「朝顔の花はなぜ朝咲くのか?」高校一年生のときの夏休みの宿題である。要因は光か、気温かなど考え、いろいろなサンプルを作り、徹夜で観察した。四十数年前のことだが、今でもよい思い出となっている。 アインシュタインが特殊相対性理論などの概念を発表して百周年にあたる二〇〇五年、世界物理年を記念して第一回物理チャレンジが岡山で開催された。「単振り子の振動周期を測定し、その場所での重力加速度を求める」は第一チャレンジの実験課題で、高校生のサポート役として実験に関わった。おもりや糸など身近な材料を使い、いろいろと条件を変えて周期を測定した。実験は大変だったが、9.8m/s2に近い数値が得られたときは充実感があった。 物理チャレンジは、中高生を主な対象とした全国規模のコンテストで、第一チャレンジを通過した約百名が第二チャレンジに進むことができ、三泊四日で理論問題と実験問題(各五時間)に挑戦する。高校二年生以下の成績優秀者は、翌夏に開催される国際物理オリンピック日本代表の候補者に選ばれる。回を重ねるごとにレベルが高くなっているが、今夏筑波大学で開催された第九回大会では、本県から五名の中高生が第二チャレンジに挑戦し、大いに活躍した。 県教育委員会では、理科・数学好きの子どもを増やすとともに、国際舞台で活躍できる人材を育成するため、岡山大学等と連携し、小中学生を対象とした「理数に挑戦」や中高生を対象とした「科学オリンピックへの道」などの、科学に挑戦ステップアップ事業を展開している。また、今年四月にオープンした「人と科学の未来館サイピア」では、プラネタリウム投影やサイエンスショー・科学実験などを行っている。 今年の夏休みは、小学生と一緒にサイピアでプラネタリウム投影を鑑賞した。星の世界も夢と不思議がいっぱいある。理科・数学好きの子どもがもっと増え、岡山で学んだ子どもたちがノーベル賞を受賞するなど将来世界で活躍することを願ってやまない。 |