津山ねり天神（県指定郷土伝統的工芸品）

　津山産の粘土を練って型にはめ、型からはずした後、窯の中で焼かず、天日で乾かし顔を描きます。庶民の間で育まれたもので、素朴な天神様の雰囲気をそのまま伝えています。

　

一　名称
　　　津山ねり天神

二　技術又は技法の内容
　(1) 粘土に和紙を混ぜ、ねかしをすること。
　(2) 原型造りには、津山市産粘土を使用し、素焼とすること。この場合において、「みがき出し」をすること。
　(3) 「手押し」により素地造りをし、原型から粘土を利用して取り出すこと。
　(4) 成形は「ドベ」を塗付して取り付けること。
　(5) 日陰で乾燥させること。
　(6) 面相書きは、面相筆を用いて「口紅入れ」、「目入れ」及び「まゆげ描き」をすること。

三　原材料
　　　津山市産粘土又はこれと同等の材質を有するものとすること。

四　製造される地域
　　　津山市

（指定年月日　昭和６３年４月８日）

　

　美作地方は、菅原道真公の父が国史を務めた土地柄で、人々は学問の神様の天神様を厚く崇拝し、いつのころからか、男の子が天神様のように丈夫で賢いこに育つようにと、ねり天神を祭って初雛を祝う風習が生まれた。
　菅家７流の一つである植月家では、５代目右衛門が菅公崇拝の木彫天神を作り、次いで６代目の伊右衛門（１７４０～１８０２）は土練の天神を作り、希望する者に頒布するなど菅公崇拝を高め、植月天神の祖となった。
　そのうち、しだいに一般の教育熱が高まるにつれ、天神人形を求める風潮が出てきたので、７代目清六が寛政年間に津山の京町に出て宿屋を開業するかたわら、「ねり天神」の販売をはじめた。これが、津山ねり天神のはじまりとされている。
　この風習も明治末期がピークで、昭和初期に入ると次第に衰え、戦時中に全く影をひそめてしまったが、戦後、再び製作が再開された。

　

　（原料：粘土）
　　　↓
　「粘土ねりこみ」　粘土に和紙原料を混入、特定の固さに練り上げる
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　「人形原型」　手作業により人形の原型を作り上げる
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　「乾燥、焼き込み」　自然乾燥の後、陶芸がまで焼き上げる
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　「原型へ粘土詰め」　出来上がりの人形の型へ粘土を詰め、型出し作業をする
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　「自然乾燥」　型より出した人形を日陰で２週間前後陰干し乾燥
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　「磨き上げ」　乾燥した人形の荒土の除去清掃、磨き上げ作業
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　「着色」　７色の絵の具で着色
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　「台座製作」　人形の台座、刀等の作成
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　（製品）

　　※上記は、指定申出時の提出書類に基づくものです。

　

　

Tsuyama Neritenjin
Designated April 8, 1988
There is a boy’s Doll Festival custom enshrining Tenjin-sama (Sugawara-no-Michizane) on March 3 of the old calendar, which has been passed down since ancient times. These dolls are not burned and are only hardened clay so that they can return to the natural ground.