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「結婚なんてしなくていい」から「してもいいかも」へ
「結婚しなくても良いかな」と考えていたAさんが、子どもが3人いるSさんご家族宅へ子育て家庭留学した体験レポートです。
参加者:Aさん(24歳)|岡山大学大学院 ヘルスシステム統合科学研究科 2年生(当時)
受け入れ家庭:Sさんご家族(ご夫婦+3歳の長男、1歳の双子)
■ 子育て家庭留学に参加した理由や期待
結婚しなくても良いかな、と考えていましたが、将来、決断すべき時が来たときに参考になると思い、このプログラムに参加しました。
両親しか家庭のロールモデルがいなかったこともあり、家庭を持つことについて現実的なイメージがありませんでした。友人たちの中には「一人で良くない?」という人も多く、結婚に対しては「自分の時間が無くなる」「経済的に不安」といったデメリットが語られがちでした。自分自身、一人暮らしに慣れてしまっていて、正直そこに居心地の良さも感じています。
ちょうど今の自分が、両親が結婚した年齢ということもあって、自分の目から見て結婚観がどう変わるかにも興味がありました。
■ 初めての“他の家族”に触れて
当日は、朝10時から15時までお邪魔しました。
最初は「子育てって大変そうだな」と思っていたのですが、子どもたちに接してみると、 しっかりしてるなという印象を持ちました。3歳のお子さんが表現豊かで、人見知りもせずにたくさん話しかけてくれて、乗り物が好きでいろいろと教えてくれました。
普段、小さい子どもと接することはまったくなくて、公園で子どもを見かける程度です。親戚の中でも自分が最年少なので、小さな子どもと触れ合うのは新鮮でした。
1歳の双子がいる中で、3人のお子さんを二人で見るのは、正直パワー的に大変だと思いました。ただ、ご夫婦ともに医師という忙しい仕事をしながらも協力して子育てをしている姿を見て、「自分が会社員になったときには、制度によってもっと子育てに参加しやすくなるかもしれない」と思いました。そして、制度だけでなく、職場の理解がとても大切なんだと感じました。
■ 自分の中の変化
~いつまでも仲良く~
結婚に対する不安も、軽くなりました。ご夫婦の関係性を見ていると、協力して生活していて、「仲良くし続けることってできるんだな」と思えました。
自分の両親しか夫婦像を知らず、父は単身赴任が多かったので、他の家族の形があることを知れてよかったです。
~子どもの可愛さに気づく、新たな不安も~
子どもを持ちたい気持ちについては、不安が払拭された部分もありますが、新しく出てきた不安もあって、差し引きゼロという感じでした。
特に、子どもと触れ合ったことがほとんどなかったので、「自分は子どもに愛情を持って接することができるのか?」という不安がありました。でも実際に関わってみて、「愛情を持てる自分がいる」と気づけました。
一方で、1歳の双子が交互に起きてしまって、なかなか寝かしつけられないという話を聞いて、「本当にこれ、できるのかな?」というリアルな不安も感じました。
~ライフプランを見直そう!~
この体験を通して、自分のライフプランを見直そうと思いました。
参加前は「僕は一人で暮らしていく」と高校生くらいからずっと言っていました。でも、それをかたくなに思わなくてもいいかなと思えるようになりました。Sさんご夫婦のように、お互いに手を取り合って助け合う姿は良いなと思いましたし、結婚に対してこれまでと違った見方ができるようになった気がします。

