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第69回 森林研究所の散歩道(アブラチャン、カラタチ編)
第69回 森林研究所の散歩道(アブラチャン、カラタチ編)
第69回の今回は、アブラチャンとカラタチについて紹介します。
アブラチャンは、クスノキ科クロモジ属の落葉広葉樹で、雌雄別株です。3~4月に葉が展開する前に淡黄色の花が3~5個ずつ集まってつきます。
種子や樹木は油を多く含み、生木でもよく燃えるところから名付けられました。「チャン」は瀝青のことで、ピッチやコールタールなどの総称です。
日本海側から九州にかけて、葉の裏面脈上に伏毛があるタイプがあり、ケアブラチャンと呼ばれている。
(出典)石井(2000)樹に咲く花.山と渓谷社.p420~423
千葉(1989)岡山の樹木(上)、山陽新聞社、p183
写真1 アブラチャン 写真2 花
カラタチは、中国原産のミカン科ミカン属の落葉低木で、高さ3mほどになる。和名は、唐から渡来した橘、唐橘が略されたことに由来します。
4~5月に葉が展開する前に香りのある白い花が咲きます。花は直径3.5~5cmで花弁と花弁の間は広く開いています。
果実は乾燥したものが薬用にされます。
(出典)太田(2000)樹に咲く花.山と渓谷社.p236.
千葉(1989)岡山の樹木(下).山陽新聞社.p150.
写真3 カラタチの生垣 写真4 花
所内の散策をされる際にはこれらの植物も一緒に探してみてはいかがですか。
また、植物の位置がわからない場合はお気軽にお尋ねください。