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子育てを見て、学んで、自分の考えが変わった
結婚や子育てには漠然とした関心があり、子育て家庭の日常を知りたいと思ったBさんが、Mさんご家族へ子育て家庭留学した体験レポートです。
参加者:Bさん(20歳)|岡山大学文学部3年(当時)
受け入れ家庭:Mさんご家族(ご夫婦+1歳の長男)
■ 子育て家庭留学に参加した理由や期待
大学では哲学を学んでいます。結婚や子育てに対して漠然とした関心があり、実際に子育てをしている家庭がどのような日常を送っているのかを知りたくて参加しました。
人がポジティブに生き、幸せに育つためには、子育てが深く関わっているのではないかと考えています。もちろん、外部環境も影響はありますが、その土台となるのはやはり家庭環境だと考えています。
また、この体験を通して、自分が幼かった頃に親がどんな思いで育ててくれていたのかを想像するきっかけにもしたかったです。子どもとの接し方や夫婦の関係性にも関心があり、そうした部分も知りたいと考えていました。
■ 初めて“他の家族”に触れて
当日は駅で待ち合わせた後、Mさんご家族が毎週通っているという「ふれあいセンター」に一緒に行きました。そこではボールプール、手芸コーナー、バルーンアートなどの室内イベントを体験。その後、ご自宅に伺い、お子さんと遊び、スーパーで一緒に買い物をしてから解散という流れでした。
お子さんがお昼寝をしている間には、ご夫婦とゆっくり話す時間もありました。
実際に一緒に過ごす中で、子どもへの接し方や夫婦のやり取りなど、目で見て感じられることがたくさんありました。Mさんご夫婦の子どもとの関わり方を見て、自分の母親と重なる部分もあり、「こんな両親だったら、きっと楽しいだろうな」と思いました。
たとえば、「子どもは家にいたい、でも大人は買い物に行きたい」という場面で、ご両親が庭で水やりを始めて子どもの興味を引き、その流れで自然に外出へ誘導していたのがとても印象的でした。子どもに無理をさせず、親の都合に合わせさせるのではなく、子どもの気持ちを尊重して行動しているのが伝わってきました。
■ 体験後、自分の中の変化
~体験を通しての気づき~
ふれあいセンターでは、さまざまな家庭に出会いました。意外とお父さんの参加が多いことに驚きましたし、少子化とは言うものの、思っていたよりも子どもの数は多いと感じました。
また、ベビーカーを押したり、お子さんを抱っこさせてもらったりする中で、「子どもって、こんなに重いんだ」と、体感として気づけたことも印象的でした。
~主体性を育てる子育ての姿勢~
Mさんご夫婦は、「子どもの主体性を伸ばす」ことを大切にされていました。たとえば、何度も同じことをやりたがれば満足するまでやらせる、本当に危ない状況でない限り見守る、子どもが自分でできるようになるまで手を出さない、などのスタンスです。
食事やおやつのときの声かけや対応の仕方など、一つ一つのやりとりからも、学べることがたくさんありました。質問するよりも、実際に見て、学ぶことの方が多かったです。
~机上ではなく、実際に見て学ぶことの大切さ~
この家庭留学を体験して、自分の考え方は大きく変わりました。
体験前は、子どもを持つことへの責任など、ネガティブな印象も持っていました。でも、Mさんご家族のように、試行錯誤しながらも子育てを楽しんでいる姿を見て、「頭の中で考えるだけでは意味がない」と実感しました。
これから就職活動が始まりますが、将来は家族との時間をしっかり持てるような働き方を選びたい、そう考えるようになりました。

