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第55回 森林研究所の散歩道(ナラガシワ、イヌホオズキ編)
第55回 森林研究所の散歩道(ナラガシワ、イヌホオズキ編)
第55回の今回は、ナラガシワとイヌホオズキについて紹介します。
ナラガシワはブナ科の落葉高木で、本州(岩手・秋田県以南)、四国、九州に分布し、県内でも最北部を除き広く分布が確認されています。葉は10~30cmで、先端は短くとがり、基部は広いくさび形となっています。
よく似た樹種にミズナラ、カシワがありますが、これらに比べて葉柄が明らかに長いのが大きな違いといえます。
(出典)石井ら(2000)「山渓ハンディ図鑑3 樹に咲く花 離弁花(1)」.山と渓谷社.P232-233.
岡山県農林部林政課(1986)「岡山県樹木目録」.P9.
財団法人 林業科学技術振興所(1985)「有用広葉樹の知識 育て方と使いかた」.P133-134.
写真-1 ナラガシワの幼樹
イヌホオズキはナス科の一年草で、温帯から熱帯まで広く分布し、日本には古い時代に畑の雑草として入ったと考えられています。ホオズキにどこか似ていることからついたといわれ、有毒植物です。
茎は角張っていてよく枝分かれしています。葉は卵形でやや厚い特徴を有しています。花が咲き終わると柄は下を向き、7~10mmのつやのない黒い球形の果実をつけます。
(出典)谷口・三上(2005)「北海道の野の花」.北海道新聞社.P408.
林(1983)「山渓カラー名鑑 日本の野草」.山と渓谷社.P197.
写真-2 イヌホオズキ 写真-3 イヌホオズキの花
所内の散策をされる際にはこれらの植物も一緒に探してみてはいかがでしょうか。また、植物の位置がわからない場合は当研究所1階の事務室へ気軽にお尋ねください。