懐かしいレトロ車両を探しに。

時代の流れとともに姿を消す鉄道車両たち。
古き良き時代を走り、今も残る懐かしい車両を紹介する。
そんな車両に乗ってそっと耳をすませば、レールを走る音が聞こえてきそう。

現役の鉄道にはない魅力あるフォルム

公園や施設などの一角で鉄道車両を見かけることがある。展示された、懐かしい姿の廃線車両だ。飛び出したヘッドライト、外装に打ち込まれたいくつものリベット。むき出しになっている配管…。それは古いというより「レトロ」という言葉が当てはまる姿だ。今は現役生活を終え、憩いの場でくつろいでいるかのよう。地元の保存会によって整備保存され、定期的に公開されたり、オブジェとして公園に展示されたりなど、引退して月日が経った今も姿を見ることができる鉄道車両が、岡山にも残っている。ここでは、そんな身近にある、「見たり」「乗ったり」「触れたり」できる「レトロ車両」を紹介。人々の思い出とともに静かに眠るレトロ車両を見に行けば、新たな発見ができるはずだ。

井笠鉄道

今もユニークな車両が残る

1913年、井原〜笠岡間19.4kmの路線から運転を開始し、沿線の人々に愛されながら、約58年間の歴史を刻んだ鉄道。廃線後、旧新山駅舎を活用し、活躍した機関車、木造の客車、貨物車を展示した「井笠鉄道記念館」がオープン。館内には、当時の切符、備品や往時の写真などが所狭しと並び、ローカル鉄道の軌跡をたどることができる。

コッペル1号(機関車)

1913年に製造されたドイツ製の機関車。外観は老朽化しているものの、運転席は乗車可能で当時のままのバルブやハンドルが残っている

展示場所
井笠鉄道記念館MAP:P46_D-4
笠岡市山口1457-8 TEL_0865-65-2218
開館_9:00〜17:00 休み_水曜 料金_無料
交通_山陽自動車道・笠岡ICから約5km

ホジ101(気動車)

床下のディーゼルエンジンは、さびてはいるものの状態はいい。オープンデッキの客車「ホハ8」と連結され保存されている

展示場所
経ヶ丸(きょうがまる)
グリーンパーク
MAP:P46_E-4
井原市笹賀町1682-1 TEL_0866-67-3511
交通_山陽自動車道・笠岡ICから約40分

ホジ9(気動車)

前後の荷台がオシャレな車両。乗車可能で客席や運転席にも座れる。再塗装され、保存状態は良好だ

展示場所
笠岡市交通公園MAP:P46_E-5
交通_JR山陽本線・笠岡駅から徒歩約5分
国道2号・西ノ浜東交差点横

下津井電鉄

港町のかわいい電車

倉敷市茶屋町から瀬戸内海に面した下津井までの21kmを走っていた鉄道。今もなお、旧下津井駅の跡地には、「下津井みなと電車保存会」の維持活動により車両11台が車庫に保存されている。オープンデッキ付きでメルヘン調なデザインの「メリーベル号」や「モハ103」、「クハ24」など、これぞレトロ!というにふさわしい車両がずらりと並ぶ。

下津井駅跡地にはプラットホームが残る。眺めていると線路を走る音が聞こえてきそうだ

車庫に保存されている車両。まるで、いつか走る日を夢見て休んでいるかのよう

荒れ果てた構内を整備し線路を延長。保存会メンバーの車両にかける思いは熱い

展示場所
下津井電鉄旧下津井駅跡地MAP:P46_C-5
倉敷市下津井4丁目付近
下津井電鉄株式会社 http://www.shimoden.co.jp/
下津井みなと電車保存会 http://shimoden.fc2web.com/

西大寺鉄道

歴史的希少価値の気動車

かつて、岡山市中心部にある岡山後楽園と、はだか祭りで知られる西大寺の11.5kmを結んでいた路線。その気動車として唯一現存しているのが「キハ7」だ。昭和11年から閉業の昭和37年まで活躍。特徴は、丸みを帯びた形と前後の荷物を載せるデッキ。また、静態保存のこの車両は、2004年「産業考古学会」から推薦産業遺産に認定されており、希少価値も高い。

車両横には、当時のポイント切換機が残る

歩道脇に展示された「キハ7」。レトロなカラーリングで流線型のボディが印象的だ

車内は整備され再塗装されている。シートに座って眺めれば、懐かしい光景がよみがえりそう

展示場所
両備バス西大寺バスセンターMAP:P46_B-4
岡山市東区西大寺上1-1-50
http://keben.100th.jp/

玉野市電

海を渡り里帰りした電車

フェリー乗り場で知られる玉野市宇野から、玉遊園地前までの4.7kmを結んでいた玉野市営の鉄道。かつて、その路線で活躍したのが「モハ103」だ。後に香川県の琴平電鉄へ売却され運行し、現役を引退した2006年、「玉野市電保存会」によって里帰りを果たした。現在は、保健福祉施設の敷地内で静態保存されている。定期的に一般公開され、車内も開放される。

クリーム色に茶色のシックな色合いがレトロ感をいっそう引き立てる

里帰りに合わせて造られた木製の車庫。車両は大切に保管されている

当時、市電のホームは木造が多かったという。車両公開時には、ここから乗車できる

展示場所
すこやかセンターMAP:P46_C-5
玉野市奥玉1-18-5
玉野市電保存会 http://homepage2.nifty.com/tamanosiden/