本文
第56回 森林研究所の散歩道(ヒイラギナンテン、イナモリソウ編)
第56回 森林研究所の散歩道(ヒイラギナンテン、イナモリソウ編)
第56回の今回は、ヒイラギナンテンとイナモリソウについて紹介します。
ヒイラギナンテンは中国~ヒマラヤ・台湾原産のメギ科の常緑低木で、17世紀に渡来したといわれ、庭木としてよく植えられています。
葉は奇数羽状複葉で、小葉が5~9対となっており、縁には粗い鋸歯があります。枝先に総状花序を数個出して、黄色い花を咲かせた後につけた実は、粉白色を帯びた黒紫色に熟します。
(出典)太田ら(2000)「山渓ハンディ図鑑4 樹に咲く花 離弁花(2)」.山と渓谷社.P145.
写真-1 ヒイラギナンテン
イナモリソウは本州(関東地方南西部)、四国、九州に分布するアカネ科の多年草で、山地の道沿いの崖などに生えています。元々、三重県の稲森山で発見されてことから、この名前が付けられました。
葉は長さ3~10cmで対生し、2~3対集まってつく姿が、4枚の目立った葉を持つハコベに似ていることから、「ヨツバハコベ」とも呼ばれています。
(出典)林(1983)「山渓カラー名鑑 日本の野草」.山と渓谷社.P148.
写真-2 イナモリソウ
所内の散策をされる際にはこれらの植物も一緒に探してみてはいかがでしょうか。また、植物の位置がわからない場合は当研究所1階の事務室へ気軽にお尋ねください。