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教育時報 標点

印刷ページ表示 ページ番号:0364370 2014年1月29日更新教育政策課

平成26年2月号(通巻773号)

県中学校校長会会長

 早春に思う

   県中学校長会会長 (岡山市立福浜中学校長)  

    池 田 智 則 

 二月。校庭の桜の木は、いつの間にか今年も数多くの花のつぼみを作った。寒さにじっと耐えながらも、徐々にその大きさが増しているように思える。着実に準備を重ね、開花の時期をはかっているかのようだ。
 三年生は、いよいよ進路選択・決定の時期を迎え、より一層真剣さがみなぎっている。自分の進むべき道を自分自身で決めるという点では、人生で最初の試練の時という見方もできるし、輝かしいスタートの時との見方もできる。生徒一人一人のより良い進路決定を祈る日々であると同時に、果たして学校は新たな世界に一歩足を踏み出す力、幾多の困難にも立ち向かえるだけの力を、つけることができただろうかと自問をする日々でもある。
  一方、教育の課題について、様々な視点や指標をもとに論じられることが多くなった。教育現場を預かる者として心が痛む。現状を多面的に分析・把握し、課題意識を共有して適切に対応しなければならない。新たな一歩を踏み出そうとしている生徒の顔を見たとき、ゆったりと構えてはいられない。
 常に、我々が目指すべき教育はどうあるべきか。様々な指摘に真摯に耳を傾けつつも惑わされることなく、教育の理念である「人格の完成」を目指していきたい。そのためには、我々教師が教えるということの原点である、人間性豊かで教育愛に満ちた教師として在り続けることと、子どもとの信頼関係をつくり続けることこそ、子どもたちを学びに向かわせることができるということを、忘れてはならない。これまで、先人たちによって脈々と受け継がれてきた不易の部分を中心に据えた学校教育を大切にしたいと思う。そして教育理念を追い求める不断の教育実践が、試練をも乗り越える力を我々に与え、子どもたちをよりよい人格の完成へと導くものであると信じる。
  今年も、満を持して咲き始める校庭の桜の花に祝福されながら、生徒達が自ら定めた道を胸を張って歩み始める日は近い。