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令和3年2月 県議会定例会 知事提案説明要旨

印刷ページ表示 ページ番号:0703636 2021年2月22日更新政策推進課

令和3年2月 県議会定例会 知事提案説明要旨

本日は,皆様御多用のところ御参集いただきまして,誠にありがとうございました。

今回提案いたしました諸議案の説明に先立ちまして,所信の一端を申し述べ,県議会及び県民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。

はじめに

 私は,これまで,教育の再生と産業の振興こそが本県発展の礎であるとの信念の下,「生き活き岡山」の実現に向け,県政に全力で取り組んでまいりました。非行率の減少や新規立地企業による雇用創出,観光消費額の増加や刑法犯認知件数の減少など,施策の成果が表れるとともに,人口減少社会を見据えた結婚支援や移住促進など,様々な取組も進めることができたと考えております。

 新型コロナウイルスの感染者が県内で確認されてから1年近くとなる中,感染の収束が長期化し,県内経済は厳しい状況が続いているものと認識しております。一方で,感染症を契機としたデジタル化の進展や地方分散の流れなど,社会の変化を地域の発展につなげていく必要があると考えております。

 今議会に議案として提出しております「第3次晴れの国おかやま生き活きプラン」では,本格的な人口減少・長寿社会が到来する2040年頃を見据え,20年後,30年後も発展し続ける岡山を目指し,来年度からの4年間,教育の再生と産業の振興を引き続き大きな柱として,施策を推進することとしております。推進に当たっては,現在策定中の次期行財政経営指針に基づき,より効率的,効果的で持続可能な行財政経営に努めてまいります。また,ポストコロナも見据えて,感染症を契機とした社会の変化や経済の回復に的確に対応するとともに,科学的な根拠に基づく政策立案や行政のデジタル化などを進めてまいります。県議会の御理解,御協力の下,市町村をはじめ様々な主体との連携を図りながら,すべての県民が明るい笑顔で暮らす「生き活き岡山」の実現に向け,全身全霊で取り組んでまいります。

 来年度は,感染症のワクチン接種が本格的に進められるなど,経済の回復に向けた動きの加速化が期待されるところであります。様々な変化に迅速かつ的確に対応し,「生き活き岡山」の実現に向けて力強く踏み出してまいりたいと存じます。

・行政のデジタル化の推進

 行政のデジタル化の推進につきましては,社会全体のデジタル化が進展する中,本県でも県民の利便性向上や行政の効率化を図るため,先月,総務部にデジタル推進室を設置したところであります。県民が必要な行政手続などを時間と場所を問わず行えるよう,オンライン化を進めるとともに,ICTを活用した業務の効率化を図ってまいります。

・県財政の状況等

 令和3年度当初予算案につきましては,感染症の拡大防止策や医療提供体制の整備への対応などにより一般行政経費が増加したことなどから,一般会計の歳出が7,500億円を超える規模となりました。

 また,歳入につきましては,感染拡大の影響などによる企業収益の悪化等に伴い,県税や地方譲与税が大幅に減少する一方で,令和3年度地方財政計画の内容などから地方交付税と臨時財政対策債の増加や,感染症への対応などによる国庫支出金の増加などを見込んでおります。

 なお,今回の予算編成は,前年度と同様に,財政調整基金の取崩見込額に対して残高が不足している状況の中で行うこととなったため,2月補正予算によって生じる収支改善を活用し,財政調整基金を89億円程度取り崩すこととしております。

 本県財政は,感染拡大の影響や,今後も,社会保障関係費の累増が見込まれることに加え,臨時財政対策債を含めた県債残高の高止まりや公共施設の老朽化への対応などから,一層厳しい状況が続くと認識しております。引き続き,これまでの行財政改革の取組の成果を維持するとともに,不断の改革・改善に取り組み,経費支出の効率化や県税をはじめとした歳入確保などにより,堅実な財政運営に努めてまいります。

・新型コロナウイルス感染症関係

 次に,新型コロナウイルス感染症についてであります。 

 本県においては,感染者数の増加に伴い医療提供体制が逼迫したことから,昨年12月に県独自の医療非常事態宣言を発令し,さらに国による緊急事態宣言後の先月8日には,県民に対し,特別措置法に基づき,宣言が出されている地域との往来自粛などの要請を行いました。

 その後,重症者数が増加したことなどにより,先月中旬からは,国が示す感染者急増等の段階に当たるステージ3の状況が続きましたが,今月に入ってやや改善しステージ2で推移していると判断しており,去る12日には,医療非常事態宣言を解除したところであります。しかし,依然として感染者の確認は続いており,引き続き感染防止を徹底し,感染者数の減少を確かなものにする必要があります。

 あらためまして,最前線で対応されている医療従事者など関係の皆様,感染拡大防止に多大な御協力をいただいております県民の皆様,事業者の皆様に,深く感謝申し上げます。

(感染拡大防止)

 感染拡大防止につきましては,県民一人ひとりの取組が重要であることから,引き続き,新しい生活様式の徹底など,予防に関する正しい知識の普及啓発を図ってまいります。また,福祉施設等で感染者が確認された場合,接触者への検査を幅広く実施するとともに,クラスター発生時には,速やかに岡山県クラスター対策班(OCIT)を現地に派遣し,感染拡大防止策を講じるなど,早期封じ込めに取り組んでまいります。

(医療提供体制)

 医療提供体制につきましては,入院患者受入病床の確保に取り組むとともに,宿泊療養施設等を活用するなど,療養者に対する適切な医療サービスの提供に努めてきたところであります。引き続き,重症患者への対応に留意しつつ,救急医療など一般医療との両立が図られるよう,関係団体と連携しながら,医療提供体制の充実に努めてまいります。

(ワクチン接種)

 ワクチン接種につきましては,大規模な接種体制を早期に整備するため,先月,県と市町村とで協議会を組織するとともに,保健福祉部にワクチン対策室を設置したところであります。まずは,医療従事者への優先接種が円滑に実施できるよう準備を進めるとともに,その後予定されている高齢者への接種に向けた市町村への支援に努め,県民の皆様が安心して接種できる体制の整備に総力を挙げてまいります。

(差別等の防止に係る啓発)

 感染者や医療関係者等への誹謗中傷や差別の防止につきましては,啓発活動や被害相談に加え,先月からインターネット上の悪質な書き込みについてAI等を活用したモニタリングを実施し,被害者側の求めに応じてデータを提供することとしているところであり,引き続きコロナ差別の根絶に向けてしっかり取り組んでまいります。

(中小企業等への支援)

 中小企業等への支援につきましては,今月1日から,県の融資制度の限度額を引き上げたところであり,引き続き,企業の資金繰りを支えるとともに,デジタル化に必要な設備の導入や,宿泊施設等の新しい生活様式に対応した設備改修の支援などに取り組んでまいります。

 また,今月25日から,「おかやまテクノロジー展」を初めてオンラインで開催するなど,ビジネスチャンスの創出を図るとともに,オンラインショップを活用した県産品の効果的な販売促進や,海外EC(電子商取引)の導入支援などにより,県内事業者の販路拡大を促進してまいります。

 さらに,一時的に雇用過剰となった企業と人手不足の企業との在籍型出向を促進するため,マッチング支援サイトを構築するなど,雇用の維持に向けた取組を強化してまいります。

(県産農産物のマーケティング強化)

 県産農産物につきましては,感染症の影響を踏まえ,国内外に向けた情報発信やECサイトを活用した販売促進など,新たな顧客の開拓に取り組み,対面とオンラインの両面から戦略的なマーケティング活動を進めてまいります。

(公共交通の維持)

 公共交通の維持につきましては,感染症の影響により利用者が大幅に減少している現状を踏まえ,公共交通事業者の運行維持等への支援を拡充するほか,県内で利用可能なプレミアム付き乗車券を発行し,その利用促進を図ってまいります。

 感染症対策の決め手とされるワクチン接種が開始されることとなりますが,高齢者など重症化のおそれのある人の接種にはまだ時間を要するものと考えております。県民の皆様には,感染リスクの高い行動は厳に慎んでいただくとともに,事業者の皆様には,テレワークや時差出勤の推進など,感染拡大防止への協力をあらためてお願い申し上げます。

 引き続き,感染拡大に歯止めをかけるとともに,県民の皆様が安心して暮らせる日常を取り戻すための対策に全力で取り組んでまいります。

・平成30年7月豪雨災害からの復旧・復興

 次に,平成30年7月豪雨災害からの復旧・復興についてであります。

(被災者の生活とくらしの再建) 

 「被災者の生活とくらしの再建」につきましては,発災から2年7か月が経過し,8割以上の方が応急仮設住宅から退去されるなど,生活の再建が進みつつあります。また,災害復旧関連事業や自宅再建の工期の関係等で期間内に退去できない世帯に対しては,昨年末,国から,再延長を可能とする同意を得たところであります。引き続き,市町村等と連携した見守り・相談活動など,被災者に寄り添った支援に努めてまいります。

(公共施設等の復旧)

 「公共施設等の復旧」につきましては,現在,河川,道路等の9割近い被災箇所において原形復旧工事が完了しており,小田川3支川などの改良復旧についても,地元等への丁寧な説明に努めながら,早期の工事完了に向けて事業を推進してまいります。

(地域経済の再生)

 「地域経済の再生」につきましては,全532事業者に対するグループ補助金の支払い手続きが,先月末で完了しました。また,事業は再開したものの,感染症の拡大による影響も重なり,再建に課題が残る事業者に対しては,きめ細かな相談対応などを継続してまいります。

 引き続き,被災地の状況を踏まえながら,復旧・復興の取組を着実に進めてまいります。

教育県岡山の復活

 続きまして,令和3年度の施策・事業の基本的方向について,第3次生き活きプランに掲げる3つの重点戦略に沿って,御説明申し上げます。

 まず,「教育県岡山の復活」についてであります。

(学ぶ力の育成)

 学ぶ力の育成につきましては,子どもたちが主体的に学び,社会課題の解決につながる新たな価値や行動を生み出せるよう,一人ひとりの夢を育み,学ぶ意欲の向上を図ることが重要であると考えております。このため,授業改善や個に応じた指導の充実などに,引き続き取り組むとともに,地域や社会と連携・協働した探究的な学びや,ICTを活用した創造性を育む学びなどを推進することで,教育活動をさらに充実させ,子どもの学ぶ力を育成してまいります。

(県立学校におけるGIGAスクール構想の推進)

 県立学校におけるGIGAスクール構想の推進につきましては,今年度末までに,全学年の普通教室へ校内通信ネットワークを整備することとしております。令和4年度までには,高等学校の生徒1人1台端末を全校で導入することとしており,授業等で効果的に活用できるよう,ICT支援員の巡回支援を重点的に行うなど,サポート体制を強化するとともに,教員の指導力の向上に取り組んでまいります。

・徳育・体育推進

(長期欠席・不登校)

 長期欠席や不登校につきましては,要因や背景の多様化,複雑化等により,全国の傾向と同様に増加しております。このため,各学校において,統一的な基準により児童生徒一人ひとりの状況を適切に把握し,個に応じた対応や別室等を活用した支援に取り組むとともに,医療機関や児童相談所等と連携した対応を推進してまいります。

(子どもの体力向上)

 子どもの体力につきましては,近年,小学生を中心に低下傾向にあることから,体育授業の質の向上を目的とした外部人材の活用や,子ども自らが立てた目標の達成に挑戦し,個々の伸びを評価・検証する取組の拡充等により,運動への意欲を高め,運動習慣の定着につなげてまいります。

地域を支える産業の振興

 続きまして,「地域を支える産業の振興」についてであります。

(企業誘致と投資の促進)

 まず,企業誘致と投資の促進につきましては,引き続き,企業の投資動向の把握に努め,優れた立地環境を生かして新たな誘致に取り組むとともに,感染症の拡大に起因するサプライチェーンの再編や複線化のための設備導入への支援制度を創設するなど,積極的に投資を促進してまいります。また,市町村が行う分譲用地の整備に対し,新たに無利子貸付制度を設けるなど,産業用地の確保に努めてまいります。

(「岡山桃太郎空港 空港づくり基本構想」の策定)

 岡山桃太郎空港につきましては,先般,空港の目指すべき将来像やその実現に向けたエアポートセールスなどの戦略を内容とする基本構想を策定したところであります。今後,感染症の状況などを踏まえながら,空港関係者等と連携し,構想の具体化に取り組んでまいります。

・企業の「稼ぐ力」強化

(中小企業のデジタル化)

 中小企業のデジタル化につきましては,経営者等の理解促進を図るとともに,企業内のキーパーソンなど,デジタル人材を育成してまいります。さらに,経営革新計画に基づき事業者が行うデジタル化の設備導入への補助や,情報関連企業で新たに組織する協力隊の派遣,5Gを利用できるオープンラボの整備などを通じて,デジタル技術の導入を支援し,中小企業の競争力強化を図ってまいります。

(EVシフト)

 EVシフトにつきましては,2050年に二酸化炭素の排出量を実質ゼロとする,いわゆるカーボンニュートラルに向け,2035年までに新車販売で電動車100%を実現する方針が国で示されたことから,今後,ガソリン車からEV等への転換の加速化が見込まれています。このため,自動車関連企業の技術開発力や提案力の強化を図るための研修を充実させるとともに,県民試乗モニター事業による魅力発信や充電環境整備に向けた支援を行うなど,EVシフトに対応した取組を推進してまいります。

(大学と連携した地域産業振興)

 大学と連携した地域産業振興につきましては,Society5.0の時代に対応した県内企業の研究開発力向上のため,新たに,大学との共同研究に初めて取り組む中小企業の支援を行うとともに,大学と共同研究を行う企業に学生を派遣し,現場体験を通じて企業への理解を深めてもらうなど,工学系学生の県内定着を図ってまいります。

・観光振興

(観光振興)

 観光振興につきましては,令和4年度のデスティネーションキャンペーンに向け,来年度は,プレキャンペーンを実施するとともに,インバウンドの段階的回復なども見据えながら,魅力的な観光素材の開発や戦略的なプロモーションを実施してまいります。

・儲かる農林水産業加速化

(晴苺の供給力強化)

 新たにブランド化に取り組んでいる「晴苺」につきましては,昨年12月から首都圏での2シーズン目の販売を開始しており,その品質が高い評価を受けております。今後,さらに東京市場への出荷量を拡大し,安定した供給体制を確立することで,年間を通じた「くだもの王国おかやま」のブランド確立につなげてまいります。

・働く人応援

(本県への就職促進)

 本県への就職促進につきましては,来月,大学コンソーシアム岡山と連携して,合同企業説明会をオンラインで開催するなど,学生と企業とのマッチングの場を確保し,コロナ禍により厳しくなった学生の就職活動を強力に支援してまいります。また,県内外の学生に県内企業の魅力を知ってもらう企業見学バスツアーやインターンシップ事業を拡充するなど,地方回帰の動きも的確に捉えながら,本県への人材の還流と定着に積極的に取り組んでまいります。

(働き方改革の推進)

 働き方改革の推進につきましては,コロナ禍において拡大したテレワーク等の新しい働き方を定着させるため,新たに,先進事例の横展開を図るセミナーを開催し,導入支援のための専門家派遣を行うなど,柔軟で働きやすい環境づくりを支援してまいります。

安心で豊かさが実感できる地域の創造

 続きまして,「安心で豊かさが実感できる地域の創造」についてであります。

・保健・医療・福祉充実

(受動喫煙防止対策等)

 まず,受動喫煙防止対策につきましては,改正健康増進法や受動喫煙防止条例の周知徹底を図るとともに,施設の禁煙表示を促進する県独自の宣言制度の普及などに取り組んでおります。また,禁煙外来受診に対する支援制度を創設するとともに,若者への啓発などを一層推進し,県民の健康づくりの環境を整備してまいります。

・結婚・妊娠・出産応援

(少子化対策の推進)

 少子化対策の推進につきましては,感染防止対策も考慮しながら,おかやま縁むすびネットのさらなる利便性の向上を図り,より多様な出会いの機会を提供するとともに,結婚新生活に伴う経済的負担の軽減に取り組む市町村への支援を拡充するなど,若い世代の結婚の希望がかなう環境づくりに取り組んでまいります。

(不妊治療対策)

 不妊治療対策につきましては,来年4月から公的医療保険の適用が拡大されるまでの間,不妊症や不育の方が安心して治療を受けられるよう,現行の助成制度を拡充するなど,経済的負担の軽減を図ってまいります。

・子育て支援充実

(保育士の確保)

 保育士の確保につきましては,今年度導入した保育士就職マッチングシステムにより,潜在保育士等の登録者数が順調に拡大しており,きめ細かなマッチングにより就労を促進するとともに,保育士養成校との連携事業により在校生の保育所就職率の向上を図るなど,対策を強化してまいります。

・防災対策強化

(防災対策の推進)

 防災対策の推進につきましては,県民の適切な避難行動の確保に向け,小学生とその家庭を対象とした「防災ワークシート」による幼少期からの防災教育の充実を図るとともに,自主防災組織の結成から活動の活性化に至るまでの積極的な支援に取り組んでまいります。また,感染症対策に対応できるよう物資の備蓄を進めるとともに,県庁集中配備室の機能強化を行うほか,高度化・大容量化する防災情報の確実な伝達のためのネットワーク整備に向け,基本構想を策定するなど,自助・共助・公助の観点から,災害に強い地域づくりを進めてまいります。

(水害軽減対策)

 水害軽減対策につきましては,河川区域や集水域,氾濫域にわたるあらゆる関係者が流域全体で水害に備える「流域治水」の考え方も踏まえ,新たに水害リスク情報の空白域縮小に向けた中小河川の氾濫推定図の作成などに着手し,事前防災対策を推進してまいります。

(国の「防災・減災,国土強靭化のための5か年加速化対策」への対応)

 国の「防災・減災,国土強靭化のための5か年加速化対策」への対応につきましては,道路施設の老朽化対策や河川の堤防整備,農業用排水機場の能力強化など,初年度の対策として速やかに着手可能な箇所から実施し,引き続き,防災・減災対策に全力で取り組んでまいります。

・暮らしの安全推進

(暮らしの安全対策)

 暮らしの安全対策につきましては,昨年の刑法犯認知件数は,感染症の影響もあり,前年と比べて約17パーセント減少しております。一方で,特殊詐欺の被害額が5億円を超え,暴力団関係者による銃器使用の殺傷事件等が発生するなど,県民の安全を脅かす犯罪が後を絶たないことから,フレキシブルな捜査用カメラシステムを運用するなど,重要犯罪等の徹底検挙を強力に推進してまいります。

(性犯罪・性暴力被害者支援)

 性犯罪・性暴力被害者支援につきましては,24時間365日の相談対応や関係機関との連携調整を担うコーディネーターの配置など,ワンストップ支援センターの体制強化を図るとともに,被害者の医療費負担を軽減するなど,性犯罪・性暴力の被害者を速やかに支援できる環境を整備してまいります。

・持続可能な中山間地域等の形成

(中山間地域の振興)

 中山間地域の振興につきましては,先般,中山間地域活性化基本方針を改訂し,中山間地域の潜在力を生かしながら,人づくり・組織づくり,生活基盤づくり,地域経済の振興に一体的に取り組むこととしております。今後,基本方針に沿って,活動の基盤となる地域運営組織の設立支援や,地域づくりの担い手確保など,持続可能な中山間地域の形成に向けた取組を加速してまいります。

(移住・定住の促進)

 移住・定住の促進につきましては,感染症を契機に東京一極集中から地方への流れが広まりつつある中,経済団体等とも連携しオール岡山の体制で,首都圏を中心に,トップセミナー等のプロモーションや移住希望者のニーズに合った情報発信の強化を集中的に進めてまいります。また,市町村が行う空き家等の通信環境の整備を支援するなど,受入側の環境整備にも積極的に取り組んでまいります。

(鳥獣被害防止対策)

 鳥獣被害防止対策につきましては,市町村や専門家等と連携しながら,農作物被害の未然防止に直結する捕獲の強化をはじめ,効果的なイノシシ,シカなどの侵入防止柵の整備,銃猟の担い手の確保・育成などに取り組んでまいります。また,11月には第7回日本ジビエサミットが本県で開催されることから,これを機に,ジビエの利用拡大に向けた取組を一層進めてまいります。

・快適な環境保全

(循環型社会形成の推進)

 循環型社会形成の推進につきましては,使い捨てプラスチック製品の使用を減らす「ワンウェイプラスチック削減キャンペーン」を新たに展開するなど,県民一人ひとりの主体的な行動変容を促してまいります。また,昨年12月には,広島県,香川県,愛媛県及び日本財団と,海ごみ対策を推進するための協定を締結したところであり,瀬戸内地域における海ごみ問題の解決に向けた先進的なモデルとなるよう取り組んでまいります。

・生きがい・元気づくり支援

(文化活動の推進)

 文化活動の推進につきましては,新たにアーティストバンクを設置し,芸術家の活動や作品の情報を一元化し提供することで,その存在を広く周知するとともに,コロナ禍にあっても地域での活動の場が得られるよう継続的な支援を行い,県民が身近に文化・芸術に接する機会の確保に努めてまいります。

・情報発信力強化

(情報発信力強化)

 情報発信力の強化につきましては,感染症を契機とした,地方移住,企業分散の流れも見据え,地域や年齢層などターゲットに応じて情報発信を行うデジタルマーケティングの手法を取り入れながら,動画やSNSを効果的に活用したプロモーションを行ってまいります。また,首都圏等のメディア取材の誘致にも積極的に取り組んでまいります。

諸議案

次に,今回提案しております諸議案の概要につきまして,御説明申し上げます。

 まず,予算案件のうち,令和3年度当初予算案についてでありますが,国の令和3年度一般会計当初予算案は,新型コロナウイルス感染症への対応などにより歳出が増加し,予算規模は,106.7兆円と過去最大となっております。

 このような状況を踏まえ,本県の令和3年度当初予算編成にあたりましては,感染症を契機とする社会の大きな変化などへの対応や,豪雨災害からの復旧・復興に向けた施策に着実に取り組むとともに,「第3次晴れの国おかやま生き活きプラン」の行動計画初年度となることから,「生き活き岡山」の実現に向け,教育の再生,産業の振興への対応などを中心に,より実効性の高い事業を数多く盛り込んだところであります。

 以上により編成しました令和3年度の当初予算案は,

   一般会計において  7,598億2,500余万円

   特別会計において    4,201億1,600余万円

   合わせて         1兆1,799億4,200余万円

      企業会計において     200億6,100余万円

となっております。

 このうち,一般会計につきまして,その内容を性質別に申し上げますと,

   義務的経費          5,369億3,300余万円

      一般行政経費       1,387億7,200余万円

      投資的経費         841億1,900余万円

となっております。

 次に,一般会計につきまして,その概要を申し上げます。

 まず,歳入予算についてでありますが,県税収入は,令和2年度当初予算に対し5.9%減の2,271億5,400余万円,地方交付税は4.2%増の1,700億円,臨時財政対策債は70.8%増の492億円となっており,一般財源は総額5,702億4,100余万円を計上しております。特定財源は,国庫支出金は26.0%増の982億6,900余万円,県債は9.1%減の509億4,600余万円など,合わせて1,895億8,400余万円を計上しております。

 次に,歳出予算についてでありますが,主な事業を申し上げますと,感染症関連では,新型コロナウイルス感染症対策推進事業266億200余万円,中小企業向け融資制度金融機関等補助事業64億500余万円,豪雨災害関係では,転居費用助成事業7,200万円,河川激甚災害対策特別緊急事業48億7,200万円などを,また,第3次生き活きプランに基づくものでは,私立学校の安定的な経営のための私学助成事業71億4,000余万円,GIGAスクール構想の推進のための事業1億7,700余万円,戦略的企業誘致推進事業1億2,400余万円,デジタル化による企業の「新たな価値づくり」支援事業1億500余万円,“ひとりで悩まないで”性犯罪・性暴力被害者支援事業800余万円,中山間地域等振興特別事業7億円などを計上しております。

 債務負担行為につきましては,治山事業費など新たに債務を負担しようとするもの138件であります。

 地方債につきましては,歳出予算の財源として必要な額を予定するものであり,一時借入金につきましては,年度内の歳計現金が不足する場合の借入れの最高額を定めようとするものであります。

 特別会計につきましては,岡山県公債管理特別会計に1,902億7,800余万円を計上するなど,14会計においてそれぞれ所要額を計上しております。

 企業会計につきましては,岡山県流域下水道事業会計に83億4,900余万円を計上するなど,3会計においてそれぞれ所要額を計上しております。

 次に,令和2年度補正予算案についてでありますが,経済対策分と通常分を提案しております。

 まず,経済対策分につきましては,国において,「国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合経済対策」として,新型コロナウイルス感染症の拡大防止策,ポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環の実現,防災・減災,国土強靭化の推進など安全・安心の確保等,総額19.2兆円規模の追加歳出を含む補正予算が成立したところであり,本県においても,これに呼応した措置を講じることとし,所要額を計上しております。

 その結果,今回の補正予算額は,

   一般会計において   377億3,200余万円の増額

   特別会計において      300余万円の増額

   合わせて      377億3,600余万円の増額

   企業会計において   5億6,200余万円の増額

であります。

 補正後の一般会計予算額は,歳入歳出それぞれ8,696億8,500余万円であります。

 一般会計歳入予算の主な内容につきましては,国庫支出金264億2,900余万円,県債125億1,500余万円を増額するなど,所要の補正措置を講じるものであります。

 一般会計歳出予算の主な内容につきましては,新型コロナウイルス感染症対策推進費116億5,200余万円,河川激甚災害対策特別緊急事業費59億4,000万円,生活福祉資金貸付費43億9,900余万円などを計上しております。

 繰越明許費につきましては,今回の補正予算に関連し,合わせて45件,270億500余万円を繰越ししようとするものであります。

 債務負担行為につきましては,金融機関に対する利子補助金について期間の変更をしようとするものであります。

 地方債につきましては,今回の補正予算に関連し,所要の補正措置を講じようとするものであります。

 特別会計につきましては,岡山県後楽園特別会計において,また企業会計につきましては,岡山県流域下水道事業会計において,それぞれ所要の補正措置を講じるものであります。

 次に,通常分につきましては,事業費の確定等に伴うものについて,それぞれ所要の補正措置を講じることとしております。

 その結果,今回の補正予算額は,

  一般会計において     245億9,400余万円の減額

    特別会計において      50億5,000余万円の減額

  合わせて         296億4,500余万円の減額

  企業会計において      29億3,800余万円の減額

であります。

 補正後の一般会計予算額は,歳入歳出それぞれ8,450億9,000余万円であります。

 一般会計歳入予算につきましては,繰入金199億6,100余万円などを減額する一方で,県債189億8,000余万円を増額するなど,所要の補正措置を講じるものであります。

 一般会計歳出予算のうち増額措置の主なものは,介護給付費負担金11億5,600余万円などであります。また,減額措置の主なものは,人件費等,事業費の確定に伴うものであり,それぞれ所要の補正措置を講じるものであります。

 繰越明許費につきましては,関係者等との調整難航などの理由により,合わせて60件,266億4,500余万円を繰越ししようとするものであります。

 債務負担行為につきましては,道路整備事業など新たに債務を負担しようとするものなど4件であります。

 地方債につきましては,今回の補正予算に関連し,所要の補正措置を講じようとするものであります。

 特別会計につきましては,岡山県公債管理特別会計など12会計において,また企業会計につきましては,3会計において,それぞれ所要の補正措置を講じるものであります。

 次に,事件案件につきましては,岡山県広域水道企業団への出資についてのもの1件,包括外部監査契約の締結についてのもの1件,第3次晴れの国おかやま生き活きプランの策定についてのもの1件,児島湖流域下水道の維持管理費用の市町負担額の変更についてのもの1件,県営土地改良事業等に対する市町村負担金についてのもの1件であります。

 次に,条例案件につきましては,「岡山県部等設置条例の一部を改正する条例」など19件であります。

 最後に, 報告案件につきましては,高病原性鳥インフルエンザの発生に係る対策として,家畜伝染病予防法に基づく防疫・焼却等に要する経費や,発生農場等に対する利子補給に係る債務負担行為の追加についてのもの1件で,事情やむを得ず専決させていただきましたので,御報告申し上げ,御承認賜りたいと存じます。

 以上,今回提案いたしました諸議案につきまして,その概要を申し上げた次第であります。

なにとぞ,慎重御審議の上,適切な議決を賜りますようお願い申し上げます。