ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 組織でさがす > 農林水産総合センター > 森林研究所 > 第42回 森林研究所の散歩道(イイギリ、ヨウシュヤマゴボウ編)

本文

第42回 森林研究所の散歩道(イイギリ、ヨウシュヤマゴボウ編)

印刷ページ表示 ページ番号:0823994 2022年12月5日更新森林研究所

第42回 森林研究所の散歩道(イイギリ、ヨウシュヤマゴボウ編)

 

 第42回の今回は、イイギリとヨウシュヤマゴボウについて紹介します。

 イイギリはヤナギ科の落葉高木で、本州・四国・九州の丘陵帯から山地帯下部に分布しています。葉が桐に似ていて、昔、ご飯をこの葉で包んだことに由来します。方言で、「なんてんぎり」、「やまなんてん」と呼ばれており、そのネーミングもなるほどと思わせます。

 材は、箱材、器具材、薪炭材などに利用されます。鳥類が好んで赤く熟した球形の果実(径0.8~1cm)を食すことで知られており、バードウオッチングに適した樹種であるとも言えます。

(出典)財団法人 林業科学技術振興所(1985)「有用広葉樹の知識-育てかたと使いかた-」. 大平社. P396-397.

     馬場(2009)「花実でわかる樹木」. 信濃毎日新聞社. P313.

     永田(1997)「樹木(秋冬編)」. 山と渓谷社. P72.

     週間朝日編(1985)「木のこえ 花のうた」. 朝日新聞社出版局. P123-126.

     イイギリ全景 イイギリ実

       写真-1 イイギリ         写真-2 イイギリの実

 ヨウシュヤマゴボウは、和名では「洋種山ゴボウ」と呼ばれて、根の様子がゴボウに似ていることから名付けられました。北アメリカ原産の帰化植物で、明治時代初期に渡来し、栽培された歴史を持っています。

 花序は総状で、赤みを帯びた白色の花が多数つき、果時には紫色の実を付け垂れ下がります。この実に触れると、衣類が紫色の色素に染まることから、山野に分け入る時には注意が必要です。実際にインスタントインクとして使われていたことがあるそうで、原産地では「インク・ベリー」の別名があります。

 なお、ゴボウという名前がついていますが、有毒植物ですのでご注意ください。

(出典)林(1995)「日本の野草」. 山と渓谷社. P531.

     伊田(1999)「大山 花の散歩」. 山陰放送. P108.

     柳(2002)「柳宗民の雑草ノート」. ちくま学芸文庫. P168-170.

     谷口ら(2005)「北海道の野の花」. 北海道新聞社. P514.

          ヨウシュヤマゴボウ全景 ヨウシュヤマゴボウ実   

        写真-3 ヨウシュヤマゴボウ        写真-4 ヨウシュヤマゴボウの実

 

 所内の散策をされる際にはこれらの植物も一緒に探してみてはいかがでしょうか。また、植物の位置がわからない場合は当研究所1階の事務室へ気軽にお尋ねください。