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第59回 森林研究所の散歩道(ノイバラ、オオチドメ編)
第59回 森林研究所の散歩道(ノイバラ、オオチドメ編)
第59回の今回は、ノイバラとオオチドメについて紹介します。
ノイバラはバラ科の落葉低木で、北海道~沖縄まで日本の野山に最も普通に生えている野生のバラです。トゲの多い茎が長く伸び、他の植物等にからみつきます。
5~6月頃、白または淡紅色の5弁の花が咲き、9~11月頃小さな丸く赤い実が熟します。果実は下剤や利尿剤として薬用に用いられ、果実酒にも利用できます。
なお、“知床旅情”で唄われているハマナスも、野生のバラの一種です。
(出典)天野(1995)「図説 世界のくだもの366日事典」.講談社.P360.
石井ら(2000)「山渓ハンディ図鑑3 樹に咲く花 離弁花(1)」.山と渓谷社.P552-553.
写真-1 ノイバラ
オオチドメは北海道から九州の山野に生えるウコギ科の多年草で、茎は細く地面を這い、節から根を出します。
基部は深い心形になり、掌状に浅く裂けます。この仲間には、チドメグサがあり、この葉の汁を傷口につけめすと、血が止まるので、「血止草」とつけられたようです。
(出典)林(1983)「山渓カラー名鑑 日本の野草」.山と渓谷社.P304.
写真-2 オオチドメ 写真-3 オオチドメの葉
所内の散策をされる際にはこれらの植物も一緒に探してみてはいかがでしょうか。また、植物の位置がわからない場合は当研究所1階の事務室へ気軽にお尋ねください。