ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 組織でさがす > 産業労働部 > マーケティング推進室 > 郷原漆器(県指定郷土伝統的工芸品)

本文

郷原漆器(県指定郷土伝統的工芸品)

印刷ページ表示 ページ番号:0349464 2018年3月30日更新マーケティング推進室

特色

 蒜山地方のクリ材を使い、木目を大切にしながら備中漆等の天然の漆で仕上げた600年の伝統を持つ漆器で、しっかりとした塗りと実用性、独特の優れた沈金技術で仕上げられています。
 原木を生木のままロクロで挽いて木地をつくる方法は、他の漆器産地では見られない独特の方法です。
郷原漆器写真
 

指定の内容

一 名称
   郷原漆器(ごうばらしっき)

二 技術又は技法
 (1) 栗材を輪切りにして、生木のままろくろで挽いて木地を作ること。
 (2) 作業工程は、すべて手作業であること。

三 原材料
 (1) 使用する木は、栗とすること。
 (2) 使用する塗料は、漆とすること。

四 製造される地域
   真庭郡川上村(現在の真庭市川上地域)

(指定年月日 平成4年11月16日)
 

歴史

 明徳年間(1390~1400年)に始まったといわれる「郷原漆器」の生産は、大正末期から昭和の初めをピークとして次第に衰退し、第二次世界大戦の開戦により漆の入手が困難になってきたことと、終戦後の世相の激変によって、生産は一時途絶えたが、長年にわたり多量に作られた郷原漆器のお椀類は、生活に密着した食器として使われ続けてきた。
 生産者が不在となった後も、地元で郷原漆器の伝承を願う人達がいたが、昭和60年から郷原漆器に着目して伝統技法の調査研究を開始した岡山県郷土文化財団と川上村(平成17年に合併し真庭市となった)の呼びかけに呼応して、地元有志による態勢が整い、平成元年7月から復活に取り組むこととなった。
 

主要製造工程

 (原材料:クリ材、漆)
   ↓
 「クリ材で木地作り」
  山から切り出したクリ材を、生木のまま輪切りにして、年輪の芯を中心にしてロクロで木地を作る。
  クリ材の使用と、生木のままでロクロ挽きすることは著しく能率を向上させる方法で、他の漆器産地では見られない、郷原漆器独特の方法である。
   ↓
 「木地磨き」
   ↓
 「生漆で木地固め」
   ↓
 「拭漆~磨き(器の外側)」
  拭漆とは、木地の木目を美しく仕上げる漆芸の中の一つの技法である。木地に生漆を塗り、すぐに布で拭き取り、乾燥させる。
  この工程を繰り返してゆくことにより、次第に漆特有の艶が増し、木目を生かした潤いのある拭漆の漆器が出来上がる。
  昔の郷原漆器では、木地に下地をして、木目をつぶして朱又は黒漆を塗っていたが、平成元年の復活からは、木目を美しく生かすことに着目し、器の外側を拭漆の技法で仕上げたものもある。
   ↓
 「錆付け~磨き~下塗り~仕上塗り(器の内側)」
   ↓
 「乾燥」

  ※上記は、指定申出時の提出書類に基づくものです。
 
 

郷原漆器(英訳)

Gohara Lacquer Ware
Designated Novemver 16, 1992
Raw chestnut trees in the Hiruzen area are milled in a potter’s wheel to make materials. Production stopped after Www2, but in recent years, local volunteers strove to restore this technique to preserve 600 years of tradition.