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農作物の冬季管理と低温・降雪対策について

 

農作物の冬季管理と低温・降雪対策について

新見農業普及指導センター

 広島地方気象台が令和元年11月25日に発表した3か月予報によると、平均気温は平年並みまたは高い確率ともに40%、降水量は特に12月が山陽では平年並みまたは高い確率ともに40%、山陰では高い確率が40%と曇りや雨の日が多くなっています。
 これからの時期は低温や降雪、日照不足による農作物への影響が懸念されます。
 つきましては、今後の気象情報に注意するとともに、次の対策を参考に地域の実態に応じた技術指導をお願いします。

冬季管理

(1)水 稲

  • 稲わらは、地力維持のため焼却せず、できるだけ早い時期にすき込んで分解を促す。
  • 土壌の肥沃度を高めるため、堆肥等の有機物を施用するとともに、土壌の化学性に応じてケイ酸資材、含鉄資材、リ ン酸資材等の土づくり資材を施用する。
  • 作土の浅いほ場やち密な盤層が形成されているほ場は、深耕によって十分な有効土層を確保する。
  • 排水不良田で作土及び下層土を乾燥させるには、ディスクプラウ等による反転耕が有効である。

(2)果 樹

  1.  共通
    ・排水不良園では、樹間部や園地周辺に暗きょ、明きょ(排水路)等の排水対策を行う。
    ・乾燥が続く場合は、土づくりを実施した部分を重点にかん水を行い、根の保護とともに土壌水分の保持及び肥料の分解進に努める。
    ・病害虫の越冬を少なくするため、落葉やせん定枝などの処分を徹底する。
    ・軟弱徒長的に生育して落葉時期が遅かった樹は、せん定時期をやや遅らせる。
  2. ぶどう
    ・加温栽培では、燃料節減のため予備保温期間を設ける。但し、保温開始時期は休眠明けとする。
    ・無加温ハウス栽培では、早期に被覆すると発芽後の霜害や低温により生育不良が生じる場合があるので、二重被覆では2月上旬以降、一重被覆では2月中旬以降に被覆する。なお、積雪が心配される地域や最低気温が低い地域では少し遅らせる。

(3)野 菜

  1. 共通
    ・施設内は湿度が高くなりやすく病害が発生しやすいので、温度が確保できる日中には換気に努めるとともに、定期的に薬剤防除を行う。
  2. いちご(施設栽培)
    ・草勢の低下や休眠が発生しやすいので、草丈25~28cm程度を目安に温度管理、電照管理を行い、草勢を維持する。
    ・黄化葉、枯葉、病葉を早めに摘葉するとともに、玉だしを行い、採光をよくする。
    ・最低夜温は5~8℃を確保し、果実品質の低下防止と草勢維持を図る。
  3. たまねぎ
    ・暖冬傾向の場合、べと病の発生が早く、多発が懸念されるので、春先の越年罹病株の抜き取りと早めの薬剤散布を徹底する。

(4)花 き

  1. 共通
    ・施設内は湿度が高くなりやすく病害が発生しやすいので、温度が確保できる日中には換気に努めるとともに、病害予防のための薬剤散布を行う。
    ・各品目の花芽分化~花芽発達時期の温度管理は、切り花品質を大きく左右するため過不足がないように管理を徹底する。
  2. りんどう
    ・残した茎葉が枯れてきたら、株元から除去し、ほ場外で焼却または埋却する。
    ・株整理を行った後、凍害を防ぐためにバーク堆肥や稲わら等でマルチを行う。稲わらを利用する場合は、風で飛ばされないようにフラワーネット等で押さえる。
    ・タヌキ等の害獣がフラワーネットに被害を及ぼす恐れがある場合、稲わら等の押さえ以外のフラワーネットは引き上げておく。降雪時、フラワーネット上に雪が積もるのを防ぐために、各ネットは引き上げた時、ネット間の間隔を開けておく。

(5)飼料作物(イタリアンライグラス・永年牧草)

    ・早播きを行い、過繁茂、軟弱徒長して寒害、雪腐れが心配な場合は、年内に一度刈取をする。
    ・早春(2月下旬~3月上旬、又は雪解け後)に施肥を行い、生育を促進する。施肥量は、 窒素成分を5~6kg/10a施用  
     する。

(6)家畜

  1. 乳用牛
    ・牛舎内の気温が子牛では10℃、搾乳牛では0℃以下の環境では、維持に要するTDN量の10~20%、場合によりそれ以上の飼料を追加給与する。過肥に注意しながら、し好性及び品質の良い粗飼料とともに濃厚飼料を追加するが、気温が急激に低下する3日位前から始めるのが望ましい。その際、濃厚飼料の増給量は500g/回以下とする。
    ・凍結防止のため牛舎内を0℃以上に保持し、昼夜の温度差を少なくする。なお、換気不足になると湿度の上昇、アンモニアの充満など環境が悪化するため、1日に2~3回は牛舎を開放するなど換気が必要である。
    ・牛床が湿り、腹部が濡れると下痢が発生しやすいため、尿溝の整備、まめな敷料交換などにより、牛床の乾燥を保つ。
    ・給水用ウォーターカップの管には保温カバーをし、寒冷地ではヒーター入りの給水器を用いる等の凍結防止策を実施する。
  2. 肉用牛
    ・子牛では13℃、成牛では5℃以下の環境で増給する。乳用牛同様過肥に注意しながら、維持に要するTDN要求量の10~20%を増給する。
    ・寒冷下で放牧される繁殖牛では、維持に要するエネルギーの約30%を増飼する必要がある。
    ・畜舎の保温と換気についても乳用牛に準ずる。

  3. ・新生子豚は寒冷に弱く、32~35℃に保温する。
    ・豚舎全体を防寒し舎内が10℃を下回らないように保ちつつ、有害ガスが充満しないよう換気とまめな除糞を行う。その際、豚体に直接風が当たらないよう留意する。
    ・肥育豚を寒冷環境下で飼養するときは、過肥に注意しながら飼料を10~20%増給する。

  4. ・採卵鶏は環境温度が12℃未満になると1羽1日当たり産卵量が低下し、飼料摂取量が増加するため、鶏舎はカーテンの二重張り等によって保温に努める。ただし、換気不良にならないように留意する。

低温・降雪対策

(1)施設栽培(品目共通)

  • パイプの接合部などを中心に点検を実施するとともに、筋かいや補強用の柱を取り付け、ハウスの強度を高める。
  • ハウスの屋根に防風用ネットをかけている場合は、雪の滑降を妨げるので取り除く。
  • 燃油残量を確認するとともに暖房機が正常に機能するかを事前に確認しておく。
  • 降雪が予想される際は、日中でも早めに暖房機を運転し、内張りを開放して融雪を促す。
  • ハウスの屋根に積もった雪は、早めにハウスサイドに落とす。ハウスサイドの雪も早急に排除する。
  • ハウスが積雪に耐えられないと予想される場合は、事前に被覆を除去しておく。雪害後は、直ちに破損部を補修する。

    省エネ対策
    ・暖房機の掃除、保守点検、サーモスタット(暖房機・換気扇)の点検を行うとともに、温度むらのないようにダクトを配置する。
    ・多層被覆により熱効率を高めるとともに、すきま風の遮断、カーテンの密閉等被覆資材の保守点検を行い気密性を高める。
    ・作目に応じた適正な温度管理を徹底する(変温管理を行う場合は、設定した時間帯と温度の確認および運用後の生育状況をチェックする)。

(2)果樹

・ぶどうやなしでは、棚の点検、補修を行う。特に、棚上にトンネルビニルや防鳥網等があると雪が付着しやすくなるので必ず除去する。
・ももでは防寒対策として、厳寒期の1月から凍害の心配がなくなる4月中下旬頃まで、凍害の発生しやすい地際から50cm程度の高さまで、稲わらなどの資材で保温する。稲わらを用いる場合は、約5cmの厚さで巻き付け、ひもで固定する。また、急激に肥大した若木や充実が悪い樹では寒さの影響を受けやすく、秋季の気温が高い場合も落葉や樹の充実が遅れるので、せん定時期は2月以降に行う。

(3)野菜・花き

  • 露地栽培及びトンネル栽培では、低温時に不織布、こも、ビニル等で防寒する。

(4)畜産(ビニルハウス利用畜ふん乾燥施設)

  • 降雪が予想される際は、妻面と側面のビニルを閉めてハウス内温度を高め融雪を促す。
  • 降雪時にはビニルハウスを巡視し、屋根に積雪した場合は早めに雪下ろしを行う。
  • 雪下ろしが困難な場合は、撹拌機の運転を中止して、ビニルハウスの中央部に丸竹や間伐材を利用して補強用の支柱を取り付け、ハウスの強度を高める。積雪量の多い地域では鉄パイプの専用支柱を装備しておくことが望ましい
  • ビニルハウスが積雪に耐えられないと予想される場合は、ビニルを破って雪を下ろし、ハウスの倒壊を防ぐ。

(5)農業機械

  • 防除用の動力噴霧器、ポンプ類、洗車機等は凍結による破損を防ぐため、水を完全に抜くか、加温するなどの対策を行う。


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