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第39回 森林研究所の散歩道(クサギ、ウツギ編)

印刷ページ表示 ページ番号:0822069 2022年12月2日更新森林研究所

第39回 森林研究所の散歩道(クサギ、ウツギ編)

 

 第39回の今回は、クサギとウツギについて紹介します。

 

 クサギはシソ科の落葉小高木で、岡山県下全域に分布しています。葉に触れると、強い臭気がすることからこの名前を付けられました。7月下旬~9月に白い花を咲かせ、秋には紅紫色の星状の蕚に藍色の実をのせた美しい姿が見られます。

 また、葉を使った「かけめし」が旧加茂川町、隣接する旧旭町で伝わっています。料理方法は、春の軟らかい芽・葉を摘み、さっとゆでて乾燥したものを戻し、小さく刻んで油で炒めて味付けしたものが使われています。

 

(出典)川崎(2001)「山渓ハンディ図鑑 樹に咲く花 合弁花・単子葉・裸子植物」. 山と渓谷社. P354-355

          岡山県農林部林政課(1986)「岡山県樹木目録」. P57.

          山陽新聞社出版局(1980)「岡山の郷土料理」. 山陽新聞社.  P253.

          信濃路編集部(1975)信濃花歳時記. 信濃路. 158-159. 

     クサギ

            写真-1 クサギ

 ウツギはアジサイ科の落葉低木で、北海道~九州まで広く分布しています。岡山県内でも全域にほぼ分布が確認されていますが、井笠地域においては少ないようです。

 旧暦の卯月に咲くことから、「卯の花」の別名があり、詩歌や俳句によく詠まれてきました。しかし、実際のところ、幹や枝を切りますと、中が空(から)になっていることから、“空木”が転じてできたものと言われています。

 花材のほか、爪楊枝や木釘の材料に、また、果実、葉、内皮を乾燥したものは生薬で“ウツギ”といい、利尿剤として利用されます。

 また、刈り込みに強いことから、庭園木のほか、土地境界に植えられており、“境木”とも呼ばれています。

 

(出典)川崎(2001)「山渓ハンディ図鑑4 樹に咲く花 離弁花(2)」. 山と渓谷社. P66.

     伊田(2000)「大山 花の散歩」. 山陰放送. P97.

     岡山県農林部林政課(1986)「岡山県樹木目録」. P20.

     財団法人 林業科学技術振興所(1985)「有用広葉樹の知識-育てかたと使いかた-」. P219-220. 

     本田(1978)「四季の花」. 新学社文庫 P89.

         ウツギ

          写真-2 ウツギ

 

 所内の散策をされる際にはこれらの植物も一緒に探してみてはいかがでしょうか。また、植物の位置がわからない場合は当研究所1階の事務室へ気軽にお尋ねください。