ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
トップページ 組織で探す 備中県民局 新見農業普及指導センター 高温・少雨に対する農作物等の技術対策について

高温・少雨に対する農作物等の技術対策について

 梅雨明け(7月30日)以降、気温が高く降水量の少ない状態が続いています。また、8月13日に広島気象台発表の「中国地方 1か月予報」でも、向こう1か月の平均気温は高い確率が80%、降水量は平年並または少ない確率ともに40%、日照時間は多い確率が50%と予報され、同日に広島気象台発表の「早期天候情報」では、今後も向こう2週間程度は高温が続くことが予想されています。
つきましては、今後の気象情報に十分注意するとともに、次の対策を参考に地域の実態に応じた技術対策をお願いします。
 

1 水 稲


  ・水稲は、出穂後の高温により品質が低下することが懸念されます。今後も高温が続くようであれば、高温障害を回避する
    ための技術対策の徹底をお願いします。

(1)早生品種
  〇高温時のかけ流しおよび夜間かん水等による地温低下
  ・ 出穂後の水管理は通常は間断かんがいであるが、高温が続く場合には、用水が豊富な地域ではかけ流しや夜間かん
       水等を行い、地温を低下させ根の活力維持を図る。
  〇早期落水防止による玄米品質の維持
    ・ 早期落水は、未熟粒や屑米、胴割れ米、茶米の増加につながるため、出穂後30日頃を目安にできるだけ落水を遅らせ
       る。
   〇適期収穫の実施
    ・ 刈り遅れは、胴割れ米や茶米等が増加して玄米品質低下の原因となる。
    ・ 登熟期間が高温で経過すると、予想以上に成熟期が前進することがあるため、出穂後の積算気温等を参考にするととも
      に、登熟の進み具合(青味籾率)を随時確認して、早めに収穫作業の準備を行い適期収穫に努める(表1)。

(2)中生品種
  〇適正な穂肥による稲体の活力維持
   ・ 登熟後半の窒素栄養不足で「背白粒」や「基部未熟粒」が発生しやすいので、基肥-穂肥分施体系では、栽培暦どおり
       2回目の穂肥(出穂前10日頃)の施用を徹底する。
   ・ 全量基肥一発肥料(肥効調節型肥料)であっても、葉色が低下している場合は、生育状況を見て追肥を行い、登熟期の
       窒素栄養不足を補う。
   〇病害虫防除の徹底
   ・ 本年度は、ウンカ類や紋枯病、いもち病、コブノメイガ等の発生が多~やや多いため、ほ場を観察して的確な防除を行
       う。
    ・ 特にコブノメイガにより葉に食害を受けると登熟不良を招き、玄米品質が大きく低下する場合があるので、ほ場での発生
       状況を確認して、発生が確認された場合は早期に防除を行う。
   〇高温時のかけ流しおよび夜間かん水等による地温低下
    ・ 出穂後の水管理は通常は間断かんがいであるが、高温が続く場合には、用水が豊富な地域ではかけ流しや夜間かん
      水等を行い、地温を低下させ根の活力維持を図る。
   〇早期落水防止による玄米品質の維持
   ・ 早期落水は、未熟粒や屑米、胴割れ米、茶米の増加につながるため、出穂後30日頃を目安にできるだけ落水を遅らせ
       る。
   〇適期収穫の実施
    ・ 刈り遅れは、胴割れ米や茶米等が増加して玄米品質低下の原因となる。
    ・ 登熟期間が高温で経過すると、予想以上に成熟期が前進することがあるため、出穂後の積算気温等を参考にするととも
      に、登熟の進み具合(青味籾率)を随時確認して、早めに収穫作業の準備を行い適期収穫に努める(表1)。
表1 品種別収穫適期の目安(岡山県売れる米づくり振興ビジョン)

品 種

あきたこまち

コシヒカリ

きぬむすめ

ヒノヒカリ

朝 日

アケボノ

出穂後の日数

35~45

35~50

38~45

38~45

40~50

40~50

積算気温(℃)

850~1,100

850~1,200

950~1,100

950~1,100

900~1,100

900~1,100

青味籾率(%)

25~5

25~1

25~10

20~5

15~3

15~3

2 大 豆

    ・ 1週間以上降雨がなく、土が白く乾いている場合、用水が確保できるほ場では畝間かん水を行う。土壌が乾燥していて
       ほ場全体に水が到達しにくい場合は、畝間を仕切るなどして順次かん水を行う。特に黒大豆は、開花期に水分が不足す
       ると落莢して収量が減少するため注意する。

    ・ ハスモンヨトウによる白化葉がほ場内で散見されれば、防除を徹底する。

3 果  樹

(1)乾燥・節水対策(全種類共通)
   ・ 水分競合や蒸散による水分消費をできるだけ少なくするため、園内の雑草は刈り取り、敷草とする。ただし、過度な高
       温、乾燥でかん水が十分実施できない場合は、除草せずに地温の上昇を抑える。
    ・ 地表面からの蒸発を防ぐため、敷わら(敷草)を行う。なお、わら等のマルチ材料が十分確保できない場合は株元近くの
      根の多い部分を重点に行う。
    ・ かん水施設のある園地では、5~7日間隔で20~30mm程度のかん水を早朝か夕方の気温の低い時間帯に行う。なお、
      傾斜地や清耕状態の園地では一度に大量のかん水を行うと表面流去が多く効果が劣るので、1回当たりのかん水量は
      少なくして間隔を短くする。
    ・ 水量が十分でない場合は、根の多い部分に数ケ所の穴を堀り、夕方に集中的に局部かん水する。

(2)もも
    ・ 成熟期に達した果実は、高温下では成熟の遅延、果肉障害、果肉先熟や過熟を生じやすいので、速やかに収穫する。
    ・ 極端な乾燥状態時に大量のかん水を行うと果肉障害等の発生が懸念されるため、1回当たりのかん水量は少なくして、
      かん水間隔を短くする。
    ・ 早期落葉を防止するため、ハダニ類、モモサビダニ等の防除を徹底する。

(3)ぶどう
    ・ 成熟期に達した果実は、高温下では果肉の軟化や日持ちの低下を生じやすいので、速やかに収穫する。
    ・ 簡易被覆栽培では被覆資材を除去して、着色を促進させる。ただし、葉焼けを防ぐため、被覆の除去は日中の高温時を
      避け、曇天日か気温の下がった夕方に行う。
    ・ 高温時には着色が遅れやすいので食味を確認して出荷し、収穫遅れに注意する。
    ・ また、果房周辺に葉が少ない若木や弱勢樹では、副梢葉を多めに残し日焼けや萎縮の防止対策を行う。
    ・ 土壌が乾燥する場合は、定期的にかん水を行い果肉の軟化や日持ちの低下を軽減する。極端な乾燥状態時に大量の
      かん水を行うと裂果の発生が懸念されるため、1回当たりのかん水量は少なくして、かん水間隔を短くする。
    ・ 早期落葉を防止するため、ハダニ類等の防除を徹底する。

(4)なし
   ・ 成熟期に達した果実は、高温下では日持ちが低下しやすいので、速やかに収穫する。
    ・ 「新高」等では、夏季に高温乾燥状態が続くと煮え果が発生しやすいので、早い段階から計画的にかん水を行う。
    ・ 早期落葉を防ぐため、ハダニ類、グンバイムシ類等の防除を徹底する。

4 野  菜

(1)夏秋トマト
    ・ 敷きわら等をして土壌の乾燥と地温の上昇を防ぐ。
    ・ ハウス妻面のビニルを除いて通風を向上させ、ハウス内の温度と湿度を下げる。
    ・ 日射が急激に強くなるため、蒸散量の増加による茎葉の萎れや尻腐果などの生理障害が発生しやすくなるので、生育
       ステージに応じたかん水管理に努め、できるだけ地温の低い時間帯にかん水する。  
    ・ 尻腐果の発生が予想される場合は、開花している花房とその上の花房の周辺葉に塩化カルシウムの200倍(0.5%)液を
      葉裏に向けて葉面散布する。
    ・ 盛夏時のホルモン処理(トマトトーン)は、150~200倍液で早朝の涼しい時間帯に処理する。草勢が強く空洞果の発生が
      心配される場合は、トマトトーンにジベレリンを濃度5~10ppmになるように加用する。
    ・ マルハナバチを利用している場合は、巣箱が32℃以上になると活動が低下するので、寒冷紗等で遮光する。
    ・ 高温(日平均気温28℃以上)になると稔性花粉量が低下するので、マルハナバチを利用している場合でも、トマトトーン
      を処理し、着果を確実にする。
    ・ 果実収穫後に25℃以上の高温や強い直射日光に当たると黄変果になりやすいので、出荷調整は涼しい場所で行い、直
      ちに予冷する。

(2)夏秋きゅうり
    ・ 敷きわらをトマトに準じて行う。マルチをしている場合はマルチの上に敷きわらを行う。
    ・ 日中に葉の萎れがみられる場合は、敷きわらを厚くして地温の上昇を防ぐとともに吸水量に応じたかん水をする。
    ・ 草勢が弱い場合は、不良な幼果等を摘除し、液肥を施用して草勢の低下を防ぐ。
    ・ ハダニ類、アブラムシ類、アザミウマ類、褐斑病等の防除を徹底する。

(3)夏秋なす
    ・ 敷きわらをトマトに準じて行う。マルチをしている場合はマルチの上に敷きわらを行う。
    ・ 不良果は、早めに摘除する。
    ・ 日射量や生育ステージに応じたかん水管理に努めるとともに、できるだけ地温の低い時間帯にかん水する。
    ・ ハダニ類、アザミウマ類等の防除を徹底する。

(4)アスパラガス
    ・ たい肥マルチを十分に行い、土壌水分を保つ。
    ・ できるだけ地温の低い時間帯にかん水する。
    ・ アザミウマ類、カメムシ類、ハスモンヨトウ等の防除を徹底する。

(5)いちご
   ・ 寒冷紗による遮光などの昇温抑制対策を行う。特に、はればれプラントの小苗定植後やポット育苗のランナー切り離し 
      後などは、萎れが発生しやすいので注意する。
    ・ スプリンクラーかん水を行う育苗床では、かん水した水が、風に流されないように育苗床の周辺に寒冷紗を張る。また、
      かん水むらを手かん水で補正する。
    ・ かん水回数が多くなることにより、肥料切れが平年より早くなることが予想されるので、葉面散布剤等で調整する。
    ・ 炭疽病、萎黄病、疫病、ハダニ類等を本ぽに持ち込まないよう防除を徹底する。

(6)だいこん
    ・ 高温期に播種する作型は、土づくりを十分に行い生理障害の発生を軽減する。
    ・ ハイマダラノメイガ、キスジノミハムシ、コナガは高温、乾燥で多発しやすいので、防除を徹底する。

(7)キャベツ、はくさい、レタス、ブロッコリー
    ・ 育苗中は、施設を寒冷紗で遮光し、気温の低い午前中を中心にかん水する。セル成型苗等では、かん水不足やかん水
      ムラに注意するとともに、徒長防止のため日没頃には過剰な水分が残らないようにする。
    ・ 本ぽの土壌が乾燥している場合は、散水等により土壌水分を適湿にした上で、耕うん、施肥、マルチ、定植を行う。
    ・ ハイマダラノメイガ、キスジノミハムシ、コナガは高温、乾燥で多発しやすいので、防除を徹底する。

5 花  き

(1)露地花き(りんどう、きく等)
    ・ 短時間の集中した降雨では、畝内に水分が浸透しない場合があるので注意する。
    ・ 降雨がない場合は、なるべく気温が低い時間帯に畝間かん水を行うが、長時間の滞水は避ける。
    ・ 敷きわら等でのマルチを十分に行い、土壌表面の乾燥防止に努める。
    ・ 西日が当たる側の畝の地温は高温になりやすく、畝の側面にもわらの束等を設置し、マルチ内温度の上昇を防ぐ。
    ・ 必要に応じて寒冷しゃ等で遮光を行い、植物の表面温度の上昇を防ぐ。
    ・ ハダニ類、アザミウマ類等は高温・乾燥で多発しやすいので、防除を徹底する。

(2)施設花き(ばら、トルコギキョウ等)
    ・ 定植時から生育初期までと花芽の分化発達期の植物には、なるべく十分かん水するように努める。また、かん水は日中
      を避けて行う。
    ・ 中耕除草は、土壌表面からの蒸発を促して土壌を乾燥させ、植物の根を傷めるためなるべく控える。
    ・ 施設の妻、サイド、天窓等を開放して換気を行い、必要に応じて寒冷紗等で遮光を行って室温を調節する。
    ・ ハダニ類、アザミウマ類等は高温・乾燥で多発しやすいので、防除を徹底する。

6 畜産・飼料作物

(1)大家畜(乳牛・肉用牛)
    ・ 気温の上昇とともに採食量が減少し、乳牛では泌乳量の減少、乳成分の低下、肥育牛では増体量の低下が起こる。こ
       のため牛舎の防暑、牛体からの熱放散、飼料給与の改善など総合的な対策を行う。
    ・ 牛舎の防暑…直射日光の遮断(寒冷紗)、屋根散水、断熱材の利用、白色塗装(屋根)等の対策を講じる。
    ・ 換気と体熱の放散…換気扇、送風機を使用し、牛体送風や牛舎内の乾燥に努める。また、すべての牛に送風できてい
      るか送風機の向き等を点検する。乳牛に対する牛体送風については、夜間~早朝にも行うと効果が高い。
    ・ 飼料給与……高品質で消化の良い粗飼料やエネルギー濃度の高い飼料を、少量ずつ回数を増やして給与する。併せ
      てミネラル、ビタミンの補給に努める。
    ・ 新鮮な水の給与…牛がまんべんなく新鮮で清潔な水が十分飲めているか、ウオーターカップ等を点検、清掃する。ま
       た、冷水の給与も効果がある。
    ・ 環境整備……牛舎周辺の除草や排水溝の整備を行い、衛生害虫の駆除に努める。

(2)豚
    ・ 豚は体温調節機能が劣っているので、高温になるとストレスから受胎率が低くなったり、肥育豚では採食量の減少によ
       り、増体量が低下するため、畜舎環境の整備と防暑を行う。
    ・ 豚舎の防暑は牛舎と同じであるが、豚舎をできるだけ開放し通風乾燥に努める。
    ・ 肥育豚は飼育密度を少なくする。
    ・ 糞尿をこまめに搬出する。

(3)鶏
    ・ 気温が上昇すると採卵鶏では産卵率や卵重の低下、ブロイラーでは増体量の低下が起こるので鶏の体調管理を適切に
      する。
    ・ 鶏舎に断熱材の使用、人工庇陰により輻射熱を遮断する。
    ・ 鶏体送風(0.5m/s)により体温の上昇を軽減する。
    ・ 新鮮で冷たい水を給与する。

(4)飼料作物
 〇 トウモロコシ
    ・ トウモロコシはソルガムに比べ耐干性に弱く、干ばつが続くと下葉の枯れ上がりや収量の低下が予想されるので、転作
      田やかん水施設のある畑では可能な限りかん水を行う。
    ・ サイレージ用としての収穫適期は黄熟期であるが、収穫期に近いもの及び干害により萎れて生育の回復が困難と判断さ
      れるもについては早目に収穫し、利用する。

  〇  ソルガム
    ・ 干ばつが厳しいと下葉の枯れ上がりや収量の低下が予想されるので、転作田やかん水施設のある畑ではかん水を行
       う。
    ・ 一番草の刈取りは地上10cm程度とし、二番草の再生を促す。
    ・ 幼植物には青酸含量が多いため、草丈60cm以下のものは利用しない。

 

 

  農作業中の熱中症に注意

 

 

 夏場等の暑熱環境下での農作業は、熱中症(熱射病、熱けいれん、熱まひ)を生じる恐れがあるので、次の事項に注意してください。
・ 日中の気温の高い時間帯を外して作業を行うとともに、休憩をこまめにとり、 作業時間を短くする等、作業時間の工夫
   を行う。水分をこまめに摂取し、汗で失われた水分を十分に補給する。気温が著しく高くなりやすいハウス等の施設内
   での作業中については、特に気を付ける。
・ 帽子の着用や、汗を発散しやすい服装をする。作業場所には日よけを設ける等、できるだけ日陰で作業するように努  
  める。
・ 屋内では遮光や断熱材の施工等により、作業施設内の温度が著しく上がらないようにするとともに、風通しをよくし、室
   内の換気に努める。作業施設内に熱源がある場合には、熱源と作業者との間隔を空けるか断熱材で隔離し、加熱され
   た空気は屋外に排気する。


トップページ 組織で探す 備中県民局 新見農業普及指導センター 高温・少雨に対する農作物等の技術対策について