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第67回 森林研究所の散歩道(ムスカリ、カンサイタンポポ編)
第67回 森林研究所の散歩道(ムスカリ、カンサイタンポポ編)
第67回の今回は、ムスカリとカンサイタンポポについて紹介します。
ムスカリは、クサスギカズラ科ムスカリ属の秋植え春咲きで、耐寒性の強い球根植物で、属名はギリシャ語の「麝香(ジャコウ)」を意味する言葉です。
幅の狭い多肉質の葉は根生し、花茎は無葉で直立しており、頂部に青、白、黄緑まれに黄、褐色の花を密な総状または穂状花序につけます。
(出典)鈴木(1998)園芸植物.山と渓谷社.p581.
長岡(1997)野の花・街の花.講談社.P72.
写真1 ムスカリ 写真2 花
カンサイタンポポはキク科タンポポ属の在来種です。
タンポポは春を代表する花ですが、なぜか日本の中世まで短歌や絵画には取り上げられていません。江戸時代になって初めて徘諧に詠まれ、また、琳派の天才たちが描くことによって美における市民権を得ました。
葉は羽状に裂け裂片はそり返り、頭花は小型で総苞も小さく1.3mmほどです。
近い種類のセイヨウタンポポはヨーロッパ原産で、葉は羽状深裂から深い鋸歯まで変化があります。
総苞の外片が反り返っており、在来種のタンポポとの見分けるポイントのひとつです。
(出典)林(1983)日本の野草.山と渓谷社.p108~109.
長岡(1997)野の花・街の花.講談社.p18.
写真3 カンサイタンポポ 写真4 花 写真5 総苞片
所内の散策をされる際にはこれらの植物も一緒に探してみてはいかがですか。
また、植物の位置がわからない場合はお気軽にお尋ねください。