備前焼の聖地をゆるり散策
MAP:P46_B-4

JR岡山駅から電車、バスで約40分。
そこは、かの太閤秀吉も愛した備前焼のふる里、伊部。千年の間、煙が絶えないこのまちへ、自分だけのお気に入りを探しに出かけよう。
天津神社(あまつじんじゃ)
天正年間に伊部の地に遷座(せんざ)した神社。本殿は延宝6年(1678年)の建築で、少彦名命(すくなひこなのみこと)と菅原道真が祭られている。境内にはこま犬をはじめ、門、現代備前焼作家の陶印入り陶板をはめ込んだ塀(写真左)、参道など備前焼づくしで、訪れる人を楽しませてくれる


悠久のまちでお気に入りを探して    
備前焼を生み、育て、千年もの間ともに歩んできた伊部のまち。壁や電話ボックス、窯の土台、店先の床にいたるまで備前焼づくしで、いかに生活と密接に結びついているか、うかがい知ることができる。備前焼は水に濡れると鮮やかに発色するため、雨の日の伊部はまた、格別の魅力があるそうだ。駅から5分ほど北に歩けば、江戸時代の風情が残る旧山陽道にあたり、店先には作家たちの自信作がずらりと並んでいる。伊部を象徴する煙突、ゆったり流れる不老(ふろう)川などを眺め、お気に入りと出会うまで、宝探しのようにじっくり楽しみたい。備前焼は良質な陶土を使い、「登り窯」や「平窯」などで長時間、高温でしっかり焼き締めて作られる。厚みがあるため丈夫なうえ、外気温の影響も少ない。そのため水が腐りにくい、花が長持ちするなどといわれる優秀な実用品だ。無釉(むゆう)焼き締め(釉薬を掛けずに焼く)は、土本来の素朴な風合いが魅力だが、使い続けるうちに次第に表面がなめらかに変化する様子もまた、味わい深い。


「衆楽館」本館の備前プレミアムバーガー。爽やかな金柑と、希少な備前牛肉がベストマッチ 伊部駅2階の備前焼伝統産業会館では、毎月展示される季節のテーブルコーディネートが好評。また、作品の購入もできる ご飯や水がおいしくなるといわれれている備前玉。ご飯を炊く際は、米1合につき1個をお釜に入れて


江戸の風情ただよう、「備前焼ストリート」

   
悠久の時を超えて流れる不老川。川床には美しい遊歩道が整備されている
気さくな伊部の人たち。選び方などなんでも丁寧に教えてくれるから、ぜひ相談しよう 作家・窯元の店が立ち並ぶ、旧山陽道の通り。10月第3日曜と、その前日の土曜に開催される「備前焼まつり」は多くの人々でにぎわう
天保3年(1832年)ごろから補修、改修しながら昭和15年まで使われた、唯一原姿をとどめている共同の古窯 伝統をしっかり受け継ぎながら、現代作家により洗練された普段使いの器たち




     
伊部には土ひねり体験教室が数カ所あり、誰でも気軽に備前焼作りにチャレンジできる。手のひらに土の感触を味わいながら、世界でただ一つ、オリジナルの備前焼を作ってみよう。成形した作品は、窯で焼いて後日配送してくれるので、初心者でも安心だ。
自作の備前焼で味わうお茶は、格別の味かも!
問い合わせ:0869-64-1001(備前焼伝統産業会館内「岡山県備前焼陶友会」)