本文
平成25年2月掲載
友人と雑誌のクーポン券でエステの無料体験をしようと店に出向いたところ、高額なエステコースと化粧品等を強く勧められ、断り切れず契約をした。その後も次々と契約をさせられ、3か月間に約100万円の契約をしたが、効果もなく解約したい。大量の未開封の商品は引き取ってもらえるだろうか。(20歳代:女性)
クーポン券の配布により無料体験サービス等の特典を強調して、消費者を店舗に誘引した上で、複数の販売員が取り囲むなど、断ることが困難な状況の下に高額のエステコースや化粧品、健康食品、宝飾品等の購入を執拗に勧めるという、悪質なエステ業者によるトラブルの相談が多数寄せられています。
エステサービスは、特定商取引法に基づく「特定継続的役務提供取引」に該当し、サービスの提供期間が1か月を超え、かつ、支払金額が5万円を超える場合は、契約書面を受け取ってから8日以内であれば、クーリング・オフによる無条件解約ができます。
また、クーリング・オフ期間を経過してしまった後でも中途解約することができます。ただし、2万円を上限とした違約金や、中途解約までに受けたサービスの対価に相当する金額については、消費者が負担することになります。サービスの契約が解約された場合は、サービスを受けるために必要であるとして購入した化粧品など関連商品の契約も解約できますが、商品を使用したときには、一定の損害を負担することが求められます。相談事例では、中途解約はもちろんのこと、未開封の商品は、強く開封を勧めるなどの問題のあった開封済み商品と併せて業者に引き取ってもらいました。
エステサービスは長期間にわたる契約であり、施術中に次々と新たな契約を勧められる可能性があります。無料やお試しと言った言葉に惑わされず、事前に評判、経営状況など十分に情報を収集して、信頼できる業者を選ぶことが重要です。
トラブルが生じたら居住地の消費者生活相談窓口に相談してください。