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「こんな家庭を持ちたい」と思う感情が自分にあることに気づけた
家族を持つ選択肢について考えたことがなかったSさんが、子どもが3人いるYさんご家族へ子育て家庭留学した体験レポートです。
参加者:Sさん(25歳)|財団法人勤務(当時)
受け入れ家庭:Yさんご家族(ご夫婦+6歳の長男、4歳の次男、1歳の長女)
■ 子育て家庭留学に参加した理由や期待
25歳になり、周りで結婚・出産・転職という人が増えてきて、生き方全般についてそろそろ考えたいと思っていました。仕事について考える機会はあるものの、家族を持つという選択肢について考えたことがなく、そうした中で、子育て家庭留学の機会を知り、参加しました。
参加にあたっては、結婚・出産を決めた経緯や決め手、夫婦関係でお互いに大切にしていること、仕事と育児の両立で大変なことなど、さまざまお話を伺いたいと思っていました。
■ 初めて“他の家族”に触れて
当日は、14時に集合して自宅にお伺いしました。17時までずっと喋っていたように思います。雑談から話を振ってもらって、あっという間の2~3時間でした。
お伺いしたい質問を事前のメールでお伝えしていて、ご夫婦が事前に回答を考えてくださっていたとのこと。リビングに入ってすぐお茶を出していただいてから、質問への回答を中心に、ノンストップで話していました。
ご夫婦とお話している間は、子どもたちは抱っこされたり、動画を見たり、自由に過ごしていました。1歳のお子さんは見てるだけでも可愛いと感じました。
印象的だったのは、飽きてきた子どもたちが「外に出たい!」となった時でした。ご夫婦が「いいよ、行っておいで」と言って、子どもたちが家の庭で水遊びを始めたのを見て、自由に遊ばせてあげられるのはいいなと思いました。
子育てのイメージは「あれもしなくちゃこれもしなくちゃ」という不安や叱責が多いと思っていたのですが、ああやって自由に遊んでいる子どもたちを見ていると、自分も子育てをするなら自由にのびのびできる環境を作ってあげられたらいいなと思いました。
■ 体験後、自分の中の変化
~条件だけではない、結婚の決め手~
「結婚や出産はひとりじゃできない、だからパートナーとの話し合いが大切」「この人となら話し合いができると思ったから、結婚した」といった話が印象的でした。なんとなくこの人と結婚する感じがしたと聞いて、条件とかそういう話ではないんだと思いました。
周りが婚活を始めていて、アプリなどで年齢や年収・身長という可視化できる条件で判断しているケースもあると思います。Yさんは「そういうのも試したがうまくいかなかった」とおっしゃっていて、そのようなケースを知れたのが面白かったです。
~「家庭」に対する解像度が高まった~
私自身は、結婚願望は強くありません。子どもについても、「絶対子どもが欲しい」とは思っていなくて、タイミングがあればという感じです。それがなぜかはわからないですが、子どもを自分が育てられるのかという不安もずっとあります。結婚・出産というのは人よりも前向きではないかもしれません。
独身でバリバリ仕事をしているお姉さんに憧れるタイプですが、結婚せずに生きていくと宣言するタイプでもないかなと思っています。色んな選択肢は残しつつも、「結婚したいから婚活します」という人間でもありません。理想の家庭のイメージがない。イメージできないだけだと思うのですが、そうしたことも今回参加するきっかけでした。
今回の留学を通して、ちょっとずつ「家庭」に対する解像度が高まったように思います。「家庭」というものについて、自分が知っている例ではない、他の家庭の様子が見られたのが良かったです。シンプルに素敵な家庭だと思いました。「こうなりたいな」と思う感情が自分にあるのが、気づきでした。
もしかしたら「私には無理だな、だから私は仕事をやります」と思っていた部分があるのかもと気づきました。将来、自分が家庭を持ちたいって思ったら、ああいう理想の形があると知れたことで、自分の今後の選択肢が広がったと思います。
