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第88回 森林研究所の散歩道(タチシオデ、ハハコグサ編)
第88回 森林研究所の散歩道(タチシオデ、ハハコグサ編)
第88回の今回は、タチシオデとハハコグサについて紹介します。
タチシオデはサルトリイバラ科シオデ属の多年草で、山野に多く生えています。
葉は薄く光沢がなく、裏面は白粉を帯び柄はやや長いです。花は5~6月に咲き、雄花の花被片は反り返らず葯は短いです。
液果は黒色で白粉を帯びます。茎ははじめ立つのでこの名がありますが、成長すれば他物に絡みつくようになります。
(出典)林(1983)日本の野草.山と渓谷社.p641.
佐竹(1982)日本の野生植物.平凡社.p50.
写真1 タチシオデ 写真2 タチシオデの花
(写真1、2は2023年4月27日に撮影)
ハハコグサはキク科ハハコグサ属の人里でよくみられる越年草で、15~30cmになります。
春の七草のひとつである「オギョウ」がこのハハコグサです。早春のふわふわした淡い緑色の葉を、昔は草餅の中に入れていました。
今では七草がゆに少し入れるほかにはほとんど用いられていません。
(出典)佐竹(1982)日本の野生植物.平凡社.p206.
林(1983)日本の野草.山と渓谷社.p14.
写真3 ハハコグサ 写真4 ハハコグサの花
(写真3、4は2023年4月27日に撮影)
所内の散策をされる際にはこれらの植物も一緒に探してみてはいかがですか。
また、植物の位置がわからない場合はお気軽にお尋ねください。