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第81回 森林研究所の散歩道(シャガ、ユズリハ編)
第81回 森林研究所の散歩道(シャガ、ユズリハ編)
第81回の今回は、シャガとユズリハについて紹介します。
シャガはアヤメ科アヤメ属に属し、林下の半日陰に群生します。
1個の花は1日でしぼみますが日ごとに咲き変わります。3倍体のため果実はできません。
シャガの名前は、和名の「ヒオウギ」の漢名である射干(しゃかん)に由来します。
(出典)林(1983)日本の野草. 山と渓谷社. p 594.
長岡(1997)野の花・街の花.講談社.p12.
写真1 シャガ 写真2 シャガの花
(写真1、2は2023年4月20日に撮影)
ユズリハはユズリハ科ユズリハ属に属しています。春先に新葉がでると前年の葉が落ちるので、譲葉(ゆずりは)と名付けられました。
その名の由来のように成長した子供にあとを譲ることにたとえ、めでたい木とされてきました。
かつてはトウダイグサ科に含められていましたが、DNAを用いた系統解析ではマンサク科、カツラ科、ベンケイソウ科などとの類縁が示されています。
(出典)馬場(1999)葉でわかる樹木.信濃毎日新聞社.p262.
太田(2000)樹に咲く花.山と渓谷社.p222-224.
写真3 ユズリハ 写真4 ユズリハの花
(写真3、4は2023年4月20日に撮影)
所内の散策をされる際にはこれらの植物も一緒に探してみてはいかがですか。
また、植物の位置がわからない場合はお気軽にお尋ねください。