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第66回 森林研究所の散歩道(カラスノエンドウ、スズメノエンドウ編)
第66回 森林研究所の散歩道(カラスノエンドウ、スズメノエンドウ編)
第66回の今回は、カラスノエンドウとスズメノエンドウについて紹介します。
カラスノエンドウは、マメ科ソラマメ属の一年草です。
名を聞いて「烏の豌豆(エンドウ)」と思われるかもしれませんが、そうではなくて「烏のような野豌豆」です。どこが烏のようかというと、花や葉や実が大型で、加えて豆果が黒い点です。
標準和名はヤハズエンドウといい、小葉の先端がまるで矢筈のようにくぼむことによります。
豆果は上向きに付き、種子は5~10個入ります。飼料、緑肥にもされますが、若いうちはゆでて食用にされることもあります。
(出典)馬場(2012)いっしょに探そう野山の花たち.信濃毎日新聞社.p135..
片桐(1997)「山野草」.西東社.p81..
林(1983)日本の野草.山と渓谷社.p378..
写真1 カラスノエンドウ 写真2 花
スズメノエンドウは、カラスノエンドウに似ていますが、全体に小型で「小型の野豌豆」という意味です。
花は長さ3~4mmでごく小さく、豆果は下向きで種子は2個入ります。
本種とカラスノエンドウの中間型は「カラス」と「スズメ」の間というので「カスマグサ」(かす間草)と呼ばれます。
(出典)馬場(2012)いっしょに探そう野山の花たち.信濃毎日新聞社.p135..
片桐(1997)「山野草」.西東社.p82..
林(1983)日本の野草.山と渓谷社.p378..
写真3 スズメノエンドウ 写真4 スズメノエンドウとカラスノエンドウ
(右下がカラスノエンドウ)
所内の散策をされる際にはこれらの植物も一緒に探してみてはいかがですか。
また、植物の位置がわからない場合はお気軽にお尋ねください。