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第58回 森林研究所の散歩道(ナナミノキ、カタバミ編)

印刷ページ表示 ページ番号:0825524 2023年1月6日更新森林研究所

第58回 森林研究所の散歩道(ナナミノキ、カタバミ編)

 

 第58回の今回は、ナナミノキとカタバミについて紹介します。

 

 ナナミノキは本州(静岡県以西)、四国、九州の山地に生育するモチノキ科の常緑高木です。「七実の木」、また別名「ななめのき」とも呼びます。

 6月頃当年枝の葉腋に散形花序をだし、淡紫色の花を付け、10~11月に赤色に熟した楕円形の実がなります。

 材の用途は、器具材やろくろ細工、樹皮からは染料のほか、かつては鳥もちがとられていました。最近では、よく庭木や公園木用に植栽されているのを見かけます。

(出典)太田ら(2000)「山渓ハンディ図鑑4 樹に咲く花 離弁花(2)」.山と渓谷社.P476-477.

     財団法人 林業科学技術振興所(1985)「有用広葉樹の知識 育て方と使いかた」.P334-335.

     ナナミノキ全景 ナナミノキ葉

       写真-1 ナナミノキ       写真-2 ナナミノキの葉

 カタバミはカタバミ科の多年草で世界の温帯から熱帯にかけて広く分布しています。和名は「傍食(かたばみ)」で、葉の一部が欠けて見えることから名前が付いたようです。葉は3小葉からなり、葉の脇からは散形花序を出し、径8mmくらいの黄色い花を付けます。

 園芸店では、“オキザリス”という名でかわいい品種も売られていますが、“オキザリス”はカタバミの仲間の学名で、「すっぱい」という意味です。葉や茎にはシュウ酸を含んで、酸味があります。その葉で、10円玉を磨くと、新品のようにピカピカになります。

 カタバミを草取りでいくら取っても生えてきて困った経験をされた方もいるのではないでしょうか。厄介者扱いされることもありますが、火傷や腫れ物に民間薬として利用されていたことが知られています。

(出典)林(1983)「山渓カラー名鑑 日本の野草」.山と渓谷社.P368.

     柳(2007)「柳宗民の雑草ノオト」.ちくま文芸文庫.P164-167.

     森(2009)「身近な雑草のふしぎ」.サイエンス・アイ新書.P70-71.

     カタバミ   

           写真-3 カタバミ

 

 所内の散策をされる際にはこれらの植物も一緒に探してみてはいかがでしょうか。また、植物の位置がわからない場合は当研究所1階の事務室へ気軽にお尋ねください。