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特定商取引法

  •  消費者トラブルが生じやすい取引形態を対象に、勧誘行為等の規制とクーリング・オフや契約取消など消費者救済に関するルールを定める。

 特定商取引法は、消費者トラブルを生じやすい取引形態を対象として、事業者による不公正な勧誘行為等を取り締まるなどの規制をするとともに、クーリング・オフや契約の取消しなどの民事ルールを定めることで、消費者取引の公正を確保するための法律です。

●訪問販売●通信販売
●電話勧誘販売 ●連鎖販売取引
●特定継続的役務提供  ●業務提供誘引販売
●ネガティブオプション●訪問購入

1 立法・改正の過程

 昭和51年に、前身となる「訪問販売等に関する法律」が制定され、訪問販売、通信販売、連鎖販売取引、ネガティブオプションが当初の規制対象でしたが、その後、消費者トラブルの拡大に対応するため、次のとおり規制対象取引が追加されていきました。

  • 昭和63年 訪問販売の規制対象にキャッチセールス、アポイントメント商法を追加
  • 平成8年  電話勧誘販売を追加
  • 平成11年 特定継続的役務提供を追加
  • 平成12年 業務提供誘引販売取引を追加、インターネット通販の広告規制の強化
  • 平成14年 電子メール広告の規制強化
  • 平成16年 不当な勧誘行為の一部に対して契約取消権を付与 ほか
  • 平成20年 訪問販売の規制の強化、迷惑メール規制、通信販売の返品制度、指定商品・役務制の廃止
  • 平成24年 訪問購入を追加

2 事業者に対する行政規制

(1)販売目的等の明示義務

  • 訪問販売、電話勧誘販売、連鎖販売取引、業務提供誘引販売取引について、事業者は勧誘の前に、販売目的の勧誘であること、氏名・名称、商品・役務等の種類を明示するよう義務付け

(2)書面交付義務

  • 訪問販売、電話勧誘販売について、申込書面と契約書面
  • 連鎖販売取引、特定継続的役務提供、業務提供誘引販売について、概要書面と契約書面

(3)広告規制

  • 通信販売、連鎖販売取引、業務提供誘引販売取引について、一定事項の表示を義務付け
  • 通信販売、連鎖販売取引、特定継続的役務提供、業務提供誘引販売取引について、誇大広告の禁止

(4)不当な勧誘等の禁止

1.不実告知・重要事項の不告知

  • 消費者を勧誘する際に、重要事項について事実と異なることを告げる行為(不実告知)、重要事項を故意に告げない行為(重要事項の不告知)は禁止

2.威迫・困惑させる行為

  • 契約を締結させるため、または契約の解除を妨害するため、消費者を威迫・困惑させる行為は禁止

3.アポイントメント商法、キャッチセールス、SF商法等の禁止

  • 販売目的であることを隠して、公衆の出入りしない場所等に誘い込んで勧誘することは禁止

4.再勧誘等の禁止

  • 電話勧誘販売において、消費者が契約を締結しない旨の意思を示した場合、そのまま勧誘を続けたり、改めて電話をかけて勧誘を行うことは禁止

3 消費者救済のための民事ルール

(1)クーリング・オフ制度(参照

  • 訪問販売、電話勧誘販売、連鎖販売取引、特定継続的役務提供、業務提供誘引販売については、契約書面の受領から一定期間内であれば、無条件で契約解除できます。

(2)訪問販売の過量販売規制

  • 通常必要とされる量を著しく超える商品等を購入契約した場合、契約後1年間は解除できます。

(3)不実告知等を理由とする契約の取消し

 不実告知や重要事項の不告知による違法勧誘によって、訪問販売等の契約を締結した場合、消費者は契約を取り消すことができます。
 特定商取引法では、消費者契約法によって取り消せない「契約を締結する動機となる事項」に係る不実告知も取消の対象となります。

(4)中途解約

  • 連鎖販売取引、特定継続的役務提供では、クーリング・オフ期間経過後も、理由の如何を問わず、中途解約ができます。
  • 連鎖販売取引については、一定の要件を満たす場合は、商品を返品することができます。
  • 特定継続的役務提供については、中途解約の際、事業者が請求できる解約手数料の上限が定められています。

(5)損害賠償額等の制限

  • 訪問販売、電話勧誘販売、連鎖販売取引、特定継続的役務提供、業務提供誘引販売において、契約を解除した場合、または消費者が債務を履行しない場合の損害賠償額等が制限されています。

4 特定商取引法による規制一覧

取引形態取引の特徴

民事ルール

事業者に対する行政規制

クーリングオフ
(期間)























































広告規制


















訪問販売事業者が、家庭等を訪問して勧誘し、契約する取引(アポイントメントセールス、キャッチセールス、催眠(SF)商法等を含む)
(8日館)
 
申込書面
契約書面
  再勧誘の禁止
通信販売消費者が、カタログ、テレビ、ウェブサイト等を見て、電話等の通信手段により、申込みを受けて行う取引        返品ルール
電話勧誘販売事業者が、電話をかけて勧誘し、申込みを受けて行う取引
(8日館)
  
申込書面
契約書面
  再勧誘の禁止
連鎖販売取引商品やサービスの代金や加入料を払って販売組織に参加し、新たに参加者を勧誘し、商品等を販売すればマージン等を得られる取引
(マルチ商法)

(20日間)
 
概要書面
契約書面
 
特定継続的役務提供長期にわたり継続的なサービスを提供する次の取引
 ・エステティックサービス
 ・語学教室
 ・家庭教師
 ・学習塾
 ・パソコン教室
 ・結婚相手紹介サービス

(8日間)
  
概要書面
契約書面
 書類の備付等の義務付け
業務提供誘引販売取引事業者が提供または紹介する業務を行えば収入が得られる勧誘し、その業務のために必要な商品やサービスの契約をする取引
(内職・モニター商法)

(20日間)
  
概要書面
契約書面
 
訪問購入事業者が、家庭等を訪問して、申込みを受けて物品を購入する取引
(8日間)
  
申込書面
契約書面
  不招請勧誘の禁止
再勧誘の禁止
クーリングオフ期間中の商品引き渡し拒否

 

◆訪問販売

  営業所等以外の家庭や職場を訪問して勧誘し、指定商品等の契約の申込みを受け、または契約の締結を行う販売方法で、具体的には、以下の販売方法が対象になります。

  • 家庭、職場訪問販売
  • キャッチセールス、アポイントメントセールス
  • 展示販売(会場を借り商品を陳列して販売し、短期間で移動するもの)
  • SF(催眠)商法

<規制内容>

  1. 勧誘に先立って事業者名・販売商品名・販売目的を明示する義務  
  2. 申込時の申込書面と契約締結時の契約書面の交付義務、クーリング・オフの告知義務
  3. 勧誘時の禁止行為
    ●事業者が、不実告知・重要事項の不告知・威迫困惑行為によって、消費者に契約を締結させたり、消費者が契約申込みの撤回や契約の解除をすることを妨げたりすることを禁止
    ●販売目的を隠して、公衆が出入りしない場所に誘い込んで勧誘することを禁止

<民事ルール>

  1. クーリング・オフ(契約書面を受け取った日から8日間)
  2. 不実告知・威迫困惑行為によってクーリング・オフ妨害があった場合のクーリング・オフ期間延長
  3. 不実告知・重要事項の不告知によって消費者が誤認して契約した場合の取消権 ※ただし、追認できる時から6カ月、契約締結時から5年が経過したら、時効により取消権が消滅します。
  4. 契約を解除した場合、または消費者が債務を履行しない場合の損害賠償額等の制限

◆通信販売

 消費者がテレビ、カタログ、ウェブサイト等を見て、電話やメール等の通信手段を用いて、指定商品等の契約の申込みを行う販売方法です。

<広告規制>

  1. 広告には、一定事項の表示の義務付けがあります。
    価格、支払方法、商品等の引渡し時期、商品引き渡し後の返品特約(特約がない場合はその旨)、事業者の氏名/名称、住所、電話番号・価格や送料以外の付帯的費用等
  2. 誇大広告や虚偽広告の禁止

<返品特約>

 通信販売では、特定商取引法による「クーリング・オフ制度」は適用されません。そのため、広告の中に返品特約の有無が記載されることになっています。返品が可能な場合、その期間や送料などの費用負担の有無について表示が義務付けられています。

<インターネット通販に対する規制>

  • 画面上で、それが有料の申込みとなることを、消費者に明示すること。
  • 消費者が申込みをするとき、内容を確認し、訂正できるようにすること。

◆電話勧誘販売

  事業者が消費者に電話をかけて指定商品等の購入を勧誘し、消費者から購入の申込みを受けたり、契約を締結する取引形態です。

<規制内容>

  1. 勧誘に先立って事業者名・販売商品名・販売目的を明示する義務
  2. 申込時の申込書面と契約締結時の契約書面の交付義務、クーリング・オフの告知義務
  3. 勧誘時の禁止行為
    事業者が、不実告知・重要事項の不告知・威迫困惑行為によって、消費者に契約を締結させたり、消費者が契約申込みの撤回や契約の解除をすることを妨げたりすることを禁止

<民事ルール>

  1. クーリング・オフ(契約書面を受け取った日から8日間)
  2. 不実告知・威迫困惑行為によってクーリング・オフ妨害があった場合のクーリング・オフ期間延長
  3. 不実告知・重要事項の不告知によって消費者が誤認して契約した場合の取消権
    ※ただし、追認できる時から6カ月、契約締結時から5年が経過したら、時効により取消権が消滅します。
  4. 契約を解除した場合、または消費者が債務を履行しない場合の損害賠償額等の制限

◆連鎖販売取引(マルチ商法)

  商品やサービスの代金や加入料を払って販売組織に参加し、新たに参加者を勧誘し、商品等を販売すればマージン等を得られる取引形態です。個人を商品等の販売員として勧誘し、さらに次の販売員を勧誘させて、連鎖的に販売組織を拡大しようとするものです。指定商品制を採用していないため、すべての商品や役務(サービス)が対象となります。
次の要件に該当する場合が、連鎖販売取引として規制の対象とされます。

  1. 商品の販売・有償のサービスの提供を事業とするもの
  2. 販売の仕組みは、再販売、受託販売、販売のあっせんのいずれも対象となる。
  3. 特定利益(小売利益以外の卸売利益やリクルートマージン等)が得られると言って勧誘すること
  4. 何らかの特定負担を伴うこと
  5. 店舗等によらない個人が契約するものであること

<規制内容>

  1. 勧誘に先立って事業者名・販売商品名・販売目的・金銭負担を伴うことを明示する義務
  2. 契約前の概要書面と契約締結時の契約書面の交付義務、クーリング・オフの告知義務
  3. 勧誘時の禁止行為
    ●事業者が、不実告知・重要事項の不告知・威迫困惑行為によって、消費者に契約を締結させたり、消費者が契約申込みの撤回や契約の解除をすることを妨げたりすることを禁止
    ●販売目的を隠して、公衆が出入りしない場所に誘い込んで勧誘することを禁止
  4. 広告への一定事項の表示義務、誇大広告の禁止

<民事ルール>

  1. クーリング・オフ(契約書面を受け取った日から20日間)
  2. 不実告知・威迫困惑行為によってクーリング・オフ妨害があった場合のクーリング・オフ期間延長
  3. 不実告知・重要事項の不告知によって消費者が誤認して契約した場合の取消権
    ※ただし、追認できる時から6カ月、契約締結時から5年が経過したら、時効により取消権が消滅します。
  4. クーリング・オフ期間経過後いつでも中途解約・退会可能
    入会後1年以内に退会する場合、引渡を受けて90日以内の未使用商品なら返品、適正な返金が受けられる。
  5. 契約を解除した場合、または消費者が債務を履行しない場合の損害賠償額等の制限

◆特定継続的役務提供

  身体の美化、知識の向上等を目的として長期間にわたり継続的に役務を提供する取引形態です。
 エステティックサロン、語学教室、家庭教師、学習塾、パソコン教室、結婚相手紹介サービスの6業種が指定されており、このうち契約期間が2カ月を超え(エステティックサロンは1カ月超)かつ契約金額が5万円(受講料、施術料だけでなく、入会金や関連商品代金を含む総額)を超える契約が規制の対象となります。

<規制内容>

  1. 契約前の概要書面と契約締結時の契約書面の交付義務、クーリング・オフの告知義務
  2. 誇大広告等の禁止
  3. 勧誘時の禁止行為
    事業者が、不実告知・重要事項の不告知・威迫困惑行為によって、消費者に契約を締結させたり、消費者が契約申込みの撤回や契約の解除をすることを妨げたりすることを禁止
  4. 前払取引を行う場合は、業務及び財産の状況を記載した書類を、事務所に備え付けなければならない。

<民事ルール>

  1. クーリング・オフ(契約書面を受け取った日から8日間)
  2. 不実告知・威迫困惑行為によってクーリング・オフ妨害があった場合のクーリング・オフ期間延長
  3. 不実告知・重要事項の不告知によって消費者が誤認して契約した場合の取消権
    ※ただし、追認できる時から6カ月、契約締結時から5年が経過したら、時効により取消権が消滅します。
  4. クーリング・オフ期間経過後いつでも、既に提供された役務の対価と一定の解約料を支払えば中途解約可能

◆業務提供誘引販売取引(内職・モニター商法)

  事業者が提供または紹介する業務を行えば収入が得られると勧誘し、その業務のために必要な商品やサービスの契約をする取引形態です。
 次の要件に該当する場合が、業務提供誘引販売取引として規制の対象とされます。

  1. 物品の販売または有償のサービスの提供を業務を行う業者であること(これらをあっせんする場合も含まれます。)
  2. 業務提供利益(契約で購入した商品や役務を利用して行う業務を、その事業者から提供されたり、あっせんされたりして、そこから収入が得られる)が得られるとして誘引すること
  3. 何らかの特定負担(業務をするために購入した商品や役務の代金や、保証金など名目は問わず何らかの金銭の支払いを求めること)を伴うこと
  4. 事業所等によらない個人であること

<規制内容>

  1. 勧誘に先立って事業者名・販売商品名・販売目的・金銭負担を伴うことを明示する義務
  2. 契約前の概要書面と契約締結時の契約書面の交付義務、クーリング・オフの告知義務
  3. 勧誘時の禁止行為
    ●事業者が、不実告知・重要事項の不告知・威迫困惑行為によって、消費者に契約を締結させたり、消費者が契約申込みの撤回や契約の解除をすることを妨げたりすることを禁止
    ●販売目的を隠して、公衆が出入りしない場所に誘い込んで勧誘することを禁止
  4. 広告への一定事項の表示義務、誇大広告の禁止

<民事ルール>

  1. クーリング・オフ(契約書面を受け取った日から20日間)
  2. 不実告知・威迫困惑行為によってクーリング・オフ妨害があった場合のクーリング・オフ期間延長
  3. 不実告知・重要事項の不告知によって消費者が誤認して契約した場合の取消権
    ※ただし、追認できる時から6カ月、契約締結時から5年が経過したら、時効により取消権が消滅します。
  4. 契約を解除した場合、または消費者が債務を履行しない場合の損害賠償額等の制限

◆送りつけ商法(ネガティブオプション)

  申し込んでいない商品を一方的に送りつけ、代金を請求する販売方法です。
 特定商取引法では、商品が届いた日から起算して14日間が経過するか、または商品の引取を事業者に請求したときは、その日から起算して7日間が経過すれば、事業者(送り主)は、商品の返還を請求することはできないとしています。したがって、この期間が過ぎた場合は、自由に処分することができます。 

5 契約を解除した場合、または消費者が債務を履行しない場合の損害賠償額等の制限

★解約料の上限額が次のように定められています。
解約料の上限
サービスを受ける前 途中までサービスを受けたとき
エステティック
サロン
2万円2万円又は契約残額の10%に相当する額のいずれか低い額
外国語会話教室 1万5千円5万円又は契約残額の20%に相当する額のいずれか低い額
家庭教師2万円5万円又は1カ月分の役務の対価に相当する額のいずれか低い額
学習塾1万1千円2万円又は1カ月分の役務の対価に相当する額のいずれか低い額
パソコン教室1万5千円5万円又は契約残額の20%に相当する額のいずれか低い額
結婚相手紹介
サービス
3万円2万円又は契約残額の20%に相当する額のいずれか低い額

 クーリング・オフや中途解約する場合、サービスを受けるのに必要だと言われて契約した関連商品も解約の対象になります。

 関連商品
エステティック
サロン
※いわゆる健康食品、※化粧品、※石けん(医薬品を除く)、※浴用剤、下着、美顔器、脱毛剤
外国語会話教室、
家庭教師、学習塾
書籍、カセットテープ・CD等のいわゆる学習用ソフト、ファクシミリ・テレビ電話装置
パソコン教室 コンピューター・ワープロ、書籍、カセットテープ・CD等のいわゆる学習用ソフト
結婚相手紹介サービス 真珠・宝石、指輪等のアクセサリー

  ※が付いているものは、指定消耗品であり、その一部を使用、消費したときは、契約書面にその旨の記載があることを条件にクーリング・オフできません。

 ★関連商品について中途解約された場合、解約料の上限額が次のように定められています。

 関連商品の状態損害賠償等の上限額
1.関連商品が返還された場合関連商品の通常の使用料に相当する額
2.関連商品が返還されない場合関連商品の販売価格に相当する額
3.契約の解除が関連商品の引渡前の場合契約の締結及び履行に通常要する額