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高温・乾燥に対する園芸作物等の技術対策の徹底
7月8日の梅雨明け(速報値)以降、気温が高く降水量の少ない状態が続いています。 広島地方気象台が発表した中国地方の1か月予報(7月23日発表)によると、平年と比べて晴れの日が多く、平均気温は高い確率が70%、降水量は少ない確率が40%、平年並み又は多い確率がともに30%となっています。また、気象庁の2週間気温予報(7月29日時点)によると、かなり高い日が多くなっており、今後も高温・乾燥が続くことが予想されています。
つきましては、今後の気象情報に十分注意するとともに、次の対策を参考に地域の実態に応じた技術管理をしてください。
1 果 樹
- 高温乾燥対策(全種類共通)
・水分競合や蒸散による水分消費をできるだけ少なくするため、原則として園内の雑草は刈り取り、敷草とする。ただし、過度な高温、乾燥でかん水が十分実施できない場合は、除草を控えて地温の上昇を抑える。
・地温の上昇と地表面からの蒸発を防ぐため、敷わら(敷草)を行う。わら等のマルチ材料が十分確保できない場合は、株元近くの根の多い部分を重点に行う。
・かん水施設のある園地では、5~7日間隔で20~30mm程度のかん水を、早朝か夕方の気温の低い時間帯に行う。なお、傾斜地や清耕状態の園地では一度に大量のかん水を行うと表面流去が多く効果が劣るので、1回当たりのかん水量を少なくし、かん水間隔を短くする。
・水量が十分でない場合は、主幹の周囲を中心に局部かん水とする。
- もも
・成熟期に達した果実は、高温下では成熟の遅延、果肉障害、果肉先熟や過熟を生じやすいので、適期収穫に努める。
・極端な乾燥時に大量のかん水を行うと果肉障害等の発生が懸念されるため、1回当たりのかん水量を少なくし、かん水間隔を短くする。
・早期落葉を防止するため、ハダニ類、モモサビダニ等の防除を徹底する。
- ぶどう・温室ぶどう
・成熟期に達した果実は、高温下では果肉の軟化や日持ちの低下を生じやすいので、速やかに収穫する。
・簡易被覆栽培では被覆資材を除去して、着色を促進させる。ただし、葉焼けを防ぐため、被覆の除去は日中の高温時を避け、曇天日か気温の下がった夕方に行う。
・果房周辺に葉が少ない若木や弱勢樹では副梢葉を多めに残し、樹冠外周の直射光が当たりやすい果房にはかさ掛けを行い、日焼けや萎縮を防止する。
・土壌が乾燥する場合は、定期的にかん水を行い果肉の軟化や日持ちの低下を軽減する。極端な乾燥時に大量のかん水を行うと裂果の発生が懸念されるため、1回当たりのかん水量を少なくし、かん水間隔を短くする。
・高温時には着色が遅れやすいので食味を確認して出荷し、収穫遅れに注意する。
・早期落葉を防止するため、ハダニ類等の防除を徹底する。
- なし
・成熟期に達した果実は、高温下では日持ちの低下が生じやすいので、速やかに収穫する。
・「新高」等では、夏季に高温乾燥状態が続くと煮え果が発生しやすいので、早い段階から計画的にかん水を行う。
・早期落葉を防ぐため、ハダニ類、グンバイムシ類等の防除を徹底する。
2 野 菜
- 夏秋トマト
・敷わら等をして土壌の乾燥と地温の上昇を防ぐ。
・ハウス妻面のビニルを除いて通風を向上させ、ハウス内の温度と湿度を下げる。
・日射が急激に強くなると、蒸散量の増加による茎葉の萎れや尻腐果などの生理障害が発生しやすくなるので、生育ステージに応じたかん水管理に努める。
・かん水過多による根傷みが心配される場合は、1回当たりのかん水量は少なくして、かん水間隔を短くする。
・不良果は早めに摘除する。
・尻腐果の発生が予想される場合は、開花している花房とその上の花房の周辺葉に塩化カルシウムの200倍(0.5%)液を葉裏に向けて葉面散布する。
・盛夏時のホルモン処理(トマトトーン150倍)は、早朝の涼しい時間帯に処理する。草勢が強く空洞果の発生が心配される場合は、トマトトーンにジベレリンを5~10ppmになるように加用する。
・マルハナバチを利用している場合は、巣箱が32℃以上になると活動が低下するので、寒冷紗等で遮光する。
・高温(開花6~10日前のハウス内の平均気温28℃以上)になると稔性花粉量が低下するので、マルハナバチを利用している場合でも、トマトトーンを処理し、着果を確実にする。
・果実収穫後に25℃以上の高温や強い直射日光に当たると黄変果になりやすいので、果実温度の低い時間に収穫するとともに、出荷調整は涼しい場所で行い、直ちに予冷する。
・コナジラミ類、トマトキバガ、オオタバコガ等の防除を徹底する。
- 夏秋きゅうり
・敷わら等をトマトに準じて行う。ポリマルチをしている場合はマルチの上に行う。
・日中に葉の萎れがみられる場合は、敷わら等を厚くして地温の上昇を防ぐとともに日射量や生育ステージに応じたかん水管理に努める。
・草勢が弱い場合は、不良な幼果等を摘除し、液肥を施用して草勢の低下を防ぐ。
・ハダニ類、アブラムシ類、アザミウマ類、炭疽病、褐斑病等の防除を徹底する。
- 夏秋なす
・敷わら等をトマトに準じて行う。ポリマルチをしている場合はマルチの上に行う。
・不良果は、早めに摘除する。
・日射量や生育ステージに応じたかん水管理に努め、特に降水量が少ない場合はかん水不足に注意する。また、できるだけ地温の低い時間帯にかん水する。
・ハダニ類、アザミウマ類、オオタバコガ等の防除を徹底する。
- アスパラガス
・たい肥マルチを十分に行い、土壌水分を保つ。
・日射量や生育ステージに応じたかん水管理に努めるとともに、できるだけ地温の低い時間帯にかん水する。
・アザミウマ類、カメムシ類、ハスモンヨトウ、褐斑病等の防除を徹底する。
- いちご
・寒冷紗による遮光などの昇温抑制対策を行う。特に、ポット育苗のランナー切り離し後などは、萎れが発生しやすいので注意する。
・育苗中は気温の低い午前中を中心にかん水する。徒長や根傷み防止のため、日没頃には過剰な水分が残らないようにする。
・かん水回数が多くなることにより、肥料切れが平年より早くなることが予想されるので、葉面散布剤等で調整する。
・炭疽病等の防除を徹底し、発病株は早急に持ち出して処分する。
- キャベツ、はくさい、レタス、ブロッコリー
・育苗中は、施設を寒冷紗で遮光し、気温の低い午前中を中心にかん水する。セル成型苗等では、かん水不足やかん水ムラに注意するとともに、徒長や根傷み防止のため日没頃には過剰な水分が残らないようにする。
・本ぽの土壌が乾燥している場合は、散水等により土壌水分を適湿にした上で、耕うん、施肥、マルチ、定植を行う。
・ハイマダラノメイガ、キスジノミハムシ、コナガは高温、乾燥で多発しやすいので、防除を徹底する。
3 花 き
- 露地花き(しゃくやく、フォックスフェイス、花とうがらし等)
・敷わら等を行い、土壌の乾燥と地温の上昇を防ぐ。
・降雨がない場合は、なるべく気温が低い時間帯に畝間かん水を行うが、長時間の滞水は避ける。
・短時間の集中した降雨では、畝内に水分が浸透しない場合があるので注意する。
・必要に応じて寒冷紗等で遮光を行い、植物の表面温度の上昇を防ぐ。
・オオタバコガ、ハダニ類、アザミウマ類等が発生しやすいので、防除を徹底する。
- 施設花き(トルコギキョウ等)
・定植時から生育初期までと花芽の分化、発達期の植物には、十分かん水するように努める。また、かん水は日中を避けて行う。
・施設の妻、サイド、天窓等を開放して換気を行い、必要に応じて寒冷紗等で遮光を行い室温を調節する。
・オオタバコガ、ハダニ類、アザミウマ類等が発生しやすいので、防除を徹底する。
4 畜産・飼料作物
- 大家畜(乳牛・肉用牛)
・気温の上昇とともに採食量が減少し、乳牛では泌乳量の減少、乳成分の低下、肥育牛では増体量の低下が起こる。このため牛舎の防暑、牛体からの熱放散、飼料給与の改善など総合的な対策を行う。
・牛舎の防暑…直射日光の遮断(寒冷紗)、屋根散水、断熱材の利用、白色塗装(屋根)等の対策を講じる。
・換気と体熱の放散…換気扇、送風機を使用し、牛体送風や牛舎内の乾燥に努める。また、すべての牛に送風できているか送風機の向き等を点検する。乳牛に対する牛体送風については、夜間~早朝にも行うと効果が高い。
・飼料給与……高品質で消化の良い粗飼料やエネルギー濃度の高い飼料を、少量ずつ回数を増やして給与する。併せてミネラル、ビタミンの補給に努める。
・新鮮な水の給与…牛がまんべんなく新鮮で清潔な水が十分飲めているか、ウオーターカップ等を点検、清掃する。また、冷水の給与も効果がある。
・環境整備……牛舎周辺の除草や排水溝の整備を行い、衛生害虫の駆除に努める。
- 豚
・豚は体温調節機能が劣っているので、高温になるとストレスから受胎率が低くなったり、肥育豚では採食量の減少により、増体量が低下するため、畜舎環境の整備と防暑を行う。
・豚舎の防暑は牛舎と同じであるが、豚舎をできるだけ開放し通風乾燥に努める。
・肥育豚は飼育密度を少なくする。
・糞尿をこまめに搬出する。
- 鶏
・気温が上昇すると採卵鶏では産卵率や卵重の低下、ブロイラーでは増体量の低下が起こるので鶏の体調管理を適切にする。
・鶏舎に断熱材の使用、人工庇陰により輻射熱を遮断する。
・鶏体送風(0.5m/s)により体温の上昇を軽減する。
・新鮮で冷たい水を給与する。
- 飼料作物
- トウモロコシ
・トウモロコシはソルガムに比べ耐干性が弱く、干ばつが続くと下葉の枯れ上がりや収量の低下が予想されるので、転作田やかん水施設のある畑では可能な限りかん水を行う。
・サイレージ用としての収穫適期は黄熟期であるが、収穫期に近いもの及び干害により萎れて生育の回復が困難と判断されるものについては早目に収穫し、利用する。
- ソルガム
・干ばつが厳しいと下葉の枯れ上がりや収量の低下が予想されるので、転作田やかん水施設のある畑ではかん水を行う。
・一番草の刈取りは地上10cm程度とし、二番草の再生を促す。
・幼植物には青酸含量が多いため、草丈60cm以下のものは利用しない。
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農作業中の熱中症に注意 |
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夏場等の暑熱環境下での農作業は、熱中症(熱射病、熱けいれん、熱まひ)を生じる恐れがあるので、次の事項に注意してください。
・日中の気温の高い時間帯を外して作業を行うとともに、休憩をこまめにとり、 作業時間を短くする等、作業時間の工夫を行う。水分をこまめに摂取し、汗で失われた水分を十分に補給する。気温が著しく高くなりやすいハウス等の施設内での作業中については、特に気を付ける。 ・帽子の着用や、汗を発散しやすい服装をする。作業場所には日よけを設ける等、できるだけ日陰で作業するように努める。 ・屋内では遮光や断熱材の施工等により、作業施設内の温度が著しく上がらないようにするとともに、風通しをよくし、室内の換気に努める。作業施設内に熱源がある場合には、熱源と作業者との間隔を空けるか断熱材で隔離し、加熱された空気は屋外に排気する。 |
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岡山県農林水産部農産課HP:農作業中の熱中症に注意!
https://www.pref.okayama.jp/page/788113.html
高温・乾燥に対する園芸作物等の技術対策の徹底 [PDFファイル/258KB]
