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消費者契約法

  事業者の不適切な勧誘で結ばされた契約を取り消したり、不当な契約条項を無効にすることができます。

1 消費者契約法の目的 

 今日の社会では、商品やサービスを購入する消費者とそれを製造・販売する事業者との間では、商品やサービスについての知識・情報の質や量の面で大きな差があり、また、契約の交渉力においても大きな格差があります。
 そのため、消費者が事業者と契約を締結する場合に、誤った情報を与えられたり、不当な圧力を加えられたりして不本意な契約を締結させられてしまうこともありますし、消費者が一方的に不利益な契約条項などを押しつけられてしまうことも起こりがちです。
 そこで、消費者と事業者との間には、知識・情報や交渉力の格差があることを正面から認め、このような格差を解消し、対等に取引できるようにするためのルールとして作られたのが消費者契約法です。

2 適用範囲

 事業者と消費者の間の契約(消費者契約)のすべてに適用されます。

3 契約の取消ができる場合

 消費者は、次のような事業者の不適切な勧誘により、誤認((1)(2)(3))・困惑((4)(5))して契約した場合、契約を取り消すことができます。

(1)不実告知

 *契約内容の重要な事項について事実と異なることを告げられた場合
 (例)購入時に事故車でないと説明され中古車を購入したが、実は事故車だった。

(2)断定的判断の提供

 *将来における変動が不確実な事項について、確実なこととして告げられた場合
 (例)必ずすぐに相場は上がると言われて、先物取引に投資したところ、相場が暴落して大損をした。

(3)不利益事実の不告知

 *有利な点ばかり強調し、それを聞いていたら契約しなかったような不利になる事実を事業者が故意に告げなかった場合
 (例)事業者が実際には南側に高層ビルが建つ予定であることを知っていながらそのことを隠して「日当たりも良く、眺めも最高」と勧められ、マンションを購入してしまった。

(4)不退去による勧誘行為

 *自宅や職場に事業者が居座って、帰って欲しいという意思表示をしたのに帰らなかった場合
 (例)学習教材の訪問販売で、必要ないので帰ってくれと言ったのに、夜遅くまで居座られて、しかたなく契約してしまった。

(5)退去妨害による勧誘行為

 *営業所等で、消費者が帰りたいと意思表示しているのに、事業者が帰してくれなかった場合
 (例)貴金属の展示会で長時間勧誘され、帰りたいと告げたのに帰してもらえず、結局、契約してしまった。

※取消できる期間は?

 *誤認したことを気づいたとき、または困惑の状態から脱したときから6カ月以内
 *ただし、契約締結から5年を経過すると取り消すことができなくなります。

※取消の方法は?

 *事業者に対して、取り消したい旨の意思表示をします。(証拠に残るよう、内容証明郵便での通知が適当です。)

※取消の効果は?

 *意思表示が相手に到達した時点で取消となります。
 *取り消すと、契約が初めからなかったことになり、お互いに契約をしていなかった状態に戻さなければなりません。(消費者は商品を返還し、事業者は代金を返します。)

4 不当な条項は無効

 消費者が事業者と結んだ契約において、消費者の利益を不当に害する条項が規定されている場合、この条項は無効となります。

(1)損害賠償の責任を事業者が一切負わないとする条項

 *債務不履行や不法行為に基づく損害賠償責任や瑕疵担保責任を全部免除する条項条項(故意・重過失による損害賠償責任は、一部免除の条項も無効)
 (例)スポーツクラブなどで発生したケガの責任は一切負わない旨の条項

(2)不当に高額な解約損料

 *契約解除の場合の損害賠償の予定額(違約金)が、通常、事業者に生ずる平均的な損害額を超えるもの
 (例)1年も先の結婚式の予約を解約するのに、非常に高額な違約金を定めるもの

(3)不当に高額な遅延損害金

 *支払いが遅れた場合の損害賠償の予定額(違約金)が、年14.6%を超えるもの(ただし、割賦販売については割賦販売法(6%)を、金銭消費貸借契約については利息制限法(29.2%他)を適用)
 (例)家賃の支払いが遅れた場合、1週間当たり10%もの遅延料を定めるもの

(4)消費者の利益を一方的に害する条項

 *民商法その他の法律の任意規定による場合に比べて、消費者の権利を制限し、または消費者の義務を加重する条項で、信義誠実の原則に反するもの

※この場合

 *無効となるのは、不当な条項だけで、契約全体が無効となるわけではありません。
 *無効となった部分は、民法や商法の任意規定や契約に関する一般的ルールなどによって補って解釈されることになります。