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標点 平成25年5月号(通巻764号)

印刷ページ表示 ページ番号:0335275 2013年5月1日更新教育政策課

生涯学習課課長

読書

 県教育庁生涯学習課長   久 芳 全 晴

 「万巻の書を読むに非ざるよりは、いずくんぞ千秋の人たるを得ん」、これは吉田松陰の言葉である。万巻の書とは、多くの書物という意味であり、千秋の人とは長い間記憶される立派な人という意味であるが、十一歳にして藩主への御前講義を担当し、意志が弱くなるからという理由で酒を遠ざけ、独身を通した鬼才の言葉であることを踏まえると、意志薄弱の自分としては、とても重い言葉であると感じている。
  四月一日より、第3次岡山県子ども読書活動推進計画がスタートした(http://www.pref.okayama.jp/site/16/detail-45992.html)。第一次計画(平成十五年~)と第二次計画(平成二十年~)では、県立図書館の整備や読書ボランティアの活動の活性化等、読書活動の基盤整備が主な取組であったが、関係者のご尽力により、当県の子どもは全国に比べて読書好きの割合が高いという良い結果が出ている。しかし、一か月に一冊も本を読まない子どもの割合、いわゆる未読率は依然として高く、小学生では十二.八%、中学生では二十七.六%、高校生では三十六.三%となっている。成熟し、多様化した現代社会において、子どもたちに対し、これをやっておいたら間違いはない、と断言することは大変難しいが、読書は数少ない、やっておいて損の無いものの一つではないかと思う。第3次計画期間では、「自ら本を読み、読書を通じて自分の生活をより豊かにできる子どもを育てる 」ことを目的に、未読率の半減を代表的な評価指標とし、関係者がより連携を密にしていける研修や家庭教育への支援に取り組み、読書活動のきっかけづくりを充実させていきたいと考えている。
 さて、私自身の読書活動であるが、以前はビジネス書か歴史小説に偏る傾向があった。就職してから数年が経った時、「教育に携わる者は幅広いジャンルを読むべきだ」というご指摘をいただき、それ以来、最低限、本屋で積まれている本には目を通すようにしている。そのおかげか、PTA関係者や経済界の方と話す際により立体的に話を聞けるようになった。「万巻の書」を読むにはまだまだ程遠いが・・・。