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第20回 森林研究所の散歩道(エノキ、トチュウ編)
第20回 森林研究所の散歩道(エノキ、トチュウ編)
第20回の今回は、エノキとトチュウについて紹介します。
エノキは日本や朝鮮半島、中国中部以南、東南アジアなどに分布する落葉高木です。漢字の榎は夏に日陰を作る樹という意味で、昔から街道沿いに日陰を作る目的で植栽されていたそうです。秋頃に赤褐色の小さな実がなり、甘いので小鳥が集まります。同じニレ科のムクノキとは、鋸歯のある位置に違いがあり、ムクノキは葉全体に鋸歯がありますが、エノキは葉の先半分に鋸歯があります。
トチュウは中国中部原産の落葉高木です。葉や樹皮にグッタペルカと呼ばれる天然ゴムに非常に近い成分が含まれていますが、現在は経済的には利用されておらず、主に薬用として利用されています。有名なものとしては養命酒の一成分であり、また、杜仲茶(とちゅうちゃ)として親しまれています。
所内の散策をされる際にはこれらの植物も一緒に探してみてはいかがでしょうか。また、植物の位置がわからない場合は当研究所1階の事務室へ気軽にお尋ねください。
(出典 北山他 (2002) 原色日本植物図鑑・木本編2. 保育社. p250, 252.
養命酒株式会社HP https://www.yomeishu.co.jp/products/4987236000065.html)
写真 - 1 エノキ 写真 - 2 エノキの葉
写真 - 3 トチュウ