肥えます。
(出典)林(1983)日本の野草.山と渓谷社.p388.
佐竹(1983)日本の野生植物.平凡社.p191.
写真3 ゲンゲ 写真4 ゲンゲの花
(写真3、4は2023年5月18日に撮影)
所内の散策をされる際にはこれらの植物も一緒に探してみてはいかがですか。
また、植物の位置がわからない場合はお気軽にお尋ねください。