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第52回 森林研究所の散歩道(イヌタデ、ラクウショウ編)
第52回 森林研究所の散歩道(イヌタデ、ラクウショウ編)
第52回の今回は、イヌタデとラクウショウについて紹介します。
イヌタデはタデ科の一年草で、日本全土の道ばたや野原でみられます。和名は「犬蓼」で、葉に辛みがなく、役に立たないことからこの名がつけられたそうです。
6月から秋の終わりまで紫色の花穂を咲かせます。赤い粒々の花から「アカマンマ」と呼ばれ、古くから親しまれてきた身近な植物の一つです。
(出典)林(1983)「山渓カラー名鑑 日本の野草」.山と渓谷社.P541.
伊田(1999)「大山 花の散歩」.山陰放送.P229.
写真-1 イヌタデ
ラクウショウは北米東南部、メキシコ原産の落葉高木でヌマスギとも呼ばれます。水源地や沼地、川辺などに生育し、県内でも、岡山市の運動公園等で見かけることができます。
本種の大きな特徴は、膝根(しっこん)と呼ばれる、呼吸根を地中からだし、特異な景観を作り出すことです。若い個体や乾燥地帯では、この膝根はあまり発達しませんが、一定の年数を経た個体や、湿地においては膝根をみることができます。
(出典)城川ら(2001)「山渓ハンディ図鑑5 樹に咲く花 合弁花・単子葉・裸子植物」.山と渓谷社.P618-619.
馬場(2000)「葉でわかる樹木」.信濃毎日新聞社.P110.
写真-2 ラクウショウ
所内の散策をされる際にはこれらの植物も一緒に探してみてはいかがでしょうか。また、植物の位置がわからない場合は当研究所1階の事務室へ気軽にお尋ねください。