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令和3年9月 県議会定例会 知事提案説明要旨

印刷ページ表示 ページ番号:0737615 2021年9月6日更新政策推進課

令和3年9月 県議会定例会 知事提案説明要旨

 本日は,皆様御多用のところ御参集いただきまして,誠にありがとうございました。

 今回提案いたしました諸議案の説明に先立ちまして,当面する県政の課題について申し述べ,県議会及び県民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。

はじめに

・新型コロナウイルス感染症関係

 まず,はじめに,新型コロナウイルス感染症について申し上げます。

 本県の感染状況は,7月中旬までは比較的落ち着いた状態が続いておりましたが,感染力が強いと言われるデルタ株により,首都圏を中心に全国で爆発的な感染拡大が発生し,本県においても7月末頃から新規感染者数が急増したことから,県民等に対し,感染拡大防止のための各種要請を行ってまいりました。

 しかし,新規感染者数の増加傾向に歯止めがかからず,このまま感染拡大が続けば,医療提供体制に大きな影響が及ぶことが懸念されたことから,国に対し,まん延防止等重点措置の適用を要請し,先月20日から本県に重点措置が適用されました。さらに先月27日からは,緊急事態措置区域とされたことから,県民への不要不急の外出自粛要請,県全域での酒類やカラオケ設備を提供する飲食店等への休業要請や,大規模集客施設への営業時間短縮要請等を行っているところであります。

 本県の感染状況は,依然として厳しい局面にあります。引き続き,国や市町村,医療関係者をはじめとする関係機関等と緊密に連携し,感染拡大の防止や療養体制の確保,ワクチン接種を強力に進めていくほか,感染症の影響により打撃を受けた事業者への支援や,雇用対策などにも取り組んでまいります。

(感染拡大防止)

 感染拡大防止対策につきましては,緊急事態宣言の解除に向けて,引き続き,県民や事業者,飲食店等の皆様に協力を要請するとともに,特に感染が広がった若い世代の適切な予防行動につながるよう,感染経路や後遺症など,感染症に関する正しい知識の普及に努めてまいります。また,先月,飲食店における第三者認証制度を導入したところであり,認証基準である各種対策が確実に実施され,県民が安心して外食できる環境が整うよう,認証申請をされた店舗の現地調査などに適切に取り組んでまいります。

 さらに,県立学校につきましては,基本的な感染症対策を徹底の上,可能な限り教育活動を継続し,学校内で感染が拡大している可能性がある場合には,早急に関係機関等と相談した上で,その範囲に応じ,学級単位や学年単位,状況によっては全校で,安全が確認されるまで,臨時休業の対応をとることとしております。

(療養体制)

 療養体制につきましては,先月,県内の医療機関の協力を得て,入院患者を受け入れる病床の増加を図るとともに,第5波の感染拡大に対応して新たな宿泊療養施設の開設や夜間の救急搬送患者を受け入れる一時療養待機所の再稼働など,体制を強化したところであります。引き続き,重症化リスクや症状に応じた入院治療,軽症者等の宿泊療養,自宅療養者に対する健康観察や適切な医療提供といった対策を,総合的に推進してまいります。

(ワクチン接種)

 ワクチン接種につきましては,各市町村におけるほぼ全年代を対象とした接種のほか,県営接種会場での飲食業等の職種を対象とした接種や,県内企業や大学での職域接種が進められているところであります。

 引き続き,希望される県民の皆様への接種を一日も早く終えられるよう,医療関係団体や市町村と連携し,ワクチン接種を推進するとともに,県営接種会場の運営や職域接種実施企業等への協力などに取り組んでまいります。

(事業者支援)

 事業者への支援につきましては,外出自粛要請や営業時間の短縮要請の影響を受け,売上が減少した事業者に対し,県独自の「岡山県飲食店等一時支援金」による支援を実施しており,先月末時点で約12,700件,約34億円を支給しているところであります。

 また今後は,ウィズコロナ・ポストコロナを見据え,経営の多角化や新事業展開などへ意欲的に取り組む事業者に対する新たな補助制度を創設し,企業の収益力向上を目指す取組を支援してまいります。

(雇用対策)

 雇用対策につきましては,大学生等を対象とした就職面接会を開催するとともに,県内企業の魅力を伝えるための企業と学生のオンラインでの交流会について,新たに工学系学生や留学生向けのコースを設けるなど,本県への人材還流と定着に取り組んでいるところであります。

 また,一時的に事業の縮小を余儀なくされた企業と人手不足の企業との間での在籍型出向を促進するため,マッチング会を開催したところであり,引き続き,雇用の維持に向けた取組を支援してまいります。

(おかやまマラソン)

 おかやまマラソン2021につきましては,11月の開催を予定しておりましたが,新型コロナウイルス感染症の影響を考慮し,誠に残念ながら,先日,実行委員会において,昨年に続き中止が決定されました。これまで開催に向けて多大なる御尽力をいただいた関係者の皆様に,感謝を申し上げますとともに,次回大会に向けて,引き続き,御支援と御協力を賜りますようお願い申し上げます。

 あらためまして,最前線で対応されている医療従事者など関係の皆様の御尽力と,県民の皆様,事業者の皆様の感染拡大防止に向けたこれまでの御協力に深く感謝申し上げます。かけがえのない命と健康を守り,安心して過ごせる日常生活と,活力ある社会経済活動を取り戻すため,引き続き御理解と御協力をお願いいたします。

・平成30年7月豪雨災害からの復旧・復興

 次に,平成30年7月豪雨災害からの復旧・復興についてであります。

(被災者の生活とくらしの再建)

 被災者の生活とくらしの再建につきましては,96%を超える方が既に応急仮設住宅から退去され,被災者の皆様の住まいと生活の再建は着実に進んでおります。引き続き,様々な事情により,仮設住宅での生活を余儀なくされる方に対し,市町村等と連携した見守りや各種相談活動など,被災者に寄り添った支援にしっかりと努めてまいります。

・行政のデジタル化推進

 次に,行政のデジタル化につきましては,デジタル社会の形成に関する施策を推進するため,デジタル庁が先日発足したところであり,こうした国の動きに呼応して,庁内の推進体制を整備し,行政手続のオンライン化やICTの活用促進などの取組を進めております。引き続き,県民の利便性向上と業務の効率化に向け,行政のデジタル化に計画的に取り組んでまいります。

教育県岡山の復活

 次に,第3次晴れの国おかやま生き活きプランに掲げる3つの重点戦略に沿って,御説明申し上げます。

 まず,「教育県岡山の復活」についてであります。

・学ぶ力育成

(県立学校におけるGIGAスクール構想の推進)

 県立学校におけるGIGAスクール構想の推進につきましては,現在,1人1台端末を先行導入している県立高校3校において,外部の専門家等の知見も踏まえ,端末の効果的な活用の研究等に取り組んでいるところであります。今後,こうした研究で得られた成果を県内の学校へ普及するとともに,ICT活用指導における基礎的技能に係る研修等を充実させることにより,教員のICT活用指導力向上に取り組んでまいります。

(県立高等学校の魅力づくり)

 県立高等学校の魅力づくりにつきましては,高校の存在意義や期待される社会的役割等であるスクール・ミッションの再定義を行うため,高校が立地する市町村等との丁寧な意見交換を行うこととしており,各高校の生徒,関係者の意向や期待,地域の実情を踏まえ,将来の地域像等も見据えながら再定義を行い,高校の魅力化につなげてまいります。

・徳育・体育推進

(子どもの体力向上)

 子どもの体力向上につきましては,今年度,小学校教員が苦手意識を持ちやすい器械運動などの領域の体育授業に,教員とともに指導に入る外部人材を派遣する取組を14市町村で行っております。こうした取組により,楽しく魅力的な授業への改善と指導力の向上を図るとともに,子どもに達成感や成功体験を提供することで,運動をすることが好きな子どもを増やし,運動習慣の定着や体力向上につなげてまいります。

・グローバル人材育成

(グローバル人材の育成)

 グローバル人材の育成につきましては,今後の感染症の収束や各国の入国制限措置の緩和等を見据え,来月,大学生,高校生等を対象とした留学促進フェアをオンラインで開催すること等により,県内学生の留学への関心と意欲を高めるとともに,今年度,県立高校25校において実施を目指す,ICTを活用したオンラインによる国際交流の取組を進めるなど,実践的な語学力やコミュニケーション能力の育成を図ってまいります。

地域を支える産業の振興

 続きまして,「地域を支える産業の振興」についてであります。

・企業誘致・投資促進

(企業誘致と投資の促進)

 企業誘致につきましては,今年度に入り,多くの雇用を創出する食品加工工場の新設など,5件の大型投資が決定し,それらの投資額は379億円,雇用創出数は855人となったほか,新たに創設した,市町村が行う産業団地開発への無利子貸付制度が活用されるなど,産業団地確保の取組も進んでおります。

 引き続き,企業の投資動向の把握に努め,企業誘致と投資の促進に取り組んでまいります。

・企業の「稼ぐ力」強化

(企業の「稼ぐ力」強化)

 企業の「稼ぐ力」の強化につきましては,今年度,相談体制を強化した県中小企業支援センターにおいて,ポストコロナを見据え新たな取組等を検討している事業者からのニーズに対応し,専門家派遣による支援を拡充することとしており,中小企業の持続的な成長・発展につなげてまいります。

・観光振興

(観光振興)

 観光振興につきましては,来年夏のデスティネーションキャンペーンに先駆け,7月からプレキャンペーンを実施しており,今月末には全国宣伝販売促進会議を開催し,全国の旅行会社などに対し,本県ならではの魅力ある観光素材をPRすることとしております。

 引き続き,キャンペーン本番に向け,官民が連携し,観光入込客数と観光消費額の回復につながるよう,着実に準備を進めてまいります。

・儲かる農林水産業加速化

(県産果物のマーケティング強化)

 県産果物のマーケティング強化につきましては,コロナ禍の状況を踏まえ,国内外に向けた県産農産物の情報発信やECサイトを活用した新たな顧客の開拓を進めるとともに,首都圏や海外の流通事業者と連携したプロモーション活動を展開しているところであり,引き続き,県産果物の一層の販路拡大に取り組んでまいります。

(林業の振興)

 林業の振興につきましては,今般,外国産木材の供給リスクが顕在化したことも踏まえ,県産材の安定供給体制の整備とさらなる需要拡大に取り組むとともに,森林資源の適正な管理と林業の成長産業化を実現するため,新たに整備した林業技術研修施設も活用し,引き続き,林業の担い手の確保・育成に努めてまいります。

・働く人応援

(働き方改革)

 働き方改革につきましては,コロナ禍において拡大したテレワーク等の多様な働き方の定着に向け,セミナーの開催や専門家派遣により県内企業の取組を支援しているところであり,ウィズコロナ・ポストコロナの新しい働き方について考えるフォーラムを11月に開催し,さらなる機運の醸成を図ってまいります。

安心で豊かさが実感できる地域の創造

 続きまして,「安心で豊かさが実感できる地域の創造」についてであります。

・結婚・妊娠・出産応援

(少子化対策の推進)

 少子化対策の推進につきましては,「おかやま縁むすびネット」を通じて結婚の希望をかなえたカップルが,4周年となった先月で150組に達しました。引き続き,縁むすびネットの機能の充実等により,一人でも多くの方の結婚の希望が叶えられるよう取り組むとともに,子育て家庭を応援する「おかやま子育てマルシェ」を県北で初めて開催するなど,社会全体で結婚,妊娠・出産,子育てを応援する気運の醸成に努めてまいります。

・防災対策強化

(防災対策の推進)

 防災対策の推進につきましては,今年度から,自主防災組織の結成から活動の活性化までを支援するモデル事業に取り組んでいるところであり,引き続き,共助の仕組みの構築を支援し,地域防災力の強化を図ってまいります。

(流域治水の推進)

 治水対策につきましては,激甚化・頻発化している水害に備えるため,流域のあらゆる関係者が協働して取り組む流域治水を推進しており,一級水系に加え,二級水系についても,笹ヶ瀬川,倉敷川水系において先月末に流域治水プロジェクトを策定・公表したところであり,引き続き,ハード・ソフト両面からの対策を進めてまいります。

(農業用ため池の防災・減災)

 農業用ため池の防災・減災対策につきましては,今後10年間の進め方を示した防災工事等推進計画に基づき,豪雨や地震に対し,より大きな災害防止効果が得られるよう,優先度を定めた上で,市町村と連携しながら,廃止や統合を含めた対策を効果的かつ効率的に進めてまいります。

・暮らしの安全推進

(暮らしの安全対策)

 暮らしの安全対策につきましては,今年上半期の刑法犯認知件数が,前年に比べ約12%減少しており,県民総ぐるみによる各種犯罪抑止対策を推進した成果が表れているものと考えております。

 一方で,特殊詐欺につきましては,被害額は前年に比べ約65%減少しているものの,認知件数は増加傾向にあり,依然として被害が後を絶たないことから,引き続き,「だまされんのじゃ岡山県・県民運動」を強力に展開し,被害の未然防止に向けた取組を推進してまいります。

(交通安全対策)

 交通安全対策につきましては,今年上半期の交通事故死者数は26人と,記録が残る昭和35年以降最少となっております。また,鬼退治ボックスを活用して,妨害運転をはじめとする悪質・危険な違反等を22件検挙しております。

 一方で,人身事故件数及び重傷者数は前年に比べ約2割増加しており,引き続き,効果的な広報活動や交通指導取締りを実施し,すべての道路利用者の交通安全意識の向上を図り,県民を交通事故の当事者にさせないための対策を推進してまいります。

・持続可能な中山間地域等形成

(移住・定住について)

 移住・定住の促進につきましては,オンラインを活用したセミナーの実施や,SNSを通じた先輩移住者からのリアルな情報の共有など,効果的な情報発信を進めているところであります。

 また,ワーケーションにつきましては,関係市町村・団体が参加する検討会において,モニターツアーやワークショップなどを実施することとしており,今後とも,移住・定住の促進に努めてまいります。

(鳥獣被害防止対策)

 鳥獣被害防止対策につきましては,市町村や専門家等と連携しながら,捕獲の強化をはじめ,効果的な侵入防止柵の整備,銃による猟の担い手の確保・育成など,引き続き総合的な被害防止対策に取り組んでまいります。

・快適な環境保全

(大気環境の保全)

 大気環境の保全につきましては,PM2.5対策として,「晴れの国ブルースカイ事業」に昨年度から取り組んだ結果,稲わらの野焼き面積が大きく減少し,PM2.5の濃度が低下したところであります。引き続き,農家への啓発や稲わら分解促進剤の購入支援を実施するとともに,野焼きを行っている要因の詳細な分析に加え,事業効果をEBPMの手法により検証し,今後の本事業の展開に生かしてまいります。

(全国植樹祭)

 令和6年に開催予定の第74回全国植樹祭につきましては,開催会場がジップアリーナ岡山に決定し,また実行委員会において,式典で天皇皇后両陛下にお手植え・お手播きいただく樹種を選定したところであり,引き続き,開催に向け準備を進めてまいります。

・生きがい・元気づくり支援

(文化の振興)

 文化の振興につきましては,現在,県内の芸術家の情報を広く県民に提供するためのアーティストバンクの構築を進めており,コロナ禍にあっても芸術家が地域で活躍する場が得られるよう支援するとともに,県民が身近に文化・芸術に接する機会を提供してまいります。

(東京オリンピック・パラリンピック)

 東京オリンピック・パラリンピックにつきましては,本県ゆかりの選手が,これまでで最多の23名出場しました。オリンピックでは,ソフトボールの原田のどか選手と野球の山本由伸選手が金メダルを獲得され,自転車の大池水杜選手が7位入賞を果たされました。パラリンピックでも,陸上競技の佐藤友祈選手が2種目で金メダルを獲得されるなど,素晴らしい成績を収められました。こうした大舞台での活躍は,県民に勇気と感動を与えるとともに,県内スポーツの振興にも,大きな弾みになるものであり,選手の皆様には心からの敬意を表したいと存じます。県としては,この栄誉をたたえ,オリンピック金メダリストのお二人には県民栄誉賞を,7位入賞の大池選手には県スポーツ特別顕彰を授与することとしております。また,パラリンピックで優秀な成績を収められた選手につきましても,今後,同様に表彰を検討してまいります。

・情報発信力強化

(情報発信力の強化)

 情報発信力の強化につきましては,県ゆかりの著名人の方に出演いただき,岡山のフルーツをPRする動画を作成し,インターネット等を通じて広く発信するなど,話題性のある効果的な情報発信に努めているところであります。

 引き続き,様々な手法を通じて,本県の多様な魅力を全国に発信し,魅力度向上に取り組んでまいります。

諸議案

 次に,今回提案しております諸議案の概要につきまして,御説明申し上げます。

 まず,予算案件につきましては,当初予算編成後の情勢の変化に伴い,早急な対応を必要とするものについて,補正措置を講じることとし,所要額を計上しております。

 その結果,今回の補正予算額は,

  一般会計において 128億5,700余万円の増額

であります。

 補正後の一般会計予算額は,歳入歳出それぞれ8,251億3,400余万円であります。

 一般会計歳入予算の内容につきましては,国庫支出金128億5,700余万円を増額する所要の補正措置を講じるものであります。

 一般会計歳出予算の主な内容につきましては,新型コロナウイルス感染症対策推進費122億4,500余万円,産業労働総合対策費5億3,200余万円などを計上しております。

 繰越明許費につきましては,地方道路整備事業など22件,40億1,900余万円を繰り越ししようとするものであります。

 特別会計につきましては,「岡山県港湾整備事業特別会計」において,所要の補正措置を講じるものであります。

 次に,事件案件につきましては,工事請負契約の締結についてのもの4件並びに令和2年度岡山県営電気事業会計など3企業会計における剰余金の処分及び決算認定についてのものであります。

 最後に,条例案件につきましては,「岡山県港湾施設管理及び利用条例の一部を改正する条例」など5件であります。

 以上,今回提案いたしました諸議案につきまして,その概要を申し上げた次第であります。

 なにとぞ,慎重御審議の上,適切な議決を賜りますようお願い申し上げます。