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2010年03月30日知事記者会見

印刷ページ表示 ページ番号:0298976 2012年11月12日更新公聴広報課

知事からの話題

質疑応答

知事からの話題

国庫補助事業事務費に係る内部調査結果について

 それでは、私のほうから、国庫補助事業事務費に係る内部調査結果につきまして、御報告をさせていただきたいと存じます。
 昨年5月から実施をしてまいりました国庫補助事業事務費に係る内部調査につきまして、このたびその結果を取りまとめしましたので、お手元の配付資料1に沿いまして、まず御説明を申し上げたいと存じます。
 1の「内部調査に至った経緯」であります。会計検査院の平成19年度決算検査報告において、検査を行いました12道府県全てで国庫補助事業に係る事務費の不適正な経理処理等が指摘されたところであります。その後、本県でも、平成20年11月に農林水産省及び国土交通省所管国庫補助事業について、会計検査院の実地検査が実施をされたところであります。
 私といたしましては、会計検査院の検査の視点や他の道府県での検査状況等を踏まえまして、経理処理の透明性をさらに向上させ、県民への説明責任を果たしていく観点から、国庫補助事業を実施している本県の全ての部署について、会計検査院の検査との重複は避けまして、特別に独自に調査を行うこととしたものであります。
 2の「内部調査の実施概要」をご覧いただきたいと存じます。
 まず、(1)調査の方法等でありますが、対象の部署は国庫補助事業を実施しております県の全ての部署、183カ所で、関係する省庁は、総務省、文部科学省、厚生労働省など11府省庁、対象年度につきましては、平成16年度から20年度の5カ年間で、対象費目は、賃金、旅費及び需用費のうちの物品購入であります。
 (2)の調査内容でありますが、賃金、旅費につきましては、カラ雇用やカラ出張の有無並びにその使途が国庫補助目的に合致しているか否かを調査したところであります。
 需用費につきましては、会計検査院に準じ、「預け金」、「翌年度納入」等の不適正な経理処理の有無を調査いたしました。
 3の「内部調査の結果」でありますが、これまで、昨年11月及び本年2月と順次取りまとめて公表してきたところでありまして、この度、残っていた平成16年度から19年度までの調査結果を取りまとめたものであります。
 まず、(1)の不適正な経理処理であります。需用費の物品購入において、「預け金」、「一括払い」及び「私的流用」は認められなかったところでありますが、その表にありますとおり、「差替え」が372万9,000円、「翌年度納入」が42万8,000円、「前年度納入」が33万7,000円認められたところであります。
 次に、(2)の補助対象とならない用途に支払われたもの、いわゆる「目的外使用」でありますが、カラ雇用、カラ出張は、その下のア、イをご覧いただきますとおり、認められなかったところでありますが、会計検査院の検査の視点からいたしまして、国庫補助事業の施行に直接必要な経費ではなく、補助の対象とならないものといたしまして、表のとおり、賃金で65万5,000円、旅費で192万7,000円認められたところであります。
 次に、(3)その他でありますが、内部調査結果の全体を通して、不適正な経理処理等は認められたものの、カラ雇用、カラ出張や私的流用等はなく、いずれも業務遂行上の必要な支出でありまして、また取得された物品は公務に使用されていたところであります。
 次に、4の「原因」でありますが、内部調査結果の全体を通しまして不適正な経理処理等が認められた部署では、次のような背景、原因があると考えられました。
 まず、最初の第1、第2の項目は、職員の意識についてでありますが、職員の適正な会計経理に関する認識が十分でなく、特に年度末の事務繁忙期にあって、公金の取り扱いの重要性や法令遵守の意識が希薄となっていたこと、国庫補助事業事務費を優先して年度内に予算を残らず執行し、できるだけ補助金の返納をなくそうとする意識があったこと。
 次に、3つ目と4つ目の項目でありますが、チェック機能、予算執行についてであります。業務分担が十分できていなかったところや予算の移用手続を怠っていたものがあったこと。
 次に、5番目の項目でありますが、補助対象範囲であります。これまで関係省庁からは、賃金、旅費の使途基準等について必ずしも明確に示されていないことから、国庫補助事業事務費は、事業の施行に直接必要な経費に限るとの会計検査院の考え方について、職員の認識が十分でなく、例えば部署を越えて幅広く業務を行っている臨時職員の賃金や関連の全国大会等へ参加のための旅費につきまして、補助対象であると広く解釈をしていたことなどであります。
 5の「再発防止」についてでありますが、これまで全部局に、関係法令等の遵守及び公金の取扱いの重要性を十分認識し、適正な経理処理を行うよう徹底をいたしますとともに、会計事務担当者会議等において、職員の意識改革を行っておりまして、引き続きこうしたことに取り組みますとともに、会計事務を直接担当しない職員にも各種会議や研修等を通じて広く意識改革を行い、再発防止を徹底することといたします。
 経理事務の処理に当たりましては、各自が問題意識を持って内部チェック機能を十分に発揮させた上で、適正に行うよう一層の徹底を図ることといたします。
 物品購入についてでありますが、物品の要求者と発注、検収を行う者との業務分担を行いますとともに、納品事実と納品日の明確化を図るため、すべての場合に納品書を徴することといたします。
 次に、次の項目でありますが、業務実態に合った必要な額や費目の予算を確保するなど、適正な予算執行に努め、国へ対しましては、事務費の使途基準等の明確化などを働きかけますとともに、出納局の検査では、検査の内容の充実を図り、特別検査や抜き打ち検査も行うことといたします。
 最後、6の「国庫補助金の返還」でありますが、会計検査院の指摘にかかわる国庫補助金につきましては、関係省庁の指示に従い、返還をいたしております。
 また、内部調査の結果に係る国庫補助金につきましては、関係省庁へ報告をし、協議を行い、適切に対応いたしたいと存じます。
 なお、6ページ、7ページには、これまでに取りまとめました内部調査結果及び会計検査院の指摘状況、既に発表した内容でございますが、添付をいたしております。
 配付資料2をごらんいただきたいと存じます。県職員の処分についてであります。
 今回の件につきまして、本日、当該不適正経理が行われた職場の所属長及びその職場を統括する責任者、計13名に対し、厳重注意処分を行いました。
 処分の内訳は、お手元配付の資料のとおりでございます。
 以上、調査結果及びそれに伴う職員の処分につきまして、御説明を申し上げたところでございます。
 こうした結果が出たことにつきましては、誠に遺憾であります。県民の皆様に深くお詫びを申し上げる次第でございます。
 改めまして、全職員に対しまして、法令遵守と予算の適正なる執行につきまして、より一層の徹底を図って再発防止に全力で取り組んでまいる所存でございます。
 私からの発表は、以上でございます。

質疑応答

記者)
 内部調査の結果で、需用費のところで差替えなのですが、具体的にどういったものをどういう形で購入していたというのと、あと、産業労働部だけ額が結構大きいように思うのですけど、その理由はどういったところにあるのでしょうか。

知事)
 具体の中身については、会計課長が御説明申し上げます。

会計課長)
 具体的な差替えの内容ということでございますが、出先機関におきまして、備品購入のほうの予算が少ないということで、業務に必要な備品を購入するに当たりまして、需用費で購入できる消耗品に差替えて購入したというものがございます。
 実際にはコンプレッサーとかを公費で買ったのですけれど、塗料やはけというものを買ったというふうにしたということでございます。
 産業労働部は、今回、高等技術専門学校におきまして、そういった例がございまして、そこでそういうことがわかったということでございます。

記者)
 産業労働部は1件ですか。何件でこの額なのですか。

会計課長)
 件数でございますが、34件ございます。

記者)
 需用費と旅費、賃金、それぞれの件数は何件ですか。

会計課長)
 需用費につきましては、件数が全体で63件。449万4,000円に対しての63件。それから、賃金の65万5,000円に対する件数は6件。それから、旅費192万7,000円に対応する件数が100件でございます。

記者)
 今の話の関連で、賃金と旅費の2つで補助対象とならないものが認められたとあるのですが、これも具体にどういった形になるのか、教えてください。

会計課長)
 賃金につきましては、臨時職員の賃金でございますが、その配属された部署が所掌しますその国庫補助事業とは異なる国庫補助の事業の事務費から支出されるということでございます。
 それから、旅費も、それぞれこの旅費として出張はしておりましたけれど、その充当いたしました国庫補助事業に、直接必要な出張ではないということで対象外ということでございます。

記者)
 国庫補助に関係ないということですか。

会計課長)
 いえ、それぞれの国庫補助事業につきましては、その目的がありますが、その目的とは違う旅費の出張の業務に行っておったということでございます。

知事)
 先ほど私が御説明申し上げたように、関連の全国大会等へその当該旅費で出張したというケースということでございまして、これは事務方としては、補助事業の全国、例えば道路事業の全国大会ということであれば大丈夫かなと思っていたようですが、会計検査院は、それは厳格に、直接必要なものに限られるという、そういう方針でございますので、そういたしますと、これにひっかかってしまったと。会計検査院の検査の視点をそのまま今回の内部調査の方にも使いますと、このような結果になったということかと思います。

記者)
 重ねてなのですけど、国庫補助金、内部調査の結果による国庫補助金について、適切に対応するとあるのですけれど、でもその中に返還ということも当然あり得るのでしょうか。

知事)
 返還についても、先ほど5ページの6のところに申し上げたとおりでございまして、今の御質問があったようなケースのうち、会計検査院に係るものにつきましては、これは実は関係省庁のほうから返還の指示が参っておりまして、その金額を返還いたしております。今回のこれは内部調査でございまして、独自に本県がやったものですから、これを関係省庁にこれから報告をいたします。報告いたしますけれども、それを受けて省庁がどのような方針を打ち出されるのか、これは協議を行わさせていただきまして、その方針が出れば、それに沿って適切に対応してまいりたいということでございまして、今後の関係省庁等の対応次第ということかと思いますが、既にこういう内部調査等を1年前行っておられる他の県の例を聞くと、いまだ返還等の手続には至ってないというようにお聞きしております。

記者)
 関連ですけれども、去年の11月と今年の2月にすでに発表されていますが、それに関する部分に各省庁からの返還請求とかというのはまだ来てないと。

知事)
 そのとおりですね。内部調査に係るものについては、省庁からは返還等の指示等は来ておりません。他県も同様だというふうに聞いております。会計検査院が入ったものだけは、実際に国の目でチェックをされておられますので、具体的な金額返還ということも確定して、それに従って本県も納付をしております。

記者)
 11月と2月の独自調査結果に関しての協議というのはもう始められていますか。

知事)
 はい。これは会計課でなくて、それぞれの所管課になるものですから、国土交通省及び農林水産省の所管部局のほうが、連絡はさせていただいていると思うのですが、まだ具体的に協議が進んでいるという報告は受けておりません。

記者)
 確認なのですが、先ほどの差替えで、コンプレッサーを実際は買ったのだけれども、報告は塗料やはけになっていたのですか。

会計課長)
 はい、そうでございます。

記者)
それは産業労働部のもの。

会計課長)
 はい。

記者)
 あと、例えば企画振興、保健福祉ではどのような差替えがあったのでしょうか。

会計課長)
 企画振興部では、実際は、これも出先ですが、スタンプ等を購入したのですけれど、それをテープや蛍光ペンと。

記者)
 スタンプというのは、判こですか。

会計課長)
 はい、判こですね。スタンプを実際買ったのですけれど、テープや蛍光ペンなどの消耗品を買ったように処理しているということでございます。
 それから、保健福祉部につきましては、普及啓発用の景品みたいなものですが、これに菓子類を購入しておったわけですが、それをポリ袋や携帯用のカイロといった消耗品を購入したようにして処理していたと。

記者)
 これも出先ですか。

会計課長)
 出先です。

記者)
 国に対して、実態に合った弾力的な運用をするように働きかけていくというのは、去年の秋のときにも一貫してそのような見解だったと思いますけれども、恐らく他県でも似たようなことが多分あるのだろうと思いますが、この間、実際に国に対してどういう状況にあるのか、何か動きがあれば、教えていただけますか。

知事)
 これまでも、私も関係省庁等に対し、あるいは関係の部局長等も、関係省庁等に対しまして、こういった問題点について、善処方働きかけをしてきたところでございますけれども、その後、御案内のとおり、新しい公共事業に関わる補助事務費の廃止ということが今回の新政権の方針として出たところでございます。
 そうなりますと、今問題になっておりますような補助事業そのものが、補助という対象でなくなってくる。会計検査院の対象でもなくなってくるということになりますので、その新年度からの動向を今見きわめております。それから一括交付金化についての話もございまして、公共事業関係の省庁でそういう一括交付金化、あるいは1年遅れで全ての省庁の一括交付金化の話が、これから議論が進んでまいりますので、したがいまして、その内容もしっかりと把握をしながら、対応していくということになろうかと思っております。

記者)
 今回の国庫補助事業に関する内部調査ということで、それ以外の単県とかでは考えられているところはありますか。

知事)
 ええ、今回は冒頭の経緯のところで御説明をいたしましたとおりでありまして、会計検査院の検査結果を踏まえて、本県においてあのような結果が出たということを踏まえての調査に着手したわけでございますが、国土交通省及び農林水産省のその他の関係についての内部調査、それから国土交通省及び農林水産省以外の全ての関係の省庁の国庫補助事業にかかる内部調査をやったということでありまして、これは他県と比較いたしましても、相当程度踏み込んだ内部調査をしっかりやったということだろうと思っております。一応そういうことでございますので、単独のものについて調査云々ということは考えていないところでございます。