本文
第53回 森林研究所の散歩道(ペカン、シュロ編)
第53回 森林研究所の散歩道(ペカン、シュロ編)
第53回の今回は、ペカンとシュロについて紹介します。
ペカンはクルミ科の仲間で北米が原産といわれています。果実は「ペカンナッツ」または「ピーカンナッツ」とも呼ばれ、美味な上、栄養が高く、アメリカインディアンの活力源はペカンナッツとアボガドにあるとも言われています。
材は「ヒッコリー」と言われ、弾力性があり、かつ丈夫なため、かつては高級なスキー用材として利用されました。
(出典)天野(1995)「図説 世界の果物366日辞典」.講談社.P175-176.
写真-1 ペカン 写真-2 ペカンの幼樹
シュロはヤシ科の常緑高木で、ワジュロとも呼ばれます。本来、九州に分布していますが、今は野生化し、あちこちで見かけます。また、鳥によって種子を運ばれ、思わぬところに生えることがあるようです。葉は直径50~80cmの円形で掌状に深裂します。葉柄は1m程度で、断面は三角状であり、縁には突起があります。
葉鞘の繊維は縄や箒などに利用され、また、材は鐘を突く撞木として使われます。
(出典)城川ら(2001)「山渓ハンディ図鑑5 樹に咲く花 合弁花・単子葉・裸子植物」.山と渓谷社.P538-539.
写真-3 シュロ
所内の散策をされる際にはこれらの植物も一緒に探してみてはいかがでしょうか。また、植物の位置がわからない場合は当研究所1階の事務室へ気軽にお尋ねください。