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2010年08月30日知事記者会見

印刷ページ表示 ページ番号:0298990 2012年11月12日更新公聴広報課

知事からの話題

質疑応答

知事からの話題

「総合特区制度」に係る提案について

 それでは、私のほうから、3点ほど報告をさせていただきたいと思います。
 第1点目は、お手元の資料をごらんいただきたいと思いますが、総合特区制度に係ります提案について御報告をさせていただきます。
 現在、国におきましては、総合特区制度へのアイデア募集が行われているところでありまして、本県では、お手元の資料のとおり、3つの特区案につきまして提案に向けた準備を進めているところであります。
 まず、水島コンビナートの国際競争力を強化する特区でありますが、我が国有数の規模を誇ります水島コンビナートにおきましては、全国に先駆けまして、企業間連携によります生産効率化への取り組みとか、あるいは高付加価値型原料の開発などの取り組みが行われているところでありまして、また水島港におきましては、国際バルク戦略港湾の指定を目指していくなど、機能強化に取り組んでいるところであります。
 こういった取り組みを加速させますとともに、玉島ハーバーアイランドへの新たな産業集積などによりまして、アジアの高付加価値素材の供給基地といたしまして、水島コンビナートの国際競争力を高めるということを目指すものであります。
 これにつきましては、我が国全体の成長を牽引する国際戦略総合特区といたしまして提案をいたしたいと考えております。
 これは資料の裏のほうに2つの制度、特区制度があるということが書いてありますので御参照いただきたいと思います。
 2つ目でありますが、木質バイオマスを活用する特区であります。
 県北部の豊富な森林資源と真庭市のバイオマス事業における先進的な取り組みを中心といたしまして、木質バイオマスを原材料といたしました新素材の開発や新エネルギーといたしましての活用などによりまして、バイオマス産業の振興を図ろうとするものであります。
 3つ目でありますが、医療の先進性を活用する特区でありますが、県の高度な医療技術、全国トップレベルの遺伝子治療あるいは分子イメージング等の分野での先進的な研究実績を生かしまして、大学病院での混合診療の特例的実施あるいは創薬や医療関連産業の支援などによりまして、先端医療地域の形成を目指そうというものであります。
 現在、規制の特例措置や支援措置等を精査しているところでありまして、関係団体と調整を図った上で、応募の期限となっております9月21日を目途に、国のほうに対し提案をいたしたいと考えているところであります。
 以上が総合特区制度にかかわる提案についてであります。

今後の収支見通し(粗い長期試算)について

 次に、今後の収支見通し、粗い長期試算につきまして御報告をさせていただきますが、これもお手元の配付資料をご覧いただきたいと存じます。
 本日、6月までの調定実績を踏まえた税収見込みや普通交付税の算定結果等を踏まえまして、今後10年間の長期試算を見直しいたしましたので、御説明を申し上げたいと思います。
 なお、今回の試算に当たりましては、6月補正予算や今回提案させていただきます9月補正の予算案の影響のほか、先日公表いたしました21年度決算見込みを踏まえました補助費等の伸び率、見直し等を反映させております。
 まず、1ページ目であります。
 今年度の収支見通しは、まず税収につきまして、一昨年秋から続いた世界的な景気の後退の影響から緩やかに持ち直している兆しが見られまして、当初予算編成時と比較をいたしまして、主に法人関係税が増収となったということなどから、県税が約3億円の増となる見通しでありまして、また普通交付税等につきまして、算定結果等を踏まえますと約15億円の増となると見込まれております。
 一方で、6月補正予算や9月補正予算案の影響によりまして、歳出が増加することなどを差し引きいたしますと、前回の試算から約12億円改善をいたしまして、収支はプラス5億円となったところであります。
 2ページのほうにそのグラフが出ております。
 しかし、当初予算におきまして、臨時的歳入対策といたしまして特定目的基金及び企業局からの借り入れを計上いたしておりますほか、独自の給与カットを実施しているところでありまして、厳しい財政状況には変わりはないと認識をしているところであります。
 次に、2ページをご覧いただきたいと存じます。
 向こう10年間の収支の推移につきまして、今回の税収や普通交付税等の増などによりまして、前回の試算と比較をいたしまして、ご覧いただきますとおわかりのとおり、数年間はわずかな収支の改善が見られまして、そして26年度以降は社会保障関係経費の伸びがさらに上昇する見通しであるということでありまして、そのため若干収支の悪化が見られるということでありますが、全体的には、前回お示しをいたしました試算と比べまして大きな変化はないと見込んでいるところであります。
 次に、3ページでございますが、今回お示しをいたしました試算は、今後の経済情勢が依然として不透明でありますため、経済成長率の前提をゼロ%としているところでありますが、内閣府が6月に示した試算を参考といたしまして、景気が堅調に推移した場合と慎重な経済見通しを前提とした場合の試算もあわせてお示しをしているところであります。
 そこにございますとおり、今後10年間で、上の欄の成長戦略シナリオは3%程度、下の欄の慎重シナリオは1%台半ばの成長を見込んでいるということから、税収増の影響などによりまして、ゼロ%を前提といたしました試算と比較をいたしますと、当面は収支の改善となっておりますが、中・長期的にこれを見ますと、改善幅が拡大をすることとなっているところであります。
 4ページ以降は、参考といたしまして、県債残高と、5ページ目は実質公債費比率、それから6ページ目は公債費の将来推計、これらをお示ししているところであります。
 今後、臨時財政対策債を除きました推計値は、いずれも中・長期的に下落傾向にあるということは変わりはないということでありまして、ストックベースにおける改善は続いていく見通しとなっております。
 今回の長期試算の説明は以上のとおりでございますが、今回、今年度の収支がプラスに転じまして、前回の試算と比較をし、当面、わずかな収支の改善が見られるということは、先ほど御説明申し上げました理由のほか、一般施策や運営費等の削減など、財政構造改革プランに基づきます取り組みの効果であるものと認識をしているところであります。
 しかし、臨時的な歳入対策に依存した財政運営には変わりがないほか、給与カット前の収支不足も高い水準にあるということでありまして、依然として厳しい財政状況にあるため、今後とも行革大綱に基づく取り組みを着実に進めてまいる所存であります。
 また、持続可能な財政構造の確立のためには、県の行革の努力というものはもちろん必要でありますが、地方交付税等の財源の措置が不可欠であるということから、今後とも、国のほうに対しまして、地方が安定的に行政サービスを行うために必要な一般財源総額が確保されますように、全国知事会とも連携をいたしまして必要額の確保につき働きかけをしてまいりたいと考えているところでございます。

県有施設駐車場等の有料化について

 次に、3つ目の報告でありますが、一部の県有施設の駐車場の有料化と使用料の改定につきましてお話をさせていただきたいと存じます。
 9月1日から、県庁外来、県立図書館及び総合グラウンドの駐車場有料化と一部県有施設の使用料の改定を行うこととなっております。
 これは、行財政構造改革大綱2008の方針に沿って進めてまいりました取り組みの一つでありまして、利用者の皆さん方に県の施設を公平かつ効率よく使っていただけるよう、適正な使用料への改定というものを行うものでありますので、改めまして特段の御理解と御協力をお願いいたしたいと、このように存ずる次第でございます。
 県といたしましても、利用者の方の利便性向上に、これまで以上に取り組んでまいる所存でございます。
 なお、後楽園の駐車場につきましては、河川占用許可の関係で国との調整を現在行っているところでありまして、工事の期間等を考慮しながら、導入時期を決定することとしております。
 また、岡山空港第1駐車場につきましては、昨今の航空行政などの動向を見きわめているところであります。
 いずれにいたしましても、時期が決まり次第、速やかに県民の皆様方に周知をしてまいる所存でございますが、施行後1年半ということの期限が、条例で施行時期が決まっておりますので、来年の9月半ばまでというタイミングでございます。そういったことで、時期が決まりましたら、速やかに周知をさせていただきたいと、このように考えております。
 私からの御報告、以上3点でございます。

質疑応答

記者)
 特区制度についてお伺いしたいのですが、資料の裏に今回の募集の趣旨として、アイデア募集で、今後の指定、認定等の措置に直結するものではないとありますが、今回の提案についての知事の意気込みと実現に向けて、国に、どう働きかけるのかお聞かせください。また、建設事業費市町村負担金について、水門などの見直しを市町村に呼びかけていますが、今後どのように協議されていくのかお聞かせください。

知事)
 今回の総合特区制度についてのお尋ねでございますが、説明資料にもございますとおり、今回はアイデア募集のみということでありまして、これがこのまま特区の指定とか、あるいは認定というものに直結するものではないということでございます。
 今後、我々岡山県を含め、提出をされた各自治体等のアイデアをもとにいたしまして国のほうで制度設計というものが行われるわけでありまして、そして改めて正式な募集ということが行われます。
 したがって、そういうことを考えますと、私どもが提案したものが、今後、具体的に規制の緩和とか、あるいは税、補助金等の支援措置などで制度設計が示されるということになりますれば、当然我々といたしましてもそれに呼応して正式に募集に応じていくと、提案をしていくということになろうと思いまして、さらに、そうなれば本県が採択されることが有力になってくると、このようにも考えられます。
 したがいまして、まずは今回のアイデア募集に対する提案でございますが、これが制度設計に生かされますように、引き続き国等に対しまして強く働きかけをしてまいりたいということで、これが実現できれば本県の産業、経済の発展に大いに役立つものと期待をしているところでございます。
 それから、水門等の移譲の問題についてのお尋ねをいただきました。
 今現在、市長会で説明を行った後、それぞれの市町の担当課と県のほうの出先機関を窓口といたしまして、鋭意個別協議を行っているところであります。具体的な要件につきまして、相当程度協議が進んでいるという、そういう市もございます。ただ、それ以外の市町ではまだ受入体制等の課題があるということから、各市町におかれまして検討されているという状況であると報告を受けておりますが、今後とも、各関係の市町との協議を丁寧に進め、またこれを重ねることによりまして、可能な限り早期に結論が得られるように努めてまいりたいと、このように考えております。

記者)
 行政委員会についてなのですけども、7月に第1回目の審議がありまして、本格的な議論というのは10月以降になろうかと思いますけども、1回目の審議を踏まえて、知事のお考えというのを改めてお聞かせください。

知事)
 行政委員会の報酬等の日額化にかかわる議論ということをお尋ねでございますが、これにつきましては、私自身も知事会の中で行政改革プロジェクトチームのリーダー役を務めておりまして、こういったことも含めて、地方側からもしっかりと行革を行っていく、その強い姿勢をアピールしていかなければいけないということもございまして、知事会のほうで連携をとりながら共同歩調でやっていこうと、こう考えている中での本県の議論がスタートしたということでございますから、そういった経緯も踏まえますと、日額化の方向において、この議論を進めていただくということを期待しておりますが、ただその中身につきまして、これからだと思います。審議の中で、すべての行政委員なのか、あるいは一部の委員なのか、そしてその場合の日額とした場合、適正な額はどのように考えるのかといういろんな業務の性質とか、それから委員の置かれている日常的なさまざまな責任感とか、いろんな問題もございますので、それらを総合的に踏まえて適切な判断をなされますように、委員の皆さんとしっかりと事務当局を通じて意見交換をいたしまして、いい判断を出していただきますように期待をしているということでございます。
 もうしばらく審議状況を見守ってまいりたいと思います。

記者)
 選挙について2つ。民主党代表選と井原市長選なのですが、もし何かお考えがございましたらお伺いしたいのですが。

知事)
 民主党の代表選ということで、近々告示があるというふうにも聞いているところでありますが、このところのさまざまな報道等に接しておりますと、政策よりも政局のほうが前面に出た動きが非常に強いとの印象をもって私は受けとめているところでありまして、国民の皆さんから見ると、もっともっと国民本位の政策を前面に出した、そういう議論をしてほしいと、これが共通の認識ではないかと思います。何か国民目線から離れているような感じがしないわけではないと思います。
 政策ということになりますれば、やはりこの国のかたちを今後どういう方向に持っていくのか、外交とか防衛はどう考えるのかといったこと、そして今一番大事なのは、代表選なんかよりもこの円高とか株安、景気、雇用、これを本当に早急に何らかの対応を出すべきではないかという悲鳴にも似た声が、中小企業等あるいは国民の皆さんから出ていると思うのですね。
 こういった声をしっかり受けて、政策をどんどん前に向かって進めてもらえる、そういう議論が展開されることを期待いたしたいと思います。
 この国の財政あるいは社会保障をどうするのかとか、我々地方からすると、地方分権、地域主権という言葉が最近あまり政権内で言われることが少なくなったのですけどね、こういったことを本当に真剣にどういう方向に持っていくのかということを大いに政策論議されることを期待しているところでございます。
 もっとも同じ政党ですから、大きな政策の違いがあるということ自体がちょっと違和感がないわけではないのですが、いずれにいたしましても、そういった政策議論を中心として代表選が堂々と行われるということは、党のこれからの活性化のためにもいいし、我が国の政党政治のあり方を考えたときにもそれが望ましいのではないかと思いますね。
 それから、井原市長選挙、これは井原市の市民の皆さんがこれからお決めになるということでございますから、私のほうから特にお話を申し上げることはございません。重大な関心を持って見守っているところであります。

記者)
 長期見通しについてですが、この見通しに関してどのような感想、思いがあるのかということと、それを受けて今後、国からどういう支援がさらに必要になってくるのか。その他、県としてやれることはどういうことが考えられるのかということをお聞かせください。

知事)
 今回の収支見通し、粗い長期試算をお示ししたわけですが、これについての感想をというお尋ねがまずございましたが、今回の試算で、先ほど申し上げましたとおり、収支が今年度プラスに転じた、そして当面、わずかではありますけれども収支の改善が見られるといったこと、これは税収の増があったこととか、あるいは国においての地方交付税の増額措置など、こういったこと、それに加えて本県の非常に厳しい行財政構造改革に基づく歳出削減措置、こういったものの効果があらわれてきたということであろうかと思っておりまして、幾分明るい兆しが見られるようになったなと、このように認識をしております。
 ただ、臨時的な歳入対策に依存をした財政運営であるということはまだ変わってないということでありますから、依然として厳しい財政状況にはあるということ。それから、特に注意すべきは、御質問にもございましたが、今後の景気の動向といったことで、経済成長の数字によって中・長期的には大きく動くということになっておりますから、景気の動向、そしてもう一つは、来年度以降の国の地方財政対策の動向、こういったことなどの不確定要素があるわけでありますから、これに留意した財政運営を行っていかなければならないと思っております。
 経済見通しにつきましては、慎重な見通しを今回お示ししておりますが、一方、国のほうの地方財政対策につきましては、年末に向けまして、本当に地方が一丸となって地方交付税等の必要な一般財源総額をしっかり確保してもらえるように、改めて強い意志を表明し、行動していかなければいけないというふうに思っております。
 国のほうも、社会保障関係費なんかを特別、別枠でもって概算要求の基準の中から外しておりますけれども、我々地方側からも、国のほうが1兆円を超えるそういうものに相当するものは毎年毎年7,000億円ぐらいずつ増えていくんですね、社会保障関係経費が。そういうものを盛り込んだ上で、地方財政対策をやってもらわないといけないのですが、どうも国と同じように全体を抑え込まれてしまいますと、とてもこういったものが飲み込めないということだろうと思うのですね。
 こういったことをより強く主張していかなければいけないというふうに思っております。