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腸管出血性大腸菌感染症について

印刷ページ表示 ページ番号:0825550 2024年4月5日更新感染症情報センター

岡山県 腸管出血性大腸菌感染症発生状況

岡山県の腸管出血性大腸菌感染症発生状況をお知らせしています。

腸管出血性大腸菌感染症は、通常の食中毒対策を実施することで予防可能です。ただし、少量の菌量でも感染、発症しますので、患者の便やおむつの取り扱いには注意し、家庭での二次感染にも気をつけて下さい。


 

 腸管出血性大腸菌感染症は、O157をはじめとするベロ毒素産生性の腸管出血性大腸菌(EHEC)で汚染された食物などを経口摂取することによっておこる感染症です。症状は、無症候性から軽度の下痢、激しい腹痛、頻回の水様便、さらに、著しい血便とともに重い合併症を起こし死に至るものまで、様々です。
 多くの場合、3~5日の潜伏期をおいて、激しい腹痛をともなう頻回の水様便の後に、血便となります(出血性大腸炎)。発熱は軽度で、多くは37℃台です。血便の初期には血液の混入は少量ですが、次第に増加し、便成分の少ない血液そのものという状態になります。有症者の6~7%が溶血性尿毒症症候群(HUS)、または脳症などの重症な合併症を発症し、死に至ることもあります。特に、若齢者、高齢者および抵抗力が弱いハイリスク・グループで重症化しやすいので、注意が必要です。

o157電顕写真
O157電子顕微鏡写真
(写真提供:国立感染症研究所)

疫学

 1982年に米国でハンバーガーを原因とする集団食中毒事例が発生し、その原因菌として腸管出血性大腸菌O157が分離されました。
 我が国では、1990年に幼稚園の井戸水を原因としたO157集団発生事件で注目されました。その後、1996年には、5月に岡山県の小学校でO157による集団発生事例、7月には大阪府堺市での集団発生事例、さらに全国で発生が起こり多数の患者が出ました。1997年以降、集団事例の報告数は減りましたが、散発事例は依然として発生しており、近年の年間届出数は3,000~4,000人程度で、ほぼ横ばい状態となっています。
 

症状

 臨床症状の一般的な特徴は、腹痛、水様性下痢および血便です。嘔吐や38℃台の高熱を伴うこともあります。重症例ではHUSを引き起こすことがあり、さらに小児や高齢者では痙攣昏睡・脳症などによって死に至ることもあります。

予防法

岡山県では、県庁 健康推進課・生活衛生課及び保健所が腸管出血性大腸菌食中毒の予防対策とその普及啓発を行っています。

  1. 調理前、食事前、排便後、動物を触った後等は手をよく洗いましょう。
  2. 台所は清潔に保ち、まな板、ふきん等の調理器具は十分に洗浄消毒しましょう。
  3. 生鮮食品や調理後の食品を保存するときは、冷蔵庫(10℃以下)で保管し、早めに食べましょう。
  4. 食肉など加熱して食べる食品は、中心部まで火を通すとともに、焼き肉などの際は、生肉を扱うはしと食べるはしを別々にしましょう。
  5. 乳幼児や高齢者等、抵抗力の弱い人は、生や加熱不十分な肉を食べないようにしましょう。
  6. 二次感染を防止するため、患者の便に触れた場合は、手をよく洗い消毒しましょう。
  7. 患者が入浴をする場合は、シャワーのみにするか、最後に入浴するなどしましょう。
  8. 患児が家庭用ビニールプールで水浴びをする場合、他の幼児とは一緒に入らないようにしましょう。
  9. なお、患者が衛生に配慮すれば、二次感染は防止できますので、外出の制限等は必要ありません。

ももっち手洗い

関連リンク

 

感染症法での取り扱い

腸管出血性大腸菌感染症は3類感染症に分類され、診断した医師は直ちに最寄りの保健所に届け出ることとされています。