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津島ミュージアムだより 第十八回「発掘調査と整理作業の拠点『発掘調査事務所』」
第十八回 発掘調査と整理作業の拠点「発掘調査事務所」
発掘調査と整理作業の拠点「発掘調査事務所」
発掘調査の間、現場近くにあって拠点となるのが「発掘調査事務所」です。津島遺跡の調査では、現在、県総合グランドの南テニスコートがある場所に設置されていました。平成9年12月に建てられ、すべての調査と報告書の作成が終了する平成16年3月までの6年4か月にわたり、最前線の拠点として調査を支えました。
津島遺跡では、3次にわたる確認調査(発掘調査の前段階の調査)や、陸上競技場・新体育館などの建設に伴う発掘調査が行われました。中でも規模の大きな陸上競技場の調査時には、10名を越える調査員が常駐して調査計画や調査成果の検討を日々行っていました。次々と搬入される大量の出土遺物を収めるために、2階建てのプレハブ建物と屋外倉庫に加え、複数のテントを建物周辺に増築する等して、津島遺跡の発掘調査事務所は異例ともいえる規模にまで拡大しました。
また、発掘調査事務所には出土遺物の収蔵以外にも大きな役割がありました。それは報告書作成に向けての整理作業の場としての役割です。発掘調査は掘って終わりではなく、得られた成果を整理して分析し、報告書にまとめて刊行して、その記録を人々に広く周知しなくてはなりません。そのために行われるのが資料整理作業です。
資料整理作業ではまず、現場から事務所に次々と搬入される遺物の内容を把握し、以後の整理作業の基礎となる「遺物台帳」を作成します。そして、土が付いた状態の遺物を丁寧に洗い落とします(「洗浄」)。それらが乾燥すると、一点一点の土器片に出土した遺構名や期日を記入します(「注記」)。そして注記が終了したものから土器の接合作業に入ります(「復元」)。一方で、報告書に掲載する図版の作成に向けた作業も進めます。それは復元された数千点におよぶ土器の原寸での図化作業(「遺物実測」)です。
これらの一連の作業を、調査員の指示のもと各整理担当者がほぼ同時進行で行います。陸上競技場の調査が始まってからは、事務所に約20名の整理作業員が入り、それぞれの作業を進めていました。いずれの作業も丁寧さが求められることから、一朝一夕に終わるものではありませんでした。しかし、日々の努力の甲斐あって、計7冊の報告書を期間内に刊行し、発掘調査事務所は無事にその役目を終えたのでした。
(ミュージアムスタッフ S)
津島遺跡調査の拠点「発掘調査事務所」(南から)
