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第92回 森林研究所の散歩道(ツクバネウツギ、カキドオシ編)
第92回 森林研究所の散歩道(ツクバネウツギ、カキドオシ編)
第92回の今回は、ツクバネウツギとカキドオシについて紹介します。
ツクバネウツギはスイカズラ科ツクバネウツギ属の落葉低木です。
5~6月のあいだ、一般的に新枝の先に白色や淡黄色、淡紅色などの花を2個ずつ付けます。
花の色と同様に、萼片の大きさや葉に生える毛の様子も変化が大きいです。
名前は、果実の先端に萼片が5個残り、その形が羽根つきの羽根(衝羽根)に似ていることに由来します。
(出典)馬場(2009)花実でわかる樹木.信濃毎日新聞社.p381.
城川(2001)樹に咲く花.山と渓谷社.p434-435.
写真1 ツクバネウツギ 写真2 ツクバネウツギの花
(写真1、2は2023年5月2日に撮影)
カキドオシはシソ科カキドオシ属のつる性の多年草です。
花後1mにもなり、垣根を通り抜けてなお伸びていくため、カキドオシと呼ばれるようになりました。
昔、子供の燗(疳の虫)をとることに使用したためカントリグサ(燗取草)とも呼ばれています。
欧州ではカキドオシの亜種があり、イギリスでは16世紀までその亜種をホップの代わりとしてビールを造っていたといわれています。
(出典)片桐(1997)山野草.西東社.p46.
長岡(1997)野の花・街の花.講談社.p29.
写真3 カキドオシ 写真4 カキドオシの花
(写真3、4は2023年5月2日に撮影)
所内の散策をされる際にはこれらの植物も一緒に探してみてはいかがですか。
また、植物の位置がわからない場合はお気軽にお尋ねください。