本文
第62回 森林研究所の散歩道(コバノミツバツツジ、ミツマタ編)
第62回 森林研究所の散歩道(コバノミツバツツジ、ミツマタ編)
第62回の今回は、コバノミツバツツジとミツマタについて紹介します。
コバノミツバツツジは、春の雑木林にひときわ目につくピンクの花を付けるツツジ科ツツジ属の落葉低木で、岡山県全域に分布がみられます。他のミツバツツジより葉が小さいことからこの名が付けられています。
雑木林やアカマツ林などに多く見られますが、時には山の礫地などにも生え、高さが3メートルになります。
(出典)城川(2001)樹に咲く花(合弁花・単子葉・裸子植物).山と渓谷社.p68..
永田(1997)樹木(春夏編).山と渓谷社.p97..
岡山県農林部林政課(1986)岡山県樹木目録..p368..
写真-1 コバノミツバツツジ 写真-2 花
ミツマタは、中国中西部原産のジンチョウゲ科ミツマタ属の落葉低木です。三股に分かれた枝の先に、花が30~50個も集まった花序をつけます。花には花弁はなく、がくが目立ちます。
樹皮は製紙原料として利用されます。県北の小学校の中には、寒冷期に子どもたちが手作りの卒業証書をすいている例もみられます。
また、観賞用にもよく植栽されます。類似種には赤い花を付けるアカバナミツマタがあります。
(出典)太田(2000)樹に咲く花(離弁花2).山と渓谷社.p590..
馬場(2009)花実でわかる樹木誌.信濃毎日新聞社.p310..
財団法人林業科学技術振興所(1985)有用広葉樹の知識..p400-404.
写真-3 ミツマタ 写真-4 花
所内の散策をされる際にはこれらの植物も一緒に探してみてはいかがでしょうか。植物の位置がわからない場合は気軽にお尋ねください。