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第49回 森林研究所の散歩道(キンモクセイ、キキョウ編)
第49回 森林研究所の散歩道(キンモクセイ、キキョウ編)
第49回の今回は、キンモクセイとキキョウについて紹介します。
キンモクセイは中国原産のモクセイ科の常緑低木で関東以西に植栽されています。小粒ながら濃黄色の花は強い芳香があり、姿は見えなくともどこからともなくキンモクセイの香りが流れてきて季節を感じることができます。
さて、日本には雄木しかないのをご存じでしょうか。つまり、上述の花はすべて雄花であり、実がならないことを示しています。
(出典)財団法人 林業科学技術振興所(1985)「有用広葉樹の知識 育て方と使いかた」.P454-455.
本田(1978)「四季の花」.P152.
馬場(2009)「花実でわかる樹木」.信濃毎日新聞社.P359.
写真-1 キンモクセイ 写真-2 キンモクセイの花
キキョウはキキョウ科の多年草で全国に分布しており、日当たりのよい山地や野原で見つけることができます。花が美しいために昔から栽培されており、園芸種も多くあります。また、根は薬用とされます。
花は「桔梗色」といわれる紫色で、形もなかなかスタイリッシュといえるかもしれません。なお、秋の七草でいう「あさがお」は本種のことと言われています。
(出典)川崎(1995)「山渓カラー名鑑 日本の野草」.山と渓谷社.P129.
本田(1980)「四季の花」.P139.
写真-3 キキョウ
所内の散策をされる際にはこれらの植物も一緒に探してみてはいかがでしょうか。また、植物の位置がわからない場合は当研究所1階の事務室へ気軽にお尋ねください。