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虫明焼(県指定郷土伝統的工芸品)

印刷ページ表示 ページ番号:0349463 2014年1月6日更新マーケティング推進室

特色

 京都の清水焼の流れをくむ焼き物。薄肌できめの細かい肌ざわりとやわらかい曲線、緑かかった薄茶色などが、気品のあるやさしい風合いを作り出しています。
虫明焼写真
 

指定の内容

一 名称
   虫明焼

二 技術又は技法の内容
 (1) 成形は、ろくろ成形、「たたき成形」、たたら成形、手ひねり成形又は押型成形などによること。
 (2) 素地の模様付けをする場合には、化粧掛け、はけ目、へら目、彫り、櫛目、「たたき」、象がん、印花、透し彫り又は吹付けなどによること。
 (3) 絵付けをする場合には、手描きによる下絵付けとすること。
 (4) 釉掛けは、浸し掛け、杓掛け又は重ね掛けなどによること。この場合において、釉薬は、「長石釉」、「藁灰釉」、「土灰釉」、「土灰」、「銅釉」、「飴釉」、「黄釉」、「鉄釉」又は布目などとすること。
 (5) 上絵付けをする場合には、骨描き、つけたて、「溜め塗り」、だみ、「ぼかし」、「きしり」、「白抜き」、「漆まき」、「振り」、「たたき」、「箔張り」、「吹き」又は布目などによること。

三 原材料
   使用する陶土は、「虫明土」、「田土」、「山土」又はこれらと同等の材質を有するものとすること。

四 製造される地域
   邑久郡邑久町(現在の瀬戸内市邑久町)

(指定年月日 昭和63年4月8日)
 

歴史

 虫明焼の起源については年代的に未だ不明であるが、おおよそ朝鮮系の焼き物と推察される。現在知られている虫明焼の形態が確立されたのは、江戸時代になってからで、備前国家老伊木家6代目の忠興が趣味で茶器・花器などを焼かせたお庭窯が起源とされている。
 その後、茶人として有名な三猿公の時代になって、清風与平や宮川香山を招いて京風の作風が伝えられ、あわせて安南、織部、乾山などの風格を伝えるとともに、釉薬などにも独特なものを考えて、虫明焼の名声を高め伝統を築いてきた。
 明治に入ると森香州のすぐれた技法によりこの伝統は引き継がれ、さらに横山香宝、岡山英山などに伝わってその伝統は受け継がれてきたものと思われる。
 

主要製造工程

 (原料)
   ↓
 「水簸」
  水槽の中で撹拌した後、数回沈殿濾過を繰り返して土の中に含まれている石及びゴミ類をきれいに取り除く。
   ↓
 「成土」
  石やゴミ類などの不純物を取り除いた土は、その後素焼きの鉢等に入れ乾燥させる。
  その後、手や足などで何回も揉みながら土の中に含まれている空気を取り除いていき土に粘り気を付ける。
   ↓
 「成形」
  十分土ねりされた土をロクロによって成形する。その他、型わくや手びねり等の方法もある。
   ↓
 「素焼」
  850度~900度の温度で約15時間焼いた後、1~2日間かけて外気温まで温度を下げる。
   ↓
 「絵付け」
  素焼した作品に、鉱物性絵具によって絵や文字を書き入れる。
  ↓
 「釉薬」
  松灰、栗灰、わら灰等に長石(いしこ)を混ぜたくすりを作品に流し完成
  ↓
 「本焼」
  絵付け、流し釉された作品は1280度の温度を目標に行い、40時間~48時間程度焼いた後、数日かけて外気温まで温度を下げる。
  ↓
 「上絵」
  本焼した作品に鉱物性絵具を用いて絵付けを行う。現在、この製造技術はあまり使われないようになっている
   ↓
 (製品)

  ※上記は、指定申出時の提出書類に基づくものです。
 
 

虫明焼(英訳)

Mushiage-Yaki Ware
Designated April 8, 1988
Manufacturing Area: Setouchi-shi
As this was the house kiln of the Igi Family, Chief Retainer of the Okayama Domain, the tea utensils are particularly well-known. This is a ceramic descendent from Kiyomizu-Yaki Ware in Kyoto, which is a ceramic of thin porcelain and elegance.