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「日本語学習指導者スキルアップ研修会」報告

印刷ページ表示 ページ番号:0302091 2013年3月1日更新国際課

「日本語学習指導者スキルアップ研修会」を開催しました。

 平成25年2月2日、県内のボランティア教室等で外国籍住民に日本語を教えている方々を対象にした「日本語学習指導者スキルアップ研修会」を岡山国際交流センターにて開催しました。

 研修会は、講座1、講座2、意見交換会の3部構成で、延べ36名の方にご参加いただきました。

 参加者はどの講義にも熱心に聴き入り、講師の先生方から「岡山の日本語ボランティアは意識が高い」「学習者にとってよい教師であろう、よいグループであろうとする気持ちが強い」という嬉しいお言葉をいただきました。

【講座1】 やさしい日本語

       講師:吉本由美氏(広島YMCA専門学校 留学生科 非常勤講師)

 講座1では、講師に広島YMCA専門学校留学生科非常勤講師の吉本由美(よしもとゆみ)氏を迎え、「やさしい日本語」についてワークショップ形式でご講義いただきました。

 グループワークでは、中国、ベトナム、インド、ウズベキスタンなど様々な国籍の外国人参加者14名にご協力いただき、やさしい日本語でコミュニケーションをとる実践演習を行いました。

 日本人参加者からは「(学習者は)よく分かったふりをしているということに気づいた」「やさしい言葉で話す必要性を痛感した」といった感想が寄せられ、ともすれば日本人が外国人に一方的に教えてしまいがちな教室活動を振り返るきっかけになりました。

 一方、外国人参加者からは「いろいろな人と話せて楽しかった」「先生の立場が少し分かった。来日して3年目だけど、いつも熱心に日本語を教えてくれてありがとうございます」といったコメントがあり、教える側に対しての理解が深まったことがうかがえました。

 吉本氏の「やさしい日本語」を使用した素晴らしいファシリテーションにより、日本人参加者及び外国人参加者がそれぞれに学びを得る大変有意義な講座となりました。

ワークショップをファシリテートする吉本氏(中央) 外国人参加者とやさしい日本語でコミュニケーションをとるグループワークの様子

【講座2】 初級を終えた学習者の支援~地域特産のオリジナル授業の作り方~ 

      講師:荒川洋平氏(東京外国語大学 留学生日本語教育センター 准教授) 

 講座2は、「初級を終えた学習者の支援~地域特産のオリジナル授業の作り方~」というテーマのもと、東京外国語大学留学生日本語教育センター准教授の荒川洋平(あらかわようへい)氏にご講義いただきました。

 講座の前半では、外国語教育における「地域化」とは何か、なぜ「地域化」が重要なのかということについて、学術的な専門知識を交えながらお話いただきました。

 そして、万人に適した完璧な教材はないと強調した上で、学習者のニーズに応じて教える側が教材をアレンジしたり、新しいものを独自に作成したりして、教材を「地域化」することについてご説明いただきました。

 講座の後半では、グループに分かれて実際にオリジナルの授業案を作成し、最後に発表を通じて参加者全員で共有しました。

 参加者から出た授業案の中には、職場でトラブルを避けるための対処法についてや、自転車を移動手段として使う生活についてなど、市販の教科書ではカバーできない地域生活に密着したユニークなアイデアが見られました。

 ユーモアを交えながら非常に分かりやすく丁寧にご説明くださる荒川先生の講座は、「とても参考になった」「明日からの授業に役立つことが多かった」と参加者から大変好評でした。

講義を行う荒川氏 オリジナルの授業案を発表する参加者

【意見交換会】

 意見交換会では、参加者がそれぞれに所属する教室活動について発表し、互いの情報交換を行いました。

 最後のグループ討議では、活動上の悩みや困っていることについて話し合い、講師の荒川氏を交えて解決方法を探りました。

 県内各地で活動する日本語ボランティアが一同に会する貴重な機会を利用し、参加者は発表や話し合いの中で熱弁をふるいました。 

個々のボランティア活動について発表を行う様子 グループで情報や意見の交換を行う参加者