知っていたら、ちょっと楽しいポイントを紹介
倉敷美観地区をゆっくりじっくり歩きつくそう。
MAP:P46_C-4
洋風建築の倉敷館(写真中央)と倉敷考古館(写真右奥)にはさまれた中橋(写真右端)が撮影ポイントの一つ


「ヨーロッパの窓から日本が見える」と称された、大原美術館の窓
 
大原美術館本館の正面に立つ「カレーの市民」像は、ロダンのサイン入り
 
今橋の欄干に彫られた龍のうち、川側は面彫り(写真上)、通路側は線彫り。線彫りの龍は珍しい正面向き、5本指(写真下)
 
倉敷川を泳ぐ白鳥「ゆめ」と「そら」
  倉敷のまちに流れる歴史と、
人々の暮らしを感じる


散策のスタートは、日本初の私立西洋美術館「大原美術館」から。実業家、大原孫三郎氏が設立したこの美術館は、世界的名画を所蔵していることで知られる。ここから倉敷川に架かる「今橋」を渡れば、大原家旧別邸「有隣荘」につながるのだが、この橋は大正15年、昭和天皇(当時は皇太子)をお迎えするために、約1カ月間の突貫工事で改修されたもの。欄干に彫られた龍は、画家、児島虎次郎のデザインだ。

有隣荘の美しい瓦を眺めながら川沿いを歩くと、やがて「倉敷考古館」に行き着く。展示物のほか、ここは外観の美しさでも有名だ。倉敷考古館の壁に使われている「なまこ壁」は、張り瓦の間の目地を、なまこのような形に盛ったしっくいでとめることから名づけられた工法。美観地区にある建物の特徴の一つだ。倉敷考古館の前には、大きな一枚岩でできた「中橋」が。ここから対岸に渡れば、美観地区の観光情報の発信地であり、休憩所も兼ねた「倉敷館」がある。倉敷館から南に向かうと「倉敷民藝館」や「日本郷土玩具館」があり、暮らしの中で愛用されてきた品や、郷土玩具に触れることができる。    
独特の製法で焼かれた有隣荘の瓦。見る角度によって、緑色に光る
   
有隣荘の壁の厚いチーク材は石の形に合わせて加工
   
日本郷土玩具館のショーウィンドウに飾られた桃太郎の人形
   
倉敷考古館は、側面の壁にも注目
一つひとつ口吹きで製作される「倉敷ガラス」。倉敷民藝館の売店で購入できる(写真左) もみ殻を入れた芯に、草木で染めた木綿糸でかがって作る「倉敷てまり」(写真左)




町家が立ち並ぶ、本町・東町通り。昔ながらの店と、カフェなどの新たな店が混在

倉敷川沿いから離れ本町・東町エリアに進むと、昔ながらのまち並みが広がっている。長い親竪子(たてご)の間に、細く短い子が3本入る「倉敷格子」や、腰壁の一種である「下見板張」、2階部分の天井が低い「厨子(つし)二階造り」など、倉敷の町家の特徴を持つ建物が多く見られ、人々の暮らしが垣間見える。
また、シャッターや郵便受け、消火器入れに木製のものを使うなど、各家庭や店がまちの景観に配慮している。それらの努力が奏功し、最近では落ち着いた雰囲気を醸し出すまち並みや町家の風情にひかれ、若き店主たちがカフェや雑貨店などを次々にオープン。倉敷のまちに流れる歴史と文化を受け継ぎながら、そこに現代的なエッセンスを加え、まちに新たな彩りを添えている。美観地区散策の楽しみが、また一つ増えた。(P.29イラストマップ参照)


           

中国銀行倉敷本町出張所のステンドグラス
 
倉敷の町家の特徴の一つである「倉敷格子」
 
まち並みの景観に配慮された、木製の郵便受け
 
三つ巴と連珠文(円
形模様)が刻まれた丸瓦は、美観地区でよく見られる
 
犬や泥棒の侵入、泥はねなどを防ぐ「犬矢来」
           

「本町御坂の家」は
町家の暮らしを宿泊
体験できるように、NPO法人「倉敷町家トラスト」が古い
町家を再生したもの
 
「ひやさい」と呼ばれる細い路地
   
造り酒屋の軒先に吊るされた杉玉
   
倉敷アイビースクエ
アの壁。明治22年の建築当初のレンガと新しいレンガがある
 
倉敷アイビースクエアのツタは、工場を暑さから守るために植えられた




常設展のカゴ。初代館長の外村氏は、手に取って来館者に
その特徴を説明していたという
    倉敷民藝館
江戸時代後期の米蔵を利用して建てられた民芸館。所蔵する民芸品は約1万5千点にものぼり、そのほとんどは、初代館長である外村吉之介氏が世界各国から集めたものだ。中でも注目は、常設展示されている世界のカゴ。「あっ、欲しい」とつぶやいてしまうような、かわいいフォルムのものが並ぶ。企画展や特別展も随時開催され、インテリアの参考にもなりそう。

インテリアのヒントになりそうな、カワイイ展示がいっぱい
  形がオシャレなフランス製の鳥カゴ(写真右)中庭に続くドアには吹きガラスが入っている。
光の屈折が味わい深い(写真左)

 倉敷市中央1-4-11 TEL:086-422-1637
 営業時間:9:00〜17:00 ※12〜2月は〜16:15
 定休日:月曜 ※祝日の場合は開館
 料金:大人700円、学生400円、小人300円




スタッフがかけてくれる音楽を視聴卓のヘッドフォンで楽しむ
  倉敷公民館・音楽図書室
倉敷公民館の3階にあり無料で音楽鑑賞ができる施設。レコードやCD、LD、DVDなど約2万点の貴重な音源の中から、聴きたいものをリクエストし視聴卓で楽しむ。圧巻は2台の蓄音機。実際に専用レコードをかけて聴かせてくれるので、音のまろやかさ、豊かさを味わおう。楽譜や音楽関連書籍も豊富にそろい、音楽好きには見逃せない好スポットだ。



美観地区を見下ろす静かな空間で、 音楽を楽しむ豊かな時間

大原家寄贈の蓄音機専用のSPレコードが並ぶ「大原コレクション」(左)
蓄音機の太い針が奏でる音を確かめて(右)

倉敷市本町2-21 倉敷公民館3階 TEL:086-423-2135 営業時間:9:00〜17:00
定休日:月曜 ※イベント時など、都合により臨時休室の場合あり 料金:無料



倉敷美観地区散策には、観光ガイドがおすすめ。

会長・難波靖弘さん
倉敷地区ウェルカム観光ガイド TEL:086-425-6039
ボランティアガイドが、美観地区を約1時間30分で案内してくれる。

●料金/無料 ●定期ガイド/9:30発、13:30発 ※10名以下は予約不要
●集合場所/倉敷市観光休憩所 ●休み/月曜(祝日は除く)

   
有料観光ガイド・倉敷案内人 TEL:090-9068-9585
ガイド歴15年以上のベテラン観光ガイドが、楽しくわかりやすく案内。

●料金/5名以下のグループで1500円 ※6名以上は1名につき300円追加
●利用方法/現地で直接申し込み ●集合場所/今橋付近 ●休み/不定休

代表・藤野利明さん




    大原美術館
昭和5年、大原孫三郎氏によって設立。エル・グレコの「受胎告知」やモネの「睡蓮」などの名画がそろう。ほかにも日本の近・現代美術、オリエントや東洋の古美術などのさまざまな作品を収蔵、展示している。
倉敷市中央1-1-15 TEL:086-422-0005
営業時間:9:00〜17:00(最終入館は16:30) 定休日:月曜 ※祝日の場合は開館、夏休み中と10〜11月は無休 料金:大人1300円、大学生800円、高校・中学・小学生500円 ※2011年4月1日以降の料金です。


    倉敷考古館
土蔵を改装し1950年に開館した考古博物館。吉備地方の調査・研究を続け、出土した石器や銅鐸などを展示する。美しい外観は記念撮影スポットとしても人気が高く、観光ポスターなどにもよく登場している。
倉敷市中央1-3-13 TEL:086-422-1542
営業時間:9:00〜17:00(最終入館は16:30) ※12〜2月は〜16:30(最終入館は16:00) 定休日:月曜・火曜 ※祝日の場合は開館 料金:大人400円、学生250円、小人200円


    倉敷アイビースクエア
旧倉敷紡績の工場跡を利用した施設。ホテルや体験工房、ショップなどがある。注目は「倉紡記念館」。原綿倉庫を利用して紡績の機械や模型、写真などを展示しており、繊維産業の歩みを紹介している。
倉敷市本町7-2 TEL:086-422-0011
※アイビースクエア内の各施設の営業時間、休日、入館料などは問い合わせを。


    倉敷館
倉敷町役場として建てられた洋風建築物。現在は観光案内所として、「くらしき川舟流し」のチケット販売などを行う。また、コインロッカーや自動販売機、トイレがあるのでひと息つきたいときにも便利。
倉敷市中央1-4-8 TEL:086-422-0542
営業時間:9:00〜18:00 定休日:なし 料金:無料