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教育時報 標点

印刷ページ表示 ページ番号:0390577 2014年6月30日更新教育政策課

平成26年7月号(通巻778号)

県総合教育センター所長 忠田正氏 

学び続ける教師

  県総合教育センター所長   忠 田  正

 教育哲学者で元宮城教育大学長の林竹二(はやしたけじ)先生は、自ら全国の学校で行った授業実践を踏まえて、「教師の根本の仕事は、むしろ学ぶことだ」(『林竹二著作集7』 筑摩書房)と言われました。林先生の言葉の私なりの解釈は、「教師が自らの学びを真剣に実践することこそが、子どもたちの学びを導く者として在るべき姿」ということではないかと思います。
 また、中央教育審議会答申(平成24年8月)にも、社会の急速な進展の中で、知識・技能の絶えざる刷新が必要であることから、これからの教員に求められる資質能力として、「学び続ける存在であることが不可欠」と述べられています。林先生の言葉の意味とは少し違いますが、教師自らが「学び」に真剣に立ち向かうことを重視している点は共通しています。
 さて、私は指導主事として初めて担当させていただいたある研究指定校の思い出が、今も印象深く残っています。県北にあるその小学校は、当時の文部省から「豊かな心をはぐくむ教育」に関する2年間の研究指定を受け、学校独自に道徳の読み物教材を開発したり、先生方がいつでも自分の授業を見てもらえるよう、職員室に授業公開の概要を掲示し、都合のつく人が参観して批評し合う取組を新たに始めたりするなど、本当に熱心に研究や実践に取り組んでくださいました。
 研究発表会の日、私は、研究全体の講評をお話しする中で、先生方への感謝と敬意を込め、「子どもたちと共に学ぶ先生方の姿こそが、この学校の教育を象徴している」と申し上げました。林先生の言葉の意味する実践を見せていただいたように感じたからでした。
  現在、岡山県総合教育センターでは、県の教育振興基本計画等を踏まえ、「学び続ける教師」を基盤として、県内の学校の教師力・学校力の向上を目指し、研修講座や学校支援等を行っています。また、日頃の授業や校内研究等の相談に応じるカリキュラムサポートも実施しています。頼りになるセンターとして、今後とも学び続ける先生方を全力で支援して参りたいと考えています。