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2012年10月3日知事記者会見

印刷ページ表示 ページ番号:0299037 2012年11月12日更新公聴広報課

知事からの話題

今議会を終えて

 それでは、私のほうからお話をさせていただきたいと思います。
 まず最初に、今議会を終えてという感想でございますけども、今議会におきましては、メガソーラー関連等の補正予算につきまして議決をいただきました。それから、いじめ、不登校等の教育問題、あるいは防災対策の充実強化をはじめといたしまして、道州制、中山間地域対策、さらには福祉などの諸課題につきまして、幅広いご質問や貴重なご意見をいただいたところであります。
 とりわけ、厳しい状況にあります本県の教育問題につきまして、多くのご指摘、ご提言をいただいてまいりました。岡山県の将来を担う子供さんたちをしっかりと育てていくためにも、今議会でいただきましたご意見等も十分に参考にしながら、県教委の強いリーダーシップのもと、自らの責任において現状を打開し、市町村教委や学校と危機意識を共有して、効果的な対策を講ずることができるよう、本県教育の再生に向けた取組を全力で支援してまいりたいと存じます。
 今議会が、私にとりまして最後の県議会となりました。16年間、県議会議員の方々を始め、皆様方には本当にお世話になりました。先ほど県議会議長から感謝状を受け取った際に、議員の皆様と論戦を繰り広げてまいりました議場との別れというものを実感したところであります。
 私の任期末まで1カ月余りとなりましたけれども、これまでどおり、任期満了まで全力で県政の推進に取り組む所存でございます。引き続きよろしくお願いを申し上げたいと存じます。

中国進出県内企業への金融支援について

 続きまして、最近における情勢の中で、中国における対日抗議活動等による影響を受けた中小企業への支援につきましてお話をさせていただきます。
 中国における日本への抗議活動につきましては、一時、中国各地で展開されました暴力的な行動というものは落ちついているという最近の状況ではありますが、県内では、上海便の一部運休、江西省との友好訪問団の派遣の延期など、影響が出ているところでありまして、また、経済面では、通関検査の強化や日本製品の不買運動、中国人観光客の減少等が長引けば、現地へ進出している企業だけではなく、県内の中小企業に対する影響も懸念されているところであります。
 県産業振興財団や県信用保証協会などを通じて聞きましたところ、現在まで、県内中小企業等に顕著な影響は出ていないとのことでありますが、今後の動向によっては、悪影響が徐々に生じる懸念があるということを考慮いたしまして、資金需要が発生した場合に迅速に対応するため、県制度融資の一つであります経済変動対策資金に、知事特認といたしまして別枠を設け、支援することといたします。
 支援の対象といたしましては、対日抗議活動等により経営に影響を受けている中小企業者及び組合、例えば、中国の現地法人の生産活動や中国への製品の輸出に支障が出ている企業、観光客のキャンセル等により売上が落ち込んでいる企業などを考えておりまして、今後、県内企業に対する緊急調査を行いまして、その調査結果をもとに、取扱期間あるいは具体的な資金使途、融資限度額、融資利率等の詳細を決定をいたしまして、今月中旬を目途に公表したいと考えております。
 私からの発表は以上でございます。

質疑応答

記者)
 これまでの16年間の議会の中で、一番印象に残ったやりとりはどのようなものがありましたか。

知事)
 議会とのやりとりの中で印象に残っていることは、やはり財政構造改革をやるんだということで提案をさせていただき、議論が始まったときに、これがもうあらゆる分野に影響がある改革案でございましたし、これをなし遂げないと岡山の未来はないんだという決意でご提案はしたんですけれども、やはり議員の皆様方は、県全体としてはその方向性ということはおわかりいただいてはいるものの、余りにも個々の分野に影響が出てくるもんですから、そういったお立場から、大変厳しいやりとりがございました。このことがやっぱり一番厳しかったなという思い出になっております。
 もう一つはやはりチボリ問題につきまして、だんだん議論がまとまっていく中で、最後の最後、決断をする際に、何人かの議員の皆さんから厳しいご指摘、批判も含めましていただいた、こういったことが今一番強い印象に残っております。
 いずれにいたしましても、しかし県議会の皆さんはまさに執行部と車の両輪で、岡山県の将来を本当に考えていただいて議論し、徹底的に論戦を展開する中でも、最終的には私が提案いたしました諸議案は、ほとんど全て議決をいただいたということにつきましては、本当に感謝しているところでございます。非常にご理解、ご協力いただいたことは本当にありがたく思っております。

記者)
 そういったいろんな思いがある議会を終えて、まず率直に今の気持ちをお伺いします。

知事)
 やはり県民の皆さんの代表である議会との論戦は、日々県政を推進する中でも最も重要視してまいりました。したがって、前の日に質問内容を徹底的に勉強会開いて分析をし、そして、その中で政策論議もする中で、答弁する下原稿につきましては、修正等含めて徹底的に部長さんとも議論重ねてまいりました。これが執行部の考え方であると。部長が答弁しておりますけれども、部長の答弁も私も全部チェックしています。こういうことでありますから、県民の皆さんとの対話もしてまいりましたけども、その県民の代表であるという県議会の皆さんとの議論というものを一番大切に、論戦に参加をしてきたということでございます。これが本日最終日を迎えたということを、私の任期はまだ一月余り残っておりますけれども、大きな一つの区切りを迎えたと、こういう感がしております。

記者)
 退任表明の時に、まだまだ県政に課題があるとおっしゃられていましたが、次を担う方には、議会ではどの様な論戦を繰り広げてもらいたいとお思いですか。

知事)
 知事選をめぐって大いに政策論議をし、そしてその中で、次のリーダーとして最もふさわしいという方を県民の皆さんが選ばれると承知しております。非常に今、世の中が大きく動き、特に国と地方の関係も含めて大変な時代で、財政は、昨今の世界経済から始まって我が国経済、依然として将来の道筋、明るい経済財政状況になるのかということについては明確なものがありません。こういった中で、どのような県政を進めていくのかということをじっくりと耳を傾けていただきまして、県民の皆さんが選択していただくんだなと、その選ばれた方にしっかりと私はバトンタッチをしたいなと、こう思っております。

記者)
 知事選の候補の応援に入られることはないという考えでよろしいですか。

知事)
 知事選に関しましては、私、後継者指名ももちろんいたしませんし、するべきではないと思ってます。また、特定の方の応援も含めて、私自身が具体的に何かをするということは考えておりません。

記者)
 参議院選挙について自民党から要望が出ていますが、それについてはいつ頃結論を出されるのでしょうか。

知事)
 7月に、県連の加藤会長、そして天野幹事長をはじめ、幹部の皆様から要請をいただきました。知事の任期が終わった後に、できるだけ早く態度表明をしたいと思っております。私自身、今まで県政推進をし、今回、議会の論戦を行っていく中で、本県の発展とか、道州制を含めた地方分権改革にかける強い思いというものを持っておりまして、少しでもこういった私の思いをお役に立てるという場面がありますれば、そういったところに関わっていきたいという考えを持っております。自由民主党の要請に対しましては、前向きに検討していきたいと、こう現時点では思っております。

記者)
 以前、「徳俵踏ん張りのけ反り予算」というキャッチフレーズがありましたが、
テレビ的には印象があって、使わせて頂いたんですが、残り任期1ヵ月ありますが、16年を総括してご自身にキャッチフレーズをつけるなら、どのようなものになりますか。

知事)
 それは、全部まだ任期終わってませんから、最後の記者会見の場面で、これからまた何が起こるかわかりませんので、やっぱり緊張感を持って県政推進しておりますので、そういった場面でお話をさせていただきたいと思いますが、現時点の気持ちとしては、やはり長い長い暗いトンネルを、財政の再建を含め、またそのトンネルの先に岡山の明るい未来があるんだということで進んできた中で、トンネルの出口が近くになったと思ったものが遠くに行く、交付税の大ショックがあったりリーマン・ショックがあったり。こういった経緯の中で、しかしようやく明るいトンネルの先の未来を展望できるような、そういうとこまで来たんだなという、トンネルに例えれば、そういった道のりだったなと、本当に任は重くて道は遠いと、こういう感がしております。

記者)
 教育問題について今回の議会でも盛んに議論されましたが、先ほど「自らの責任において危機的状況を打開してほしい」とおっしゃられたのは、県教育委員会が自らの責任においてということでよろしかったでしょうか。

知事)
 県教委において、やはり自分自身が自らの責任ということを自覚をしてもらって、自らの責任で、現状のままだったらこういう状態になってるわけですから、これを変えてもらわにゃいかんと、こういう願いを持ちながら、県教委の強いリーダーシップを期待しておりまして、その一環で、もう既に現場に県教委の幹部あるいは教育委員の皆さんが出向いてらっしゃいます。私もそういったことを県教委の幹部の皆さんあるいは教育委員会の委員の皆さんともお話をしたことございますけども、現場にどんどんその強い思いを、県教委の強い思いを浸透していくというところから教育の再生へ向けた取組をしていただきたいと思うし、またその課題としては、財政面からもこれからも応援をしていくことが一つの課題として残ると思いますけれども、いわゆる教員の正規教員化といいましょうか、そういった、責任持って自分自身が教育の再生目指して前面に立って頑張っていくという、そういう教員をもっと増やしていくという体制づくりもこれから課題になってくるのかなと、こういったことは教育長ともしっかり議論を重ねております。一つの将来の課題にはなりましたけれども。

記者)
 知事選挙候補者は皆さんは教育問題を盛んに言われていますが、夢づくりプランで「教育と人づくり」の分野は政策評価でも高い評価が出ていたのですが、知事ご自身は、この夢づくりプランで取り組まれた教育の分野の施策は十分できたと思われていますでしょうか。

知事)
 そうですね、「教育」は前のプランのときからも、また現プランにおいても最重要課題に位置づけ、そして財政構造改革を進める中でも、これは特別な配慮をする分野として位置づけてまいりました。しかしながら、現実このような結果になったということなんですね。「成果が学力向上プランに基づいて上がってきてると思います。」と、県教委からはたびたび報告を受けており、確かに一時悪かったところから少し上向きに数値が上がってきていたんですが、大震災がありまして、しばらくあいて、今回の思いがけない数値が出て、これを目の当たりにして、本当に危機的な厳しい状況になったということを意識を持って、意識を変えていかなきゃいけないんですね。それを認識しながら、現場現場はそれぞれ真剣にやっていただくということと、それを家庭の方とか地域の方、こういった方も一緒になって、様々な今の教育における課題を解決していこうという、そういう意味におきましては、まさにオール岡山としての力の結集が、今問われているんだと思います。大いに知事選でも論戦を重ねていただき、次の具体的な政策に、その方向性が具体的に出されるということも、大いに私は期待をしているものであります。

記者)
 今日議場で最後に挨拶されたとき目が潤んでいるように見えましたが。

知事)
 私、万感迫る思いがいたしまして、最後に「ありがとうございます」と言うときに、議場の皆さんお一人お一人ずっと見渡して、長い間お付き合いいただいたという思い、本当に16年間、しかも年4回、長い間、県政推進に大変ご指導いただき、また激励もいただき、ご批判はあったものの、全体として感謝の気持ちを考えたときに、目頭が熱くなったということは確かにございました。本当に万感の思いがございました。

記者)
 もうこの議場に立つことはないんですよね。

知事)
 そうなんです、議場に立つことはないということを考えると、やっぱりちょっとさみしい面もないことはないんですけれども。しかし、この厳しいご意見、論戦がなくなるということ、ほっとした気持ちもあり、両方の面があるんだと思います。